特殊相対性理論の矛盾点(物理学者も答えられない)


(「特殊相対性理論の矛盾」に関しては、新たな知見を加え、非常にわかりやすく最新版のブログ『20世紀最大の物理学者の過ち』(2019/08/03)https://yoko3210go.muragon.com/entry/68.htmlにまとめてあります。
 なぜ、「波動方程式は、ガリレイ変換で、不変でないのか。」(ドップラー効果で、振動数と移動速度が変化している。)など、矛盾の本質を突いたまとめを行っています。
 上記ブログを読んでいただければ、よく理解いただけると考えておりますので、このブログよりも先に、上記ブログを読んでいただいたほうが、矛盾が明確になると考えられます。)


1. 光時計の矛盾
2. ガリレイ座標間で同時性は維持される
3. 時空図の矛盾
4. ミューオンの時間の遅れの矛盾
5.「マイケルソン,モーリーの実験結果の考察とガリレイ座標系」の矛盾
   および音波と光の波動方程式について


1.光時計の矛盾
 特殊相対性理論において、運動する物体の時刻の遅れは光時計を使用して、説明されています。この光時計を使用して、考えられないような出来事が起こるのを説明します。
 静止系で全て同期してあり、同じ時刻を表示するように設定されている長さLの光時計を3個使用し、速度Vで移動する電車に図-1のように設置します。

         

                      図-1
 Mから出た光はABCで反射され、Mに戻り、Mに戻った時にMに設置したフラッシュが点灯するようにします。 
 電車に乗っている観測者(電車を静止系と考えればよいのですから)は、各光が
  2L/C時間後にMに到達し、フラッシュが、一回光るのを観測します。
 一方、地上にいる観測者は、特殊相対性理論に準じた光の軌跡の観測を行うとA・Cの
 光はMに2LC/(C²-V²)時間後に到達し、
 Bの光は2L/√(C²-V²)時間後に到達し、フラッシュが、二回光るのを観測することになるのです。
 現代科学の常識では考えられない、一つのものが二つに分かれてしまうのです。
 光時計の角度を変えるとさらに違った時間が観測されるのです。
 電車の光時計の2L/Cの時間が地上では2LC/(C²-V²)2L/√(C²-V²)の間で、無数の時間が観測されるのです。
 つぎに、MよりA・B・Cの各点に到達する時間を考察してみましょう。電車の観測者は、L/C時間後に各点に、光が到達するのを確認します。
 一方、地上の観測者は、L/(C+V)・L/√(C²-V²)・L/(C-V)の時間を観測し、光時計の角度を変えるとL/(C+V)~L/(C-V)の間で、無数の時間を観測することになるのです。しかも、~L/(C+V)に関しては電車の時間が進むという現象を生じてしまうのです。
 これに疑問を感じない科学者は、いないと思いますが、皆さんはどのように考えますか?????


 特殊相対性理論では「運動する時計の遅れ」はT×√〔1-(V²/C²)〕なっていますが、上の現象を説明できない限り、真の時間の遅れは判らないと考えられます。
 ある物理学者さんは、このことについて、特殊相対性理論で扱われている「運動する物体は縮む」という現象を考え合わせても 明確な回答をすることはできませんでした。
 いろいろ調べると、この矛盾の原因は、ただ単純に特殊相対性理論で扱っている『光の速度の考察方法(考え方 光速度不変原理)が間違った。』ために起こった現象です。
 光速度不変原理が違うなど、皆さん考えも及ばないですよね。何しろ『原理』ですから、物理学者でない私が気付くくらいだから、「特殊相対性理論は否定されているかな?」とネットで調べましたが、相対性理論より導き出される現象についての矛盾を指摘する学者さんは、おりましたが、根本を指摘する学者さんはいないので、特殊相対性理論は、いまだに広く受け入れられているようです。
 考察方法が間違っていなければ、同じ時間が観測されるはずで、一つのものが無数に分かれるというような現象は絶対起きません。
 物理学者のかたは、ミンコフスキー時空図を引き合いに出して 光はこの図のようなっているからこの図を見ればわかるとおっしゃいますが、光の速度の考察方法を間違って出された図を使ってもこの現象の説明にはなっていませんでした。(説明できないので、ミンコフスキー時空図に逃げていたのだと思われます。)
 ここで、この矛盾点をそのままにして、「運動する時計の遅れ」は
 T×√〔1-(V²/C²)〕という人は、本当の科学者ではないと思うのですが、矛盾点について真剣に討議し、その矛盾を解決しないままに、自分の知識以外のことを考えないようでは、科学の発展はないと思うのですが皆さんは、どのように思いますか?


