あなたの周りは異空間(特殊相対性理論の崩壊)

<目 次>
1 あなたの周りは異空間
2 同時性は維持される
3 運動する時計は遅れない
4 光速度について
5 原論文に見る重大な過ち


1 あなたの周りは空間


 あなたの周りには、多数の時刻が違う世界が広がっています。
 アインシュタインは、運動する物体の時計の遅れを提唱し、この考え方は、科学者の間で認められている事柄です。
 そして、科学者は、寿命が短い素粒子ミューオンが地上に届くのは光速に近い速さで動いているから時間の遅れが出たとの結論を出しています。
 この考えと同じように、空気の分子一個一個が、それぞれ別の時計を持ち、動くスピードが違うため、時刻の違う異次元の世界が無限にあなたの周りに存在するのです。
 あなたの体を見ると血液は絶えず動いているので 体の中にも時刻が違う世界があるのです。また、手の先と胴体では違う時刻になり、分子レベルで見るとあなたの体には、無数の時刻が違った異次元の世界があり、あなたの体は、異次元の世界が結びついて存在するのです。
 アインシュタインが提唱した、「時間の遅れ」が真実ならば、上述のことが起こってしまうのです。
 私が調べた限りでは、時間の遅れは生じないので こんなことは生じていません。
 五章の内容を多くの方々に読んで頂きたくて、上述の文章を書きました。
 このブログの五章は、物理学会を大混乱させる非常に重要な事柄(アインシュタインの考え方が根本的に間違がっている)を書いています。
 柔軟な考えを持っている人は五章を見れば、すぐに理解できると思いますが、同時性の否定や運動する時計の遅れを説明するモデルの間違いを指摘しながら、光速度の固定観念を変えてもらったうえで、最後の式の間違いを説明することにしました。


2.同時性は維持される
 「アインシュタインの特殊相対性理論」(1905年 FN高校の物理)の「(2)光速不変の原理」の項で電車を使用して時間の絶対性(同時性)についての結論を出しています。ここでの考え方の間違いを記述します。
 ホームページに記載されている一定速度で直進する電車の前後のドアに同期した時計と光が届いたときに点灯するフラッシュを設置します。
 最初に、このドアの前後のフラッシュを同時刻に点灯します。電車に乗っている観測者は、フラッシュが同時刻に光ったのを観測します。また、当然のことながら地上の観測者も数値は違っても同時刻に光ったのを観測します。

          図-1


 次に、電車の中央から、前後のドアに光を同時に照射します。電車の観測者は、フラッシュが同時に光ったのを観測します。同時に光ったのだから、上述のように地上の観測者も同時に光ったのを観測するはずですが、特殊相対性理論では、後ろのフラッシュが先に光り、前のフラッシュが後から光ることになるのです。
 特殊相対性理論の考えでは同じ事象、電車に乗っている観測者が同時刻に光るのを観測することに対して 地上の観測者は一方では、同時刻に届き、光が介在すると別々に届くという不思議な現象が起こってしまうのです。
 頭が、がちがちに固い物理学者の方は、光速は不変なのだから、後ろの光が先に届き、前の光が後で届くことに疑問を抱かないかもしれません。しかし、柔軟な考えを持っている皆さんは、疑問を抱くに違いありません。同時に光るという現象に対して2通りの現象が起きるのは、おかしいと?
 ホームページの文の中ではフラッシュがないので、不思議に感じない人がほとんどだと思いますが、フラッシュを設置したことにより、同時に起こった現象に対する2通りの現象が明確になったのです。
 一つの事象に関して、2通りの事象はあり得ないので、どちらかを選択せざるを得ないのですが、ただ単にフラッシュを点灯した時に、地上に後ろの光が先に届き、前の光が後から届くという現象はどう考えても起こらないのです。
 光が介在しても電車で同時に起こった現象は、プラットフォームでも同時に起こるのです。アインシュタインはこれで時間の絶対性(静止系と運動系の時間が一緒である事)を棄却していますが、この考え方では、時間の絶対性は棄却できないのです。
 後半で光速度のことを記述するので、静止系の観測時間の計算方法を記載し
ます。
 ここで電車の速度をv、中央部分とドアの距離をaとして計算します。
 アインシュタインの考え方では前方の光は、 
        t=(a+vt)/c   t=a/(c-v) 
 後方の光は、 t=(a-vt)/c   t=a/(c+v) です。


