物理学者の間違っている常識 (シリーズ8)

    ミンコフスキー時空図の矛盾


 ここでは、ミンコフスキ-時空図の矛盾について記載します。
 私が疑問に感じているのは、ミンコフスキー図での同時刻線が、なぜ、傾斜を持った線になるかということです
 このことについて、アインシュタインと同じような手法でミンコフスキー図を描き、ミンコフスキー図の矛盾を明確にします。
 最初に、光の代わりに、運動法則が明確な、速度Uのボールを使用して、時空図を描きます。
 各点の距離がLのA・B・C点が運動系にあります。時刻t₀でB点に対応した静止系のB’点よりボールを図のように、速度Uで移動させ、同じ時刻に、速度Vで運動系(実線から上の部分)を移動したとします。
 この時の時空図を作成します。          

         

               図-1 
 まず、運動系(点)が静止した状態で、ボールを速度Uで移動したときの時空図を作ります。
 時間(t)軸の単位を1/Uにすれば、光の世界線のように、45度の傾斜のボールの世界線が描けます。     

           

                  図-2
 A’・B’点には、時刻L/Uでボールが同時に届いたのを表しています。
 次に、運動系を移動したときの時空図を作ります。    

           

                 図-3
 光の場合は、A’とB’点を同時事象(世界点)として、これを結び、同時刻線(緑色の線)としています。
 「世界点」の定義が、されていませんが、私の解釈では、点が静止した状態の時空図(図-2)で、A’とB’が同時刻だから、「同時事象(世界点)」としたのでは、と考えました。
 動いていない状態で、同時刻であっても、動かしたときには、状態が変化しているので、私の解釈してる事柄だとしたら、非常におかしなことを行っていることになります。
 ボールの場合は、物理現象が、明確になっていますから、同時に起こっているのではなく、別々の時間に起こった事象だとわかります。
 この交点の時間は、ボールに向かったときとボールから遠ざかるときでは、ボールに到達する時間が違うことを表しています。

            

                  図-4
 ボールの場合、緑色の線は、同時刻線では、ありません。
 下の交点は、点がボールに向かったときにボールが点に到達した時間を示しています。
  UΔt₁+VΔt₁=L  Δt₁=L/(U+V)
 上の交点は、点がボールから遠ざかって移動したときのボールが点に到達した時間を示しています。
  UΔt₂-VΔt₂=L  Δt₂=L/(U-V)
 これは、ボールの挙動がはっきりしているからわかる事柄です。
 光の場合も同じようなことが考えられますが、移動する点とボールを出す個所を増やしても時空図は描けますので、その状態で、同時刻線がどうなるかを見てみましょう。 

          

                  図-5
 図-5のように、移動する点とボールを出す個所を増やし、上述の方法で時空図を描きます。
 まず、点が移動していないときの時空図を作ります。      

          

                  図-6
 ボールと点の世界線の交点の時間は、全て、L/Uになり、同時刻線は、X軸に平行な線になります。
 私が解釈した、同時点の解釈からすると、A'~E'の点が、同時刻だから、一つの線になるはずです。
 それでは、点を動かしたときの時空図を作成します。 

          

                  図-7
 A'~E'の点は、A'C'の同一線上にはなく、緑の線が、同時刻線ではない事が判ります。
 また、B・C・Dの世界点とボールの世界点の交点は、2個あり、ボールが、別々の時間に、点に届いているのが、分かります。
 ボールの場合は、挙動が判っているので、緑の線は、同時刻線でも なんでもないのです。
 同時刻線とするならば、紫色のX軸に平行な2本の線が同時刻線と言えます。
        
 下の紫のラインは、点がボールに向かったときにボールが点に到達した時間を示しています。 t₁=L/(U+V)となります。
 上の紫のラインは、点がボールから遠ざかって移動したときのボールが点に到達した時間を示しています。t₂=L/(U-V)
 A’B’を結んだ緑の線は、同時刻線ではないので、X’軸は、傾くことなどありません。
 この時、観測者Oが観測する時空図を作成してみましょう。
 観測者Oに対して点は移動しませんから、X’軸に垂直な線になります。
 ボールは、C±Vで移動しますから、世界線の角度を変え、この速度に対応した世界線を引きます。     

          

                  図-8
 OもPも同じ時間を観測し、同時刻線も2本ずつある事が判ります。
 下の紫のラインは、観測者Pが観測したように、点がボールに向かったときにボールが点に到達した時間を示しています。 t₁=L/(U+V)となります。
 上の紫のラインは、点がボールから遠ざかって移動したときのボールが、点に到達した時間を示しています。t₂=L/(U-V)となります。


 では、光の場合は、どうなるのでしょう?ボールと同じように、点と光を増やして観察してみましょう。   

         

                  図-9
 光の場合は、動いていて、距離が離れていると、時刻が違うという議論を避けるために、観測者を動かし、観測者Pの系に、光速度不変原理を適用したグラフを描きます。
 最初に、Pが移動しないときのPが観測する時空図と観測者Pが動いたときのOが観測する時空図を作成します。    

         

