ローレンツ因子を求めるために作られた矛盾した座標変換

 (一部追加説明:図-5-2の部分  2023・01・17)
 特殊相対性理論で使われているローレンツ変換は、アインシュタインの論文「運動物体の電気力学」により導き出されています。
 論文の中で運動系の事象(原点と✗’を光が往復する状態)をガリレイ変換の手法を使い、ガリレイ変換では、軌跡の移動速度をC±Vとするところを静止系に光速度不変原理を適用してCとし、移動時間を算出し、(1)式が成り立たなければならないとし、時間を引数として(1)式に入れてローレンツ因子の算出を行っています。
   1/2(τ₀+τ₂)=τ₁  ‥‥‥‥(1)
 しかし、この変換方法で、真空以外の光時計を作り、光を往復したときに、運動系の時間2L/Cの時間に対応した静止系の時間が、アインシュタインの手法では、バラバラになり、静止系に光速度不変原理を適用した変換方法に矛盾が生じることが判りました。
 これについて説明します。


 今、速度Vで移動する運動系に長さLの真空でできた光時計と長さL/1.000292の空気でできた光時計と長さL/1.55の水晶でできた光時計を用意します。

          

                  図-1
 真空の光時計の長さLを✗’とすると真空の光時計に関しては、アインシュタインの座標変換と同じ作業をしていることになります。
 水の屈折率を1.000292とし、水晶の屈折率を1.55とすると時計を同時に作動すると光が右端に到達する時間は、運動系で観測するとすべてL/Cで 鏡で反射され、Z′軸上に戻る時間は、すべて2L/Cになります。
 この運動系の光時計の光を静止系で観測すると図-2のピンクの線のような光の軌跡を観測します。

          

                   図-2
 このピンクの軌跡は、光の軌跡ですが、アインシュタインのように、静止系に光速度不変原理(軌跡の速度をCとする。)を適用し、静止系の移動時間を計算してみましょう。
 ◦真空の光時計の場合
  右側への移動時間は、Cdt=Vdt+L、dt=L/(C-V)
  左側への移動時間は、Cdt=L-Vdt、dt=L/(C+V)
  合計の移動時間は、 L/(C-V)+L/(C+V)=2CL/(C²-V²)
 ◦空気の場合
  右側への移動時間は、Cdt=Vdt+L/1.000292、dt=L/1.000292(C-V)
  左側への移動時間は、Cdt=L/1.000292-Vdt、dt=L/1.000292(C+V)
  合計の移動時間は、L/1.000292(C-V)+L/1.000292(C+V)
           =2CL/1.000292(C²-V²)
となり、真空の移動時間と一致しません。
 軌跡の速度を空気中の光速度C/1.000292にしても
  右側への移動時間は、dt=L/1.000292(C/1.000292-V)
  左側への移動時間は、dt=L/1.000292(C/1.000292+V)
  合計の移動時間は、
        L/1.000292(C/1.000292-V)+L/1.000292(C/1.000292+V)
        =2CL/{C²-(V/1.000292)²}
となり、真空の移動時間2CL/(C²-V²)と一致しません。
 ◦水晶の光時計の場合
  右側への移動時間は、Cdt=Vdt+L/1.55、dt=L/1.55(C-V)
  左側への移動時間は、Cdt=L/1.55-Vdt、dt=L/1.55(C+V)
  合計の移動時間は、 L/1.55(C-V)+L/1.55(C+V)
            =2CL/1.55(C²-V²)
となり、水晶の場合も真空の移動時間と一致しません。軌跡の速度を水晶中の光速度C/1.55にしても計算結果は、2CL/(C²-V²)と一致しません。
 このように、真空中の光速度以外の媒質の光速度やほかの運動物体が存在するとアインシュタインの考え方(静止系に光速度不変原理を適用する。)が適用できないことがわかります。
 軌跡の速度(ピンクの線)に普通の運動則を適用すると軌跡の速度は、
  真空の場合:C±V
  空気の場合:C/1.000292±V
  水晶の場合:C/1.55±V
となり、光時計の場合の右側への移動時間は、
  (C+V)dt=V dt+L  dt=L/C
  (C/1.000292+V)dt=V dt+L/1.000292   dt=L/C
  (C/1.55+V)dt=V dt+L/1.55  dt=L/C
のように、左側への移動時間も含め、すべての移動時間がL/Cとなり、時間の遅れなど観測もされず、整合性のとれた計算結果が得られます。
 また、前ブログ「中学数学で算出できるローレンツ因子・ 軌跡(虚像)に光速度不変原理を適用したアインシュタイン」(2022/12/13 )に出したブログで電車に縦に置いた光時計に加え、他の媒質の光時計を置くと同じように、真空で得られる収縮率は、他の媒質の光時計では得られません。
 このように、真空中の光速度以外の媒質中の光の移動状態には適用できない座標変換であり、矛盾のある座標変換により、時間の遅れが作られていたのです。
 この座標変換は、ガリレイ変換の手法を用い、本来、光の軌跡の速度をC±Vとするところに光速度不変原理を適用し、Cとしているので 他の媒質の光速度の物や運動物体が存在すると変換自体の矛盾が生じたのです。
 アインシュタインの変換方法は、静止系は、常にエーテル中の速度Cを持ち、静止系そのものがエーテルの場になっている。それに対する運動系の光の移動状態を軌跡の移動距離にし、(エーテル風の影響の)移動時間を算出している。
 dt=L/(C-V)、dt=L/(C+V)は、静止系で観測される運動系のエーテル風の影響を受けた移動時間そのものです。
 エーテル理論では、運動系の移動時間dτ=L/(C-V)、dτ=L/(C+V)を観測するはずでしたが、dτ=L/Cだったので、ローレンツらのように、時間合わせを単純にするのではなく、事象(時刻、場所)の変換を行い、時間合わせをしていたのです。
 しかし、運動系の他の事象(真空以外の媒質中の光の移動)が存在すると変換方法自体(運動系の光に静止系で光速度不変原理を適用する。エーテル理論的な考え方)が破綻したのです。
 この座標変換は、真空中の光の移動時間dt=L/(C-V)、dt=L/(C+V)を出すための変換で 他の移動速度の物には適用できない変換方法なのです。