 この間違った光の速度の考察方法に関しては、長い物理学の歴史をたどる必要があります。「エーテル理論(光の媒質)・マイケルソン・モーレーの実験結果・マックスウェルの波動方程式が不変であった」ことなどから、アインシュタインは、ガリレイ座標系の誤った認識から特殊相対性理論を提言したようです。(5で説明)
 2LC/(C²-V²)の考え方で導き出された1/√[1-(V/C)²]は特殊対性理論の中では非常に重要な数値でいたるところで使われています。
 特殊相対性理論は、現代科学に多大な影響を与え、この理論の根本が、間違っていたなど誰も考えず、当たり前の理論になっているので それを覆すのは、天動説を地動説に変えるくらい非常に困難なことと思われますが、少しでもヒビを入れられたらと思いこれを書いてみました。



                
2.ガリレイ座標間で同時性は維持される
「アインシュタインの相対性理論」(M・Born著、林 一訳、東京図書)のⅥ章 アインシュタインの特殊相対性理論(p203~205)において、船とはしけを使って、『絶対同時性の否定』を行っていますが、ここで、その矛盾を説明します。
 この例は、音を使っていますので、皆さんも理解しやすいと思います。
 船が静止しているときは、 A,Bの真ん中に船Cを置き、Cから信号音を発する。この音は、A,Bに同時に聞こえるので この時の時間を決めておけば船A,B上の時計を同期することができます。
 そして、この同期を一定の間隔で行います。


     


 この本では、系の錯誤を行って同時性の否定を行っているので、系を正しくし、同時性が、維持される方法について まず述べます。
 この船を大きな密閉された箱に入れ、固定します。(大きなタンカーの中に置いたとしてください。)このタンカーが動いていても中の空気は、A´・B´・C´に対して静止した状態なので、常に音は、A´・B´に同時に届きます。

    