  光の軌跡の速度(見かけ速度)が光速度に電車の速度も加わると仮定すると
 前方の光は、 t=(a+vt)/(c+v)=a/c
 後方の光は、 t=(a-vt)/(c-v)=a/c
 静止系で観測される電車の中の光の見かけの速度は、電車の速度も考慮しないと同時にはなりません。


 次に、「特殊および一般相対性理論について」(アルバート・アインシュタイン著.金子務訳) 第9章 同時性の相対性において同時性を列車と軌道堤(プラットフォーム)を使用して、すべての基準体は固有な時間を持っていると結論づけていますが、ここでの間違いを指摘します。
 まず、アインシュタインの考えを記述します。
 非常に長い列車がレール上を一定速度で進んでいます。この時、落雷A・Bがあった時、プラットフォームのABの中間にいるMは落雷の光が同時に届くのを観測します。一方、落雷があった時にMと同じ位置のM´にいる列車の観測者は、Bの光が先に届き、Aの光が後から届くのを観測するのです。


                図-2
 そして、以下のような結論を出しています。プラットフォームを基準として同時である事象は、列車を基準とすると同時ではない。そしてまた、逆も真である。(同時性の相対性)すべての基準体(座標系)はそれぞれ固有な時間を持っている。
 この考察で、アインシュタインは系の事象を混同しているのです。落雷を銃の弾丸に置き換えれば、解ると思いますが、静止系で起こった事象を運動系で見るわけですから同時に届かなくて当たり前なのです。
 ここで、A・B点と列車のA・B点に対応したところA´・B´点にフラッシュを4個置き、M´の観測者がMと同じ位置に、来た時にフラッシュをすべて点灯します。
 プラットフォームいる観測者は、光が同時に届くのを観測し、列車の観測者も光が同時に届くのを観測します。
 プラットフォームを基準として同時である事象(プラットフォームのA・B点の光が同時に届く。)は列車を基準にするとA´・B´点の光が同時に届くことであり、列車を基準にしても同時なのです。
 アインシュタインが結論したすべての座標系は、固有の時間を持っているとは、この考え方では、結論づけられないのです。


3 運動する時計は遅れない
 「アインシュタインの特殊相対性理論」(1905年 FN高校の物理)
(5)長さと時間の相対性 で使用している光時計を使用して説明します。
プラットフォームと電車に長さaの光時計を置きます。それぞれの時計を同時に動かし、往復にかかる時間を計測するとプラットフォームと電車の観測者は、ともにt=2a/cの時間を計測します。


             図-3
 次に、プラットフォームから電車の光時計を観測すると電車が動いているために、図-4のような状態を観測し、往復にかかる時間はt=2a/√(c²-V²)となり、電車の観測者が観測する時間より長い時間がかかるので、電車の時間は遅れるとの結論を出しています。

               図-4
 次に、アインシュタインの間違いを指摘します。
 電車の鏡に光が到達した時に計測できる距離aの光時計を図-5のように3個設置します。そして、このそれぞれの光時計の鏡に光が到達した時に、点灯するフラッシュを設置します。
 最初に、鏡にある3個のフラッシュを同時に点灯します。当然のことながら、電車の観測者は、フラッシュが同時に光ったのを観測します。プラットフォームの観測者も同時に光ったのを観測します。

    

               図-5


 次に3個の光時計を同時に作動します。電車の観測者は、3個のフラッシュが同時に点灯するのを確認し、観測される時間は、t=a/cとなります。同時に光ったのですからプラットフォームの観測者も同時に光るのを観測し、観測される時間は、後方への光は
 t=(a-vt)/(c-v)   t=a/c となります。
 同じように前方の光の到達時間は
 t=(a+vt)/(c+c)   t=a/c 
 上方の光の到達時間は       t=a/c となります。
 一方、アインシュタインの考え方では、プラットフォームの観測者は、光速不変の定理より後方の光は、          t=a/(c+v)      
 上方への光は、          t=a/√(c²-v²)
 前方の光は            t=a/(c-v)
の時間を観測します。前に記載したように、同時に光るという事象に対して、2通りの事象は起きるとは、考えられないのです。つまり、運動する時計の遅れなどないのです。
 また見かけの速度は、ここでも列車の速度を考慮しないと成り立ちません。
 次に、この時の光の状態を図-6で考察します。
 光は図のように垂直方向に進みます。しかし、列車の速度が水平方向に加わる為に、光が斜線を進むかのように軌跡(見かけの速度)が見えるのです。