 運動系の光に、光速度原理を適用し、静止系での軌跡の速度をCとすることが正しい判断だったのでしょうか?
 このことについて、別の角度から検証します。
 まず、運動系の観測者は、運動系で時計の同期ができることから 運動系の観測者は、光速度Cを観測していることになります。
 アインシュタインは、論文の「2.長さと時間の相対性」の中で時計の同期の手法を使って系間の同時性の否定を行っています。

           

                   図-3
 静止系に、長さLの棒を置き、両端に静止系で時刻合わせをした時計を置き、棒とともに移動する観測者も起きます。

           

                   図-4
 移動する棒で時計の同期を行ったとき、移動する観測者は、
  τ₁-τ₀=L/(C-V)、τ₂-τ₁=L/(C+V)
を観測するとしています。
 そして、静止系の観測者は、(静止系に静止した棒で)時計の同期ができることから系間の同時性を否定しています。
 この(C-V)と(C+V)は、運動系の観測者が、静止系の光速度をCではない値を観測していることになり、普通の運動則と同じ観測をしていることになります。
 座標変換では、運動系の観測者は、運動系の光の速度をCとして観測し、同時性の否定においては、静止系の光では、C±Vとして観測しているのです。
 これについて わかりやすいように モデル実験で見てみましょう。
 速度Vで移動する電車の内側に長さLの棒を置き、それに沿うように外側にも長さLの棒を置きます。棒の両端に観測者と時計を置き、電車を速度Vで移動するとともに 電車の中の棒は、電車の中の光で、外側の棒は、静止系の光で時計の同期を行います。

           

                   図-5
 電車の中の観測者は、
  τ₁-τ₀=τ₂-τ₁=L/C
を観測し、時計が同期できることを観測します。
 電車の外に張り付けた棒とともに移動する観測者は、静止系の光で
  τ₁-τ₀=L/(C-V)、τ₂-τ₁=L/(C+V)
を観測し、時計が同期できないことを観測します。
 この状態について 電車を静止系にして 光の軌跡などの移動状態を見てみましょう。(Z´を静止系とする。)

           

                   図-5-2
 棒とともに移動する観測者は、静止系の光の軌跡を上図のように観測し、ピンクの軌跡の移動時間として τ₁-τ₀=L/(C-V) を観測するのです。
 アインシュタインのように、軌跡の速度に光速度不変原理を適用すると移動時間は、
τ₁-τ₀=L/Cになってしまいます。
 電車の中の観測者も電車の外の観測者も静止系に対して速度Vで移動する運動系の観測者です。
 これは、運動系の観測者が、静止系の光の軌跡の速度を(C-V)として観測していることを示しています。
 また、運動系の観測者は、静止系と運動系の光を別のものとして観測していることになります。
 そして、運動系の観測者に対しては、光速度不変原理が存在しないことになります。