                図-10
 Oが観測する時空図は、Oに対して、点は移動しないので、Pが移動しないとき同じグラフが描け、軸の名称を変更するだけで同じ状態の図として描けます。
 光の世界線と点の世界線の交点は、全て時刻L/Cとなり、同時刻線は、X軸に平行な線となります。
 次に、点を移動したときのPが観測する時空図を運動系に光速度不変原理を適用して、作成します。   

         

                 図-11
 光の場合もボールの時と類似のグラフが描けます。
 アインシュタインが定義した(私の解釈ですが。)世界点は、多数あり、A’・B’を結んだ緑の線が、同時刻線ならば、光と点の世界線の交点が、このライン上になければならず、緑の線は、同時刻線でない事が判ります。
 点と光を出す個所を増やし、点の間隔を短くすると光の世界線と点の世界線の交点は、紫のラインに収束します。
 X軸に平行な2本の線となることから、この紫の線が、同時刻線で、X’軸に平行であることから、X’軸の傾きなどない事が判ります。    

           

                 図-12
 下の紫色のラインは、点が、光に向かったときの時間L/(C-V)を示しているにすぎず、上のラインは、点が、光から遠ざかった時の時間L/(C+V)を表しているだけなのです。
 アインシュタインが、同時事象(世界点)と称してA’C’点を結んだ緑のラインは、同時刻線では、ないのです。
 A’C’点は、光が早く届いたか、遅く届いたかの時間を表しているのにすぎないのです。
 アインシュタインの時空図の作り方は、光の出所が、1点しかなかったので、緑の線が同時刻線と言われても 正否の判断材料がありませんでしたが、このように、測定項目を増やすと矛盾が明確になります。
 時空図から見ると、光に向かったときと、遠ざかった時では、点に光が到達する時間にずれがある事が判ります。
 これは、アインシュタインの著書「特殊および一般相対性理論」の9章の同時性の相対性(P40~43)の電車と軌道堤の思考実験に関する記述にもあっています。
 また、7章の「相対速度」の考え方とも一致しています。
 同時刻線を考えるならば、紫の2本の線が同時刻線と考えられます。
 この線は、X軸に平行ですから、X’軸が傾くなど考えられないのです。


 ここで、皆さんは、お気づきでしょうか?
 観測者Oが観測する同時刻線が、1本なのに対して、観測者Pが観測する同時刻線が、2本あります。
 これは、私が、光時計の矛盾の中で、静止系でランプが1度しか光らないものが、移動する観測者は、2度光るのを観察する現象を示している事柄を表しているのです。
 では、 軌跡の速度をC±Vにした時、どのような時刻線が描けるのでしょう。
 光の軌跡の速度が、C±Vとしたときの時空図を 作成してみましょう。       

        

                図-9
 図-9と同じように、光の場合は、動いていて、距離が離れていると、時刻が違うという議論を避けるために、観測者を動かし、観測者Pの系が観測する光の軌跡の速度をC±Vとします。
 最初に、Pが移動しないときのPが観測する時空図と観測者Pが動いたときのOが観測する時空図を作成します。
 この図は、図-10と同じ図ができます。  

        

                図-10
 観測者Oが観測する点の光が届く時間は、全てL/Cを観測し、同時刻線は、X軸に平行になります。
 次に、Pが観測する時空図を描きます。この時、光の世界線は、C±Vに対応した傾きの世界線を引きます。 

        

                図-13
 軌跡の速度をC±Vとすると、点と光の世界線の交点の時間は、全てL/Cの時間になり、同時刻線はX’軸に平行な線となる事が判ります。
 時空図上から見ると、時間の遅れなど発生せず、また、同時性も維持される事が判ります。また、両方の系で測定された時刻線の数も同じ数です。
 このような観点から、アインシュタインが提唱したミンコフスキー図は、虚構の時空図と言えるのです。
 最初の仮定が間違っているから、また、矛盾を指摘できました。
 シリーズ7のローレンツ収縮の矛盾や、今回の時空図の矛盾に関しては、このブログで、以前に紹介しています。
 その時は、説明不足や、時空図の矛盾では、図-12の図をいきなり出して、説明していたので、皆さんの理解は、得ることができなかったようです。
 アインシュタインが提唱した、ミンコフスキー図は、架空の時空図なのです。


 別の方法でも、同時刻線の矛盾を指摘できます。
 時空図の作成で、光を出す点Bに、垂直に光時計を設置します。

          

                図-14
 この時、アインシュタインの手法で作った時空図は、下記のようになります。

           

                図-15
この図で、同時刻線とB点の世界線の交点の時間は、
 tb'={L/(C+V)+L/(C-V)}/2=CL/(C²-V²)
となります。
 一方光時計の時間は、
 t=L/(C²-V²)
となり、時空図の読みと一致しません。
 光時計を垂直に、B点に置いたならば、その点の時間を代表しているはずですが、ミンコフスキー時空図の時間とは一致しないのです。
 なぜでしょう??????



 私は、物理学者ではないので、私ができることは、このブログの内容を多くの物理学者の皆さんに見ていただき、その結果として「特殊相対性理論の矛盾」が、訂正される
ことを願っているだけです。
 私と同じように「特殊相対性理論」に矛盾を感じた方は、多くのご学友やご同僚とこのブログの内容について議論していただき、より多くの物理学者の皆さんに、この矛盾
を認知していただきたいと願っています。


 皆様のご意見・質問・反論等をお待ちしております。