          

             図-6
 光は距離aしか進んでいないのです。光の到達時間は距離aにより決まり、列車の速度に依存せずに、t=a/c と常に一定になるのです。
 アインシュタインは、速度により合成された光の軌跡(長さ)を光速不変の原理を適用し、光速度で割っているのでこのような間違いを起こしたのです。
 頭の中で考えると、光の軌跡は光そのものが進んでいるように思いがちですが、よく考察してみると軌跡は光の動きだけではなく、列車の速度が加わったものなのです。
 軌跡は、列車の速度が加わっているので、光速度より早く移動したように、見えるはずです。
 以上の事柄から アインシュタインは、間違った認識から同時性や時間の遅れなどを考察していますが、時間の絶対性は維持されていて、運動する時計の遅れなどないのです。


3 光速度について
(フィゾーの実験)
FN高校の物理に記載されているフィゾーが運動媒質中の光速度を測定した方法
(1851年)の実験装置の図を引用し、光速不変の原理の矛盾点をあげます。

                  図-7


 フィゾーは図‐7に示すような装置を用いて水中の光速度の算出を行っています。
 この実験は乱流域で行われているので完璧な実験とは言えませんが、水流の相対速度の影響は測定できたようです。
 測定装置の入口より入った光は、2つに分けられ、それぞれ逆方向の水流を通り、測定部分でできた干渉縞の移動幅で、水中の光速度を測定しています。
 ここで、光速不変の原理を考えてみてください。光速不変の原理は水中にも適用されるべきで、光速不変が真実ならば、測定口を入った光は、水流の方向に関係なく、水中を一定速度で進み、測定部分に入り、流速による影響など出ないはずです。
 ところが、流速による影響・干渉縞の幅が変化しているのです。光速度は不変ではなく、速度の影響を受けることの証明になるのではないでしょうか。
 フィゾーの実験は水と空気の2つの媒質で実験が行われています。水では流速の影響が観測されたのに対し、空気では流速による影響は観測されていません。
 これについては、ドップラー効果による波長の変化を試算すると、水では流れる方向間で、非常に僅かな波長のずれが生じますが、空気では元の波長から非常に僅かにずれますが、乗除する数値の順番が違うだけで同じ数値が使われるため、波長の値は、同じになりました。
 これが、水では速度の影響が測定できたが、空気では測定できなかった理由かもしれません。
 流動する空気層を通過すると元の波長から極僅かずれるので図-8のような装置を用いれば、空気の流速による光の影響を調査できると考えられます。
 一方はなにも通さない光を用い、もう一方は流れる空気の層を通して調査します。


              図-8


(ドップラー効果)
 光のドップラー効果である赤色・青色遷移が起こっているのは、ご存知のことと思います。このドップラー効果をミクロ的にとらえます。
 図-9の場合、光は媒質中を一定速度で進みますが、観測者が移動しているために、波長の山から次の山までの到達時間距(距離)が短くなり、その結果ドップラー効果が観測されます。

 

                 図-9
 仮に、観測者に対する光の速度が不変と仮定すると山から山への到達時間は、観測者が動いていない時と同じになり、ドップラー効果は、観測されません。
 光を発するものが移動している時も、光速不変では山から山への移動距離が、動いていない時と同じになり、ドップラー効果は、観測されないことになります。
 しかし、現実にはドップラー効果が認められているのですから、光の相対速度は変化すると考えるのが妥当と考えられます。