 同じようなタンカーが二つあるとします。最初に時計を同期し、常に同じ間隔で同期すれば、二つのタンカーが各々どのような速度で移動しようが、この二つのタンカーの船の時計の時刻は、いつも同じ時刻を示し、同時性は保たれます。
 しかし、Bornはこの箱を用いないで議論を行っています。海洋上ですから、当然のことながら、船の周りの空気は船と違った速度を持ち、音はAに早く到達し、Bには遅く到達するので、AとBの時刻は違ってきます。この海洋上を航行する船団が二組あり、違う速度ですれ違った場合、当然のことながら、二つの船団の時計の時刻は、一致しません。
 ここで、Bornは洋上を航行する船団(二つの系)の物理法則は同一としています。
 これは、洋上を航行する船団とその空間(洋上)を一つのガリレイ座標系とみなし、議論しているのです。そして、Bornは絶対同時性の否定を行っています。
 洋上を航行する船団の周りの空間が、本当にガリレイ座標系になっているかをタンカーの場合と比較してみましょう。
 洋上を航行するタンカーのC´から観測者が石を自然落下させると 石は観測者に対して直線的に落下します。
 一方、そのまま洋上を航行する船団のCから観測者が、石を自然落下させると 石は観測者に対して放物線を描いて落下します。
 ガリレイ座標系ならば、石は直線的に落下するのですが、洋上を航行する船団では、放物線を描くのです。
 洋上を航行する船団の周りの空間は、船団に対応したガリレイ座標系ではないのです。
 このように、Bornは系の認識を間違った状態で、同時性の否定を行っているのです。
 特殊相対性理論では、運動する物体に座標軸を固着させ、周りの空間を運動系(ガリレイ座標系)として認識しています。
 この考え方は、『特殊および一般相対性理論について』(アルバート・アインシュタイン著、金子 務 訳、白揚社)にも記載されています。
 私の考えでは、運動系は、静止系を移動する電車の室内とかジェット機の室内など 密閉された空間(川や海流などもふくまれる。)しかないと考えていますが、私の認識が違っているのでしょうか?
 物理法則を考えると 私の認識は違っていないと思うのですが!!
 運動系(ガリレオ座標系)では、他の物理法則も維持されるはずですが、洋上にある船の周りの空間では、運動系の物理法則は、維持されていません。
 アインシュタインが論じているように、Bornも洋上を航行する船に座標軸をつけ、
静止系の空間の事象をあたかも運動系にして議論しているのです。
 海洋上を航行する船の周りの空間が、なんで運動系になるのでしょうか?????
 静止系の空間を運動系にして議論しているので このような絶対同時性の否定ということが起こってしまうのです。
 ガリレイ座標系間では、絶対同時性は維持されるのです!!!!
 このような陳腐な理論展開で、特殊相対性理論に非常に重要な同時性が否定されていて、しかも、それがそのまま物理学者さんが受け入れていることが非常に不思議でなりません????
 「アインシュタインの相対性理論」(M・Born著)は、現在も特殊相対性理論の入門書として取り扱われていて、この間違いを指摘するものは、見当たらず、物理学を専攻していない私から見て、物理学者の皆さんは、何をやっているのかなと思いますが。私が間違っているのですかね??????


3. 時空図の矛盾


 アインシュタインが提唱する時空図について、再度、光時計を利用し、矛盾を指摘します。 

        

 最初に、図のような三個の光時計を電車に設置し、止まっている電車が速度C/2で移動したとします。走っているときにBMの光時計のMから出た光が、Bに届く時の地上から観察した光の状態を見てみましょう。

            

 地上から観察した光は、三角形の斜辺を移動しているように見え、特殊相対性理論では、光速度不変原理を使用して、Bに到達する時間は、
 (Ct)²=L²+(Vt)²から
  t=L/√(C²-V²)
として求められています。
 一般の物理現象では、Lに到達する時間は、Y方向の速度Cだけの速度で決まり、Vの速度に依存しない値L/Cになるのですが、光の場合だけは、光速度不変原理から上述の値になっています。
 このMBの光の移動状態の時空図を作ります。Y軸を光が移動するので時間軸と重ね合わせ、時間の単位を1/Cとします。

           

 この時空図から判断すると地上から観察して 光がBに到達する時間は、L/Cになり、t=L/√(C²-V²)ではないことが判ります。光も一般の物理法則に従い、時間の遅れなどないことが判ります。
 つぎに、三つの時計の時空図を、アインシュタインが提唱している時空図の方法で作ります。
 A・C(X軸方向)に向かった光は、鏡で反射されずにそのまま移動しているものとして図を作成します。

   