 アインシュタインは、著書「特殊及び一般相対性理論について」(金子務 訳 白揚社)の第9章 「同時性の相対性」において 電車の軌道堤に落ちた落雷を使用して 同時性の否定を行っています。
 電車の軌道堤のMより等距離(Lとする)離れたA・B点に、同時に落下した雷を使用し、速度Vで移動する観測者M’を使用して同時性の否定を行っています。

           

図-6
 説明は、著書の抜粋をします。
列車の中で点M’のところに座っている観測者がこの速度を持たないとすれば、Mにいつまでもとどまっていることになり、とすれば、落雷AとBからの光線が彼のところに同時に到達することになろう。すなわち、この二つの光線が彼のところに同時に到達することになろう。すなわち、この二つの光線は、ちょうど彼のところで出会うのである。しかし実際には(軌道堤から判断して)、彼はBからくる光に向かって急行していくのであるが、Aからの光よりも先行してその光に後ろから追いつかれるのである。したがって観測者は、Aからくる光よりも先にBからの光を認めるであろう。
列車を基準体としている観測者は、落雷Bが落雷Aよりも先に怒挺る、という結論になるに違いない。こうして、われわれは以下の重要な結論に達する。
軌道堤を基準として同時である事象は、列車を基準とすると同時ではない、そしてまた、逆も真である(同時性の相対性)

 この時、「列車を基準とする」を列車を基準とする事象(電車のA‘・B’に同時に落雷がある。)に変えれば、同時性があることになります
 私は、光速度不変原理は、軌道堤を移動する観測者(単独で移動する観測者も)が、ちょうどM’を通過すれば、光の速度をCとして観測し、A・B点は、等距離にあるから 観測者に同時に到達することだと思っていました。
 アインシュタインが考える光速度不変原理とは、軌跡の速度をCとすることのようです。
 この軌道堤の事例で 列車を静止系にし、座標変換するとアインシュタインの考え方の矛盾が明確になります。
 軌道堤の光は、運動系の時計の同期の光を並列に起き、同時に、光を照射した状態とみることができます。

           

                   図-7
 軌道堤の時刻t₀に同時に落雷があったとすると 軌道堤で両方の光は、同時刻のt₁でMに光が到達し、移動時間は、ともにL/Cになります。
 電車の観測者は、ピンクの線の軌跡を観測し、これに光速度不変原理を適用すると
  A'からの光の移動時間は、dt=L/(C-V)
  B'からの光の移動時間は、dt=L/(C+V)
となり、同じ時間になりません。
 また、軌道堤の移動距離もVL/(C-V)、VL/(C+V)となり軌道堤の一つの移動距離が、二つ存在することになります。
 運動系の同じ時間で同時に同じ地点に到達する事象が、静止系(電車)で観察される光の軌跡に、光速度不変原理を適用すると別々の時間に光が到達し、移動距離も二つ存在することになるのです
 これが、軌跡の速度に光速度不変原理を適用したときの明確な矛盾です。


 同時性の定義は、決められていませんが、私から見たら これらの事柄は偏った方法で同時性の否定が行われていると考えます。
 なぜ、アインシュタインは、光速度不変原理の否定につながるような考察をしてまで 同時性の否定をしなければならなかったのでしょうか。 
 それは、次の事柄への布石と考えられます。
 同時性があると距離によって時刻が変わるなどの現象が起きないのです。
 また、時空図で同時性があると同時刻線は、X軸に平行になるのです。
 同時性の否定は、論文の中で必要不可欠な事柄だったのです。


 私は、この理論展開(静止系の軌跡に光速度不変原理を適用する。)は、運動系の一つの時間が、無数に変化し、同時に光が到達しているのに、別々の時間に到達し移動距離も変化するなど矛盾をはらんだものと考えます。
 矛盾していませんか?
 疑問に感じるのは、私だけなのでしょうか?
 この軌跡の速度の誤認識により、時間の遅れが作られたのです。


 間違った考察から作られたローレンツ変換やミンコフスキー時空図には、必ず矛盾が生じるはずです。それについてみてみましょう 


 ローレンツ変換が正しい変換方法ならば、次のような現象は起きないと考えられます。
今、静止系に長さ1の完全剛体の棒があったとします。 棒が静止した状態なので棒のどの位置の時間も静止系の時間(X軸)に一致します。
時刻t₀に反対の端(原点の左方向)から棒と同じ質量の完全剛体の棒が、衝突したとすると 衝突した瞬間の棒の端の(t、x)は、(0.00‥‥1、1.00……1)となります。
t′=1/γ(t-(v/C²)ⅹ ですので1/γ≒1とするとt′≒ -(v/C²)になります。
 もう一端は、x=0なので時刻は-にはなりませんが、棒の長さと速度を大きくすればするほどこのマイナスが大きくなります。 時間がマイナスということは、時間が過去に逆戻りすることです。
 ローレンツ変換の矛盾を示す一つと考えています。