(私見)
 私見ですが、光は音波と同じように媒質中・系を一定速度で進みます。そのため、非常に高速で移動する物体から発せられる光も動いていない物質から発せられる光も同じ速度で進みます。(連星やπ中間子)
 媒質中を移動する物質中の光を観測すると他の物理現象と同じように、速度の影響を受け、媒質に入るときにドップラー効果が生じます。
 光を伝搬する物質としてエーテルが考えられています。
 このエーテルが存在するかどうかはわかりませんが、光を伝搬する物質(媒質)としては、真空・ガス(大気等)液体(水等)・固体(氷・ガラス等)など多種にわたって存在します。
 これらの媒質はそれぞれ固有の光の伝搬速度を持ち、ダイヤモンドにおいては、真空中の伝搬速度の半分以下になります。
 もし、エーテルが存在したとしても、ダイヤモンドではエーテルの動きに大きな束縛があるのではないでしょうか。また、他の物質に関しても同じことが言えるのではないでしょうか?
 真空中を高速でダイヤモンドを移動させ、速度の影響を調査しても、ダイヤモンドの伝搬速度が支配的になり、ダイヤモンドの速度の影響は出ない可能性があります。
 同じことを地球の大気で考えるとエーテルが存在したとしても、大気の上層部で速度の影響は無くなり、測定できる領域では、公転速度による方向性の影響は出ないのではないでしょうか。
 光速度の議論をするときは、エーテルの存在を考えずに地球を一つの運動する系として考えたほうがよさそうです。
 光速度不変を示す証拠として、マイケルソンとモーレーの実験等がありますが、ただ、媒質中の光速度を測定していただけなのではないでしょうか。


5 原論文に見る重大な過ち
 アインシュタインの論文(アインシュタインの論文選「奇跡の年」の5論文 青木薫訳 ちくま学芸文庫)のp261~263に記載されている運動系で起こった事象の場所と時刻を静止系で特定できるように静止系の(x,y,z,t)を使用した式を立てる時におこりました。
 ここで使用したモデル実験では、運動系の原点からX´軸に沿って光を照射し、一定距離L(x´)に置いた鏡で反射させ、原点に戻すときの式を立てています。ここで、非常に重要な仮定を入れています。
 静止系の式なので光速度一定の原理が使われているのです。 
 この仮定により、運動系の見かけの速度(c+v)の光は静止系の式で表すときに光速度になっているのです。 
運動する物体は収縮するという概念は知っていましたが、仮定からすでに収縮していたのです。
 本文を読み進んで頂ければ解りますが、この光速不変と仮定することが間違っていたのです。


 もう一点、アインシュタインは大きな間違いを起こしています。
 これにつては、内容が重複しますが、論文を説明しながら指摘します。
 最初に、運動系K´で起こった出来事の場所と時刻を完全に指定する、ε,η,ζ,τの値に
対し、静止系Kでの値x,y,z,tを関係づける連立方程式を求めようとしいます。 
 モデル実験として 運動系のX´軸に沿って時刻T₀で光を照射させ、時刻T₁にx´で反射され、時刻T₂で運動系の原点に戻る状態をx´=x-vtとおき、(x´,y,z,t)を使い、算出しようとしています。
 モデル実験では、光が往復しているので、(1)式が必ず成り立ちます。
  1/2(T₀+T₂)=T₁            ‥‥‥‥‥‥‥‥(1)
 Τは時刻を表す関数ですが、意味するところは、往復の時間の半分が往路の時間になるという事です。そして、この式は、往路の時間と復路の時間が等しくなければ、成り立ちません。
 (1)式はアインシュタインの間違いを示す重要な事柄です。私の考えを理解して頂くのが困難と思われるので図を使って説明します。
 速度vで移動している運動系の原点の移動状態を静止系で観察した時の状態を
図-10に示します。


             図-10 
 ここで、1・2‥‥は、運動系の単位時間(秒)です。静止系で見ると1α,2α‥‥になっているとします。(この操作を行っている時点では時間の遅れは、解っていないのでαを入れなくてもよいのですが、時間の遅れの認識が浸透しているので あえてαをいれています。)
 運動系で単位時間(1秒)あたりに進む距離はvですが、静止系で見るとvα移動するとします。
 運動系の時間が2秒進んだ時、静止系では、2vα、4秒後には4vαに移動します。
 運動系で光がx´に到達する時間はx´/c秒ですから 静止系から見た原点は、
v(x´/c)αに移動しています。
 運動系で光が原点に戻る時間は、2x´/c秒ですから 静止系から見ると 原点は
2v(x´/c)αに移動します。
この時、静止系でも
1/2{τ₀+2(x´/c)α}=(x´/c)α
となり、(1)式を満たしていることが判ります。
  そして、静止系の往路の時間(t₁)は(x´/c)αで復路の時間(t₂)も(x´/c)αで 静止系でも往路の時間と復路の時間が等しくなっています。
運動系の事象を静止系に反映するときは、原点の移動状態も必ず反映されなければならないので、上述のことが満たされていなければ、運動系の事象を反映していないことになります。