 まず、Bに到達する光を考察してみましょう。ここでもBへの光の到達時間はL/Cとなり、時刻の遅れなどないことになります。
 また、アインシュタインが提唱している同時刻線上にもないことが判ります。
 つぎにAとCの鏡に光が届く時間を見てみましょう。
 ta=L/(C+C/2)=2L/3C
 tc=L/(C-C/2)=2L/C
 taに関しては、時間の進みを観測します。tcに関しては、時間の遅れを観測します。光時計の左半分の領域は、時間の進みがあり、右半分の領域は、時間の遅れがあるのです。運動する物体は時間の遅れがあるはずなのに、光時計の左側は、時間の進みを観測するのです。
 「運動する物体の時刻は、進む場所と遅れる場所がある。」と書き換えなければならないですね。
 同時刻線を左側にずっと延長します。そうすると静止系の時間がマイナスの領域になってしまいます。止まっている電車が、速度Vで動くと、長い電車の後ろのほうでは、時間が戻るという現象が起きてしまうのです。過去に戻ってしまうのです。(タイムマシンの青写真ができました。光速に近い速度で動く非常に長い電車を作り、後方にいれば、過去に戻れるのです???????))
 電車を止めて、電車の前と後ろに乗っていた観測者が、静止系の時計の時刻を確認しました。二人の観測する時刻は違ってしまうのですね??????
 ミンコフスキー時空図を見るとこんなことが読み取れます。
 つぎに、光時計の位置を変えてみましょう。光時計の元あった場所の地上での時刻が変わってしまうのです。電車の場所の時刻は、光時計を設置する場所により簡単に変わってしまうのです。なにかおかしくありませんか???


 皆さんは、こんなこと考えないのでしょうね。時空図をよく見るとこんなことが起こってしまうのです。(最初、私はこの時空図の作り方と同時刻線やXY軸が傾くのを理解しただけでしたが、疑問に感じてよく考えてみると、やはりおかしいのです。)では、止まっている電車に光時計を電車の前方と後方にさらに2つ追加したらどうなるのでしょうか??? 止まっている電車が動いたとして、皆さんも考えてください。
 3個の時空図ができ、同じ時刻の同時刻線が、三本できるのを皆さん想像できますか?
 電車に垂直な光時計に注目すると判りますが、同時刻線は、傾かないのです。
 このように、光時計を増やし、移動方向に垂直な光の移動や運動系と静止系の時間をよく見ると、アインシュタインが提案した時空図の矛盾がよくわかります。
 この矛盾も系認識の誤認と間違った光速度の考察から生じた問題です。ここでは言及しませんが、後程、詳しく書いて見たいと思います。


4. ミューオンの時間の遅れの矛盾


 アインシュタインは、運動する物体の時計の遅れを提唱し、この考え方は、科学者の間で認められている事柄です。
 そして、物理学者は、非常に寿命が短い素粒子ミューオンが地上に届くのは「ミューオンが光速に近い速さで動いているから時間の遅れが出た為」との結論を出しています。しかも、運動する物体の時間の遅れの証拠になるとおっしゃる物理学者の方もいらっしゃいます。
 この素粒子の運動する物体の時間の遅れについて検証してみましょう。
 ミューオンは、素粒子なので原子レベルで考えます。
 原子は陽子と電子でできていますが、電子は陽子の周りを光速に近いスピードで動いて、陽子は重いのであまり動かないといわれています。
 ミューオンと同じように、この電子の時間の遅れはないのでしょうか?????
 陽子と電子では時間のずれが起こっているのでしょうか???
 ミューオンの考え方からすると電子と陽子の間では時間のずれが絶え間なく生じているはずですが?どうなのでしょうか????????
 このようなことは、物理学者の皆さんは、考えないのでしょうか?


 次に、分子レベルで見てみましょう。
 大気中に存在する空気は、風の動きや、ブラウン運動により、たえず動いています。空気の分子一個一個が、動くスピードが違うため、非常にわずかですがそれぞれ別の時刻の進み方を持った分子が無数に私たちの周りに存在することになります。
 私たちの体を見ると血液は絶えず動いているので、動いていない組織とは時間のずれが生じているはずです。 体の中にもごくごくわずかですが、時刻の進み方の違う世界があるのです。また、手の先と胴体では違う時刻の進み方になり、分子レベルで見ると私たちの体は、無限の時刻の進み方が違った異時元の世界があり、私たちの体は、異時元の世界が結びついて存在することになるのです。
 このようなことも物理学者の皆さんは考えもしないのですね。
 アインシュタインが提唱した、「運動する物体の時間の遅れ」が真実で、ミューオンの地上への到達が、運動する物体の時間遅れに起因しているならば、上述のことが起こっているのです。
 運動する物体の時刻の遅れが本当ならば、私たちの体を含め周りは、時間の進み方が違う無数の異時元の世界が結びついて出来上がっていることになります。ミューオンの時間の遅れは、本当なのでしょうか!!!!!


