光速度不変原理の崩壊


 前ブログで、ミンコフスキー時空図は、運動する点の一次元の時間と二次元の空間を表したものであり、原点から、L点までX座標上に無数の点のミンコフスキー時空図を作ることにより、運動系の同時刻ラインは、X軸に平行であり、X´に平行なラインは点の移動状態を示すラインであることを指摘しました。しかし、 下記の図のほうが良いようです。


       図-1
 上の図で紫の部分が各点の時刻線が集合した部分で、各点の同時刻を結んだ線がX軸に平行な赤線です。
 アインシュタインが運動系の同時刻ラインと言っているX´軸に平行なラインは別のものになります。
 運動する点の状態を示すミンコフスキー時空図で長さのある物体の議論をすること自体おかしいのです。
 運動系の同時刻ラインが静止系のX軸に平行なことにより、ある時刻の運動する物体のどこの場所でも時刻は同一であり、静止系から観察しても同時刻になります。
 今まで、移動する電車の中央から前後のドアに光を照射させた時に、光は同時刻に届かないと同時性の否定を行っていましたが、移動する電車の中は同時刻であり、中央から照射した光が同時に届かないほうがおかしいことになります。
 アインシュタインの特殊相対性理論が音を立てて崩壊しだしたのです。
 速度vで移動する長さ2Lの電車の中心から、前後のドアに向けて光を照射し、時間の推移を見てみましょう。
 運動系の観測者は時刻L/cに前後のドアに光が同時に届いたのを観測します。
 静止系の観測者は、光速度不変の原理により、図-2の状態を観測します。

          図-2


 前のドアに光が届く時刻は  t=L/(c+v)
 後ろのドアに光が届く時刻は t=L/(c-v)
となります。
 届く時刻が同じですからL/(c+v)=L/(c-v)にならなければならないのです。
 静止系で見る光速度が列車の速度も加味された見かけの速度になっているとすると図-3のような状態を静止系の観測者は観測します。

           図-3
 この時、前のドアに光が届く時刻は
  L=(c-v)Δt+vΔt  t=L/c
 後ろのドアに光が届く時刻は、
  L=(c+v)Δt-vΔt  t=L/c
となり、同時刻になります。
 静止系で観測する運動系中を移動する光の速度(見かけの光速度)は、運動系の移動速度vを考慮しなければ同時刻にならないのです。
 媒質中の光速度は一定ですが、運動系を移動する光速度は異質のものなのです。
 例えば移動する電車の中の光を観測すると図-4に示すように静止系の観測者は、電車にたいして垂直方向の光を観察するわけですから、電車の中の光の速度は、電車の中の光の移動時間で測定するか、光を照射した電車の位置と光が届いた位置の距離から算出するしかないわけです。

                                図-4
 試しにアインシュタインが考えている収縮率と時間の遅れから電車の中の光速度を逆算してみます。
 運動する距離L光時計を光が移動する時間tは、t=L/√(c²-v²)
 運動する物体の長さLは、静止系で見ると L×√{1-(v/c)²}
 速度は √{1-(v/c)²}×√(c²-v²)となり、光速度にはなりません。アインシュタインが考えていることが正しいなら光速度になるはずなのにおかしいですね?
     
 ミンコフスキー時空図の間違いを端的に示すモデル実験を思いついたので記述します。
 静止系のX軸上に長さLの棒を置き、その両端に静止系で同期した光時計を置きます。この棒を速度VでX軸に沿って移動させます。
 静止系から光時計の時刻を観測すると棒の先端も後部も光時計の時刻は同じ値をずっと保ちます。アインシュタインが考えたミンコフスキー時空図の状態とは、違うものになっています。