 アインシュタインは(1)式に引数を入れて、(2)式を立てています。
 1/2[τ(0,0,0,t)+τ(0,0,0,{t+x´/(c-v)x´/(c+v)})]
 =τ[(x´,0,0,t+x´/(c-v)]    ‥‥‥‥‥‥‥‥(2)


 x´/(c-v):原点を出た光がx´に到着する時間t₁を表す式
 x´/(c+v):x´で反射された光が原点に戻る時間t₂を表す式
 x´ :棒の長さと考えてください。


 この式で直ぐにお判りのように、1/2(T₀+T₂)=T₁ が成立していないのです。
 また、t₁≠t₂ ですから原点の移動距離も図-10で示したものと違ったものになります。また、原点の移動で考察した往路の時間と復路の時間(x´/c)αとは全く違った値になっています。
 運動系の出来事を正しく静止系に反映させれば、t₁=t₂に必ずなるはずですが、反映しない状態で理論の展開が行われているのです。
 Τは時刻の関数ですからアインシュタインが使用した時間をΤの式に単純に入れて展開すると
  1/2{Τ₀+x´/(c-v)+x´/(c+v)}=x´/(c-v)
Τ₀=0ですから
  x´/(c-v)=x´/(c+v)
となり、非常に矛盾した結果が得られます。


 反映していないことを的確に証明できるモデル実験を考えついたので、それを記載します。
 運動系の原点からx´に光を照射するときに、x´の半分の距離に光が届いたときに原点に戻す光を同時に照射させ、半分の距離を二往復させます。
 この時、原点とx´の位置に、同期させた時計をそれぞれ置きます。
 光がx´に到達した時に、もう一方の光は原点に到着し、運動系にいる観測者は、光が同時刻に到着するのを観測します。
x´に到達した光が、原点に戻った時にもう一方の光も同時刻に戻ったのを観測します。
一方、静止系の観測者は、光速不変の原理を適用して、見かけの速度、
(c+v)や(c-v)がcになるので、図-11に示すような状態を観測します。

               図-11
 光がx´に到達する時刻はt₁となり、もう一方の光が原点に、戻る時刻は
(t₁+t₂)/2となり、一致しないことが解ります。
 x´が原点に戻る時刻は、t₁+t₂、もう一方の光が原点に戻る時刻も、t₁+t₂ となり、この時刻は一致します。
 運動系で同時に起こった事象に対して、静止系では一つの事象に関しては時刻が不一致になり、もう一方は、一致するという矛盾する結果が得られるのです。
 アインシュタインの理論に精通した人は、光の方向が違うから 「このような現象が起こった」という人がいるかもしれません。
 この件に関しては、フラッシュを使用して説明します。
 運動系の原点とx´に光が届いたときに点灯するフラッシュを設置します。
 最初に同時刻に両方のフラッシュを点灯します。当然のことながら、静止系の観測者は、フラッシュが同時に点灯したのを観測します。
 次に、x´に向けて光を照射します。運動系の観測者は、原点とx´で同時刻にフラッシュが光るのを観測します。この同時に光るという事象は、同時に点灯すると同じ事象ですから、この光は静止系に同時に届きます。
 運動系で同時(同時刻)に起こった現象は、必ず、静止系でも同時に起こらなければならないのです。
 原点の移動距離と同時に起こった現象の不一致から、アインシュタインの考え方が間違っていることを理解できたと思います。
 この図に示した光の速度(赤線の部分)を見かけの速度(c+v)と(c-v)に変えると当然のことながら、原点移動も同時性の問題も解決します。
 この式は特殊相対性理論のベースになる非常に重要な部分で、媒質中の光速度とみかけの光速度が違うという事を認識できずに、光速度不変として理論の展開を行っているのです。
 間違った認識から出されたすべての結論「運動する時計の遅れ」や「運動する物体の収縮」・「ロレンツ変換」・「ミンコフスキー時空」など存在しないのです。