5.「マイケルソン,モーリーの実験結果の考察とガリレイ座標系」の矛盾
   および音波と光の波動方程式について


 1800年代、宇宙の光の媒体として「エーテル」という物質が考えられていました。
 このエーテルは、宇宙に固定していて、その中を地球が高速で移動しているので、地球での光速度を測定すれば、地球の移動速度の影響を受けると考えられていました。
 しかし、1800年代後半に、マイケルソン,モーリーが行った光速度測定結果は、地球の移動の影響が全くないものでした。
 この時点で様々な考え方が出てきましたが、どの理論も満足のいくものではなく、1905年にアインシュタインが、特殊相対性理論の基礎を出し、それを展開した理論が定着し、現在に至ります。
 特殊相対性理論のベースになる重要な事柄として 次のことが考えられます。
1.連星から出る光の速度が同じである。
2.マイケルソン,モーリーの実験結果
3.マックスウェルの波動方程式がガリレイ変換で不変でないこと
4.ガリレイ座標系の考え方
 1に関しては、何ら問題はありませんが、2・3・4に関して意見を述べます。
 まず、4に関しては、アインシュタインは、「特殊及び一般相対性理論について」(1915 金子 務訳 白揚社)のなかで ガリレイ座標について言及しています。
 その中で、運動する棒や電車(剛体)に固着した座標軸を考え、棒や電車の周りの空間をガリレイ座標系(基準体)にしていました。このシリーズの特殊相対性理論の矛盾(2)でBornも同じように洋上を航海する船に、座標軸を固着させて船の周りを運動系にしていたました。そして、同時に同じ空間が運動系であり、静止系として取り扱っていました。
 電車や船の周りの空間は、当然のこととして、運動系の物理法則は、維持されません。
静止系の空間と運動系の空間が同時に存在することは、系間の運動法則が違うので絶対にありえないことです。なぜこれが問題にならずに、そのままなのでしょうか?????
 この矛盾に関する端的な記述が、この本のP33~34に記載されています。このなかで、軌道堤を速度ⅴで移動する列車と軌道堤に沿って送った光を使い、列車に対する光速度wを求めています。
 w=c-v
 そして、アインシュタインは、次のような考察をしています。
『相対性原理によれば、真空中の光の伝搬法則はすべての他の一般法則と同様に、列車を基準体としようがレールを基準体としようが、同じことにならねばならない。………
すべての光線が堤防に関して速度cで伝搬するとすれば、まさにそのことのために、列車に関する光の伝搬法則はこれとは別のものにならなければならない――すなわち相対性原理と矛盾する。』
 この光を音に変えれば、すぐに分かりますが、レールに沿って送った音は、列車とは違うガリレイ座標系(別の運動法則を持ったところ)で起こっている事柄です。(運動法則が維持されるのは列車の中だけです。)違っていて当たり前なのです。列車に座標軸をつけても周りの空間は、その列車と同じガリレイ座標系(基準体)にはならないのです。
 アインシュタインは、列車や棒に座標軸を固着させることにより、静止系と同じ空間を同時に別々のガリレイ座標系が共有するという考え方をしているのです。
 皆さんは、このことを疑問に感じないですか?私は、この系錯誤が特殊相対性理論を生み出した大きな一因の一つと考えています。