 次に、ミンコフスキー時空図で過去の時間になる例を見てみましょう。
 今、静止系に長さ2Lの完全剛体の棒があったとします。
 時刻0で 左方向から完全剛体の長さ2Lの同じ棒が速度Ⅴで衝突したとします。この時、棒の中心より光を棒の端に照射したとして この時のミンコフスキー図を作ります。

           

                   図-7
 棒が静止した状態の時間は、Ⅹ軸上に棒があるので0になります。
 棒が動き出した瞬間の運動系の時間は、Ⅹ´軸上の時間になり、赤の矢印部分は、時間がマイナスになっています。
 つまり衝突した瞬間に、時間がワープし、過去の時間になるのです。
 起こりえない事象の状態を示しているのです。


 以上のように、数々の矛盾を示しましたが、これが「特殊相対性理論の矛盾」なのです。
 ローレンツ変換も運動物体の時間の遅れや収縮など存在しないのです。


 次に、物理学者さんがこだわる「光の波動方程式が、ガリレイ変換で不変にならない」について考察してみましょう。
 前々回投降したブログ「光のドップラー効果について」(2022/12/11)で示したように静止系の光に対して移動する系では、ドップラー効果が生じます。
 ドップラー効果が発生すれば、時間当たりの波数が変化するので 元の光の波動方程式とは、波動方程式そのものが違ってきます。
 ドップラー効果が起きれば、波動方程式自体が変化するので、ガリレイ変換で不変であってはならないのです。
 また、ローレンツ変換では、不変になるようですが、ドップラー効果が生じれば、いかなる変換であっても不変になっては、おかしいのです。
 音に関しては、波動方程式で伝搬状態を表すことができます。そして、系の移動でドップラー効果が起きるので波動方程式は変化し、ガリレイ変換でも不変になりません。
 しかし、速度則は、ガリレイ変換で不変です。
 光に関してもドップラー効果が生じます。また、波動方程式もガリレイ変換で不変になりません。
 光の速度則は、どうなるのでしょう?


 ここまで考察をすると地球では、エーテル的なものが、地球とともに移動して
いるのではないかと思えてきます。
 「光のドップラー効果について」で紹介したフィーゾーの実験で、水の移動で光速度に変化があることがわかっていますが、この時、水ともに移動する観測者がいたら 観測者は、水の光速度をCwとして観測するのではないでしょうか。
 また、フィーゾーの実験では、空気の移動での速度の変化は、観測されませんでしたが、地球規模で見ると電離層やオゾン層などが、光速度の変化に影響しているのではないかと考えています。
 私は、大気を持たない月、隕石などの小惑星は、静止系を移動する棒に相当し、エーテル風的な影響を受けるのではないかと考えています。
 この事柄については、実験などで確認をする必要があります。


 私が思いついた実験について記載します。


1.月や小惑星でマイケルソン・モーリーが行った実験を行う。(全方位の光速度を測定する)
  エーテル風の影響があれば、イリジウムのような重金属で実験装置を遮蔽して実験を行う。
2.イリジウムのような重金属の箱で光速度測定装置を遮蔽し、箱ごと移動し、光速度の測定を行う。
  速度の変化があれば、箱を除いた状態で 光速度測定装置を移動し、
実験を行う。
3.2の実験を真空にした巨大な実験室の中で行う。


以上のような実験を考えましたが、アインシュタインの特殊相対性理論を否定
したので、今後、実験をし、確認をする必要があるように思われます。


 皆様のご意見・反論をお待ちしています。

中学数学で算出できるローレンツ因子・ 軌跡(虚像)に光速度不変原理を適用したアインシュタイン

 私が、最初に「特殊相対性理論」に出会ったのは、「図解雑学 よくわかる相対性理論」(ナツメ社 二間瀬敏史著)で、ブログを始めるきっかけとなった書物です。
 この中で移動する電車に乗せた光時計の光の軌跡の移動時間と光時計の比較で算数を使用してローレンツ因子を出し、時間の遅れの説明がなされていました。
 著書より説明部分を抜粋

      

 ( 1/γ=√1-(V/C)² 中学生の算数でローレンツ因子を算出している!)


