新双子のパラドックス 時間は遅れなかった
時間の遅れについて、静止系と運動系で光を照射し、その時の時間を静止系と運動系の両方で考察をします。
図-1
このA,B点と電車の両端に長さLの光時計を設置します。
速度vで移動する長さLの電車の後ろが地上のA点を通過したときに、同時に光を照射し、光時計を作動します。
地上と電車の観測者は、それぞれ光が届いた光時計の時間と光時計の光がL進む時間を記録します。
次に光の方向を逆にして、同じことを行います。
この光の到達時間を表にまとめます。
表-1
同じ系の光の到達時間は、すべてL/cの時間を観測します。また、系が違う光時計の時間は、すべてL/√(c²-v²)の時間を観測します。
しかし、系が違う光の時間は、方向により時間が違い、赤で示した時間は、時間の遅れではなく、時間の短縮が起きています。運動する時計が進んでいるのです。
光を出す向きを片方反対方向にするとまるっきり同じ時間が観察されます。
光が届いたらすぐに電車を止め、地上の観測者と光時計の時刻の確認を行いました。
地上の観測者は、電車の時刻が遅れていると思い、電車の観測者は、地上の時刻が遅れていると思っています。これは、何を意味するのでしょうか?
このように、両方の視点で考察すると運動する物体の時間の遅れなどないのです。
双子のパラドックスは、有名な話ですが、それは、一方的な見方しかしていません。
例えば、双子の兄弟の弟は宇宙ステーションCで働いて、兄は宇宙ステーションA,Bの輸送をしていて、超高速ロケットで移動していたとします。(図-2)
図-2
弟は、兄のロケットに乗るスケジュールが解っていたので、10年たって1歳若いと考えていました。
一方、兄はCにある巨大な光時計を見ていたので、10年経って弟は1歳若いと考えていました。
10年ぶりに二人が再会しました。両方ともに自分より1歳若いと考えているのです。果たしてどうなったのでしょうか?
これが、新双子のパラドックスです。視点を一方だけから考えて、時間の遅れを考えていましたが、図-1のように双方向から観察すると時間の遅れは、ないのです。
なぜ、このような現象が起きているのでしょうか?これは、前ブログでも書きましたが、電車を移動する光は、今まで測定されたことはないのです。(図-2)
地上で測定できる光は縦方向の光しかありません。
それを光速度不変原理で運動する系の光速度をcとしているからです。
ローレンツ変換の式を導き出す最初のベースの式にL/(c-v)とL/(c+v)を使用してローレンツ変換は導き出されているのです。ローレンツ変換などないのです。
図-2
地上から観察される運動系の光はどうなっているのでしょうか、電車の中のB点から等距離にあるA,C点に同時に出した光について考えてみます。
図-3
今までは、地上からしか考えていないので、電車から見た状態を考察します。電車を静止系にするのです。
電車を静止系にするとA,B,C点は動いていないのでX軸に垂直な世界線が書けます。
この時、B点と同じ位置にいる地上の観測者Dは、速度vで左側に移動します。この状態をこの時空図に書くと紺色のD点の世界線が書けます。Dは時刻t₁で A₁とC₁に光が同時に到達したのを観察します。(図-4)
図-4
このときのD点と光は、下図に示すような状態になります。
図-5
図-5は光の移動とDの動きを上から見た状態です。Dは速度vで移動しているために光はD点を中心とした円にならずに右にvΔt移動した状態になります。
では、この状態を静止系の時空図にします。
図-6
運動系の光の世界線は、静止系の光の世界線からvΔt右に移動して書いています。
これが静止系で観測される運動系の光の世界線なのです。
当然のことながら、Dは、時刻t₁で光がA,C点に同時に到達するのを観測します。
静止系で観測される光の見かけ速度は、c+vやc-vになるのです。
この見かけの速度を用いると表-1の光の到達時間は、すべてL/cとなり、矛盾はなくなります。
なぜ、速度がc+vやc-vになるかは、私の仮説ですが空間移動論です。
これは前々ブログを参照してください。
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