 つぎに、マイケルソン,モーリーの実験結果について考えてみましょう。
 ガリレイ座標系を扱ったので、ガリレイ座標系の考え方をしてみましょう。宇宙を考えた時、地球はガリレイ座標系でしょうか?
 この答えは皆さんも「イエス」だと思いますが、地球がガリレイ座標系ならば当然のことながら、この地球を静止系と考えたとき、普通の運動法則が維持されます。では光はどうでしょうか???
 当然、地球を静止系と考えれば、空気中でのマックスウェル波動方程式が適用されるので、光速度はどの方向も同じになります。マイケルソン,モーリーの実験結果は、ガリレイ座標系を考えたとき、当たり前の結果なのです。
 マイケルソン,モーリーの実験結果が出た時代は、「固定したエーテル理論」が主流で、その観点からしか物事を見ていないので、「エーテル」の中を移動しているにもかかわらず、光の速度は観測者の移動速度の影響を受けないと考えられました。
 しかし、ガリレイ座標系を考えた場合や「エーテル随伴説」を考えた場合、マイケルソン,モーリーの実験結果が光の速度は観測者の移動速度の影響を受けないという結論とは、直接結びつかず、当たり前の結論になるのです。
 もしも、観測者の移動速度に影響されるとすると、ここで問題になるのが、「マックスウェルの波動方程式がガリレイ変換で不変でないこと」です。
 これに関しては、KENZOU氏が、次のブログで音波の波動方程式を求め、光の波動方程式と比較しています。 【 有機合成を専攻した私は、まだ勉強したことがない事柄なので、詳細は次のブログを参照してください。
「物理Tips ~波動方程式とガリレイ変換について~ KENZOU 2008年5月19日(http://hb3.seikyou.ne.jp/home/E-Yama/weqga.pdf)」 】


 そして、この音波の波動方程式もガリレイ変換で不変でないことを説明し、その解を求めています。
  ρ(x,t) = f(x´−(v−V)t´)+g(x´+(v +V)t´)  [式 18]
 この解は音波の伝搬速度が、正と負の方向で変化する。つまり、空気に対して速度Vで動いている観測者からは、音波はx軸の正の向きに速度v-Vで進み、逆の方向には速度v+Vで進むということを言っているにすぎないとしています。
 一方、光に関しては、マックスウェル方程式の波動方程式もガリレイ変換で不変でないが、音波と同じ挙動を示すことを証明しています。
 そして同じように解を求めています。
  φ(x´,t´) = f(x´−(c−V)t´)+g(x´+(c+V)t´)  [式 21]
 この解は、光の伝搬速度が、正と負の方向で変化する。つまり、真空に対して速度Vで動いている観測者からは、光はx軸の正の向きに速度c-Vで進み、逆の方向には速度
c+Vで進むということを言っているとしています。
(KENZOU氏は、マイケルソン,モーリーの実験結果は、『真空中での光の速さは観測者の運動状態が変わっても、光の進む方向によらず一定である。』として、この結論を棄却しています。)
 シリーズ2で洋上を航行する船の話をしましたが、マイケルソン・モーリーの実験結果は、タンカーの中で測定したことになるのです。タンカーの中を静止系とみるとすべての物理法則が成り立ち、当然のことながら、波動方程式も成り立ちます。光はどの方向の速度も一定になるのです。洋上を航行する船外で光の光速度を測定したら、音と同じように式21が成り立つ可能性があるのです。残念ながら、空気中に静止したマイケルソン・モーリーの実験だけで、いまだかって真空中や空気中を直接移動しての光速度の測定は行われていません。
 しかし、シリーズ1の光時計の矛盾、シリーズ2の同時性が維持される事、シリーズ3の時空図の矛盾等を考え合わせると、真空に対して速度Vで動いている観測者からは、光はx軸の正の向きに速度c-Vで進み、逆の方向には速度c+Vで進むと考えるとすべての事柄の矛盾は解消するのです。
 光速度不変原理にこだわらず柔軟な考え方で、物事を考察していただければ、何がおかしいのかが、見えると思います。
 特殊相対性理論のこの矛盾がこの理論の見直しにつながれば、と考えています。