 一度は、この説明で納得しかかりましたが、光時計の角度を変えると電車の光時計の時間t=L/Cが、静止系では変化することに気が付きました。
 この矛盾を簡単にまとめたのが、前ブログ「運動系の一つの時間一つの事象が、無限に変化する特殊相対性理論」です。
 確認のために再掲します。


 運動系で長さLの光時計を同心円状に置いたと考えてください。光が中心から各円周に光が移動する時間は、L/Cで一定です。
 下図のように、運動系を速度Vで移動し、円の中心からL離れた地点に光を同時に照射し、光が端に到達するまで光を照射し続けます。すべての光は、L離れた地点に時間L/Cに同時に到達します。
 そして、この時、運動系で観測される移動距離は、VL/Cが観測されます。  

             

                 図-1


 この状態を静止系から観測し、観測される光の軌跡に光速度不変原理を適用します。

             

                 図-2
 静止系の観測者は、
 光が、左方向に移動したときの光の移動時間は、L/(C-V)
 光が、右方向に移動したときの光の移動時間は、L/(C+V)
 光が、左方向に移動したときの移動距離は、VL/(C-V)
 光が、右方向に移動したときの移動距離は、VL/(C+V)
を観測します。
 運動系の光を出す角度を変えると静止系で観測する時間と移動距離が変化します。
 運動系で光を出す角度により静止系で観測される移動時間は、
L/(C-V)~L/(C+V)の間で無限に変化し、移動距離も無限に変化するのです。
 運動系の一つの時間・一つの移動距離が、静止系で無限に変化する。これが、光速度不変原理の矛盾です。
 なぜ、このような矛盾が起きたのでしょう?
 それは、宇宙物理学者にある光の伝搬物質は、宇宙に固定されているという考え方。
 特殊相対性理論の考え方は、マイケルソン・モーリーの実験結果とエーテル理論との間の矛盾を伝搬物質のことを考慮しないで説明できるからなのです。
 宇宙空間に存在する光は、図-2のピンクの光しか存在せず、運動物体で観測している光は、その軌跡的な考え方です。光と軌跡が逆転する考え方です。
 そして、時間の矛盾に対して時空図を作り、同時刻線なるものを創造し、時間のずれを時刻のずれに変換しています。
 それを後押しするのが、光の波動方程式が、ガリレイ変換で不変にならないということです。
 アインシュタインは、軌跡の移動距離(移動時間)のみに着目していますが、運動系の光時計の単位時間に光が発する光(光が、光子ならば、光子量的なもの)の振動数に着目すると すべての光時計の光源を光が端に到達するまで点灯した時、光源部分で計測される振動数は、νL/Cです。光子が存在するかどうかは、知りませんが、量的な考え方をすると光量は、一定です。
 物理学者さんが考える真空中を移動する考え方では、各軌跡の長さは、バラバラであり、距離が違えば、ピンクの線にある振動数も光量も違い、整合性が取れなくなります。運動系に存在した光量が、増えたり減ったりするのです。
 運動系で観測する光と静止系で観測される光の軌跡を宇宙空間を移動する光とすると 光量的な観点から完全に一致していないのです。
 また、光路を遮蔽すれば、その先には、光が進みませんが、宇宙空間を移動する光であれば、遮蔽してもその先に宇宙空間の光の移動があるので、その遮蔽した先にも光が進むはずですが、そのよう事は、確認することができません。
 電車の光時計の隣に遮蔽物を置いても斜線の軌跡は、遮蔽物を乗り越えて観察することができます。
 また、くねくね曲がったグラスファイバーの中を伝搬する光や光時計の周りを光が通過しない金属で覆っても光は、同じように進みます。これらは、どのように考えるのでしょうか?
 また、ダイヤモンドや水晶でできた光時計を作ったらどうなるのでしょう?
 光の往復時間が、2L/Cの水晶でできた光時計を作り、普通の光時計と並べて電車に起き、その時の状態を見てみましょう。

            

                  図-3
 光の状態は、図-4のようになり、普通の光時計では、斜線部分の速度をCとしていますが、水晶の場合は、どうするのでしょう?

           

                   図-4
 宇宙空間に水晶は存在せず、水晶の場合の斜線部の速度をCとすると水晶の場合の時間の遅れと普通の光時計の時間の遅れに差ができ、矛盾が起きます。
 しかし、斜線部を光時計の軌跡と考えると矛盾なく説明をすることができます。
 以上の様に考えると光は、電車の光時計の中を進み、静止系で観測される斜線等は、光の軌跡(虚像)と考えるのが妥当ではないでしょうか?
 つまり、時間の遅れや・収縮・ローレンツ変換など存在しない、架空の理論なのです。


 アインシュタインは、1905年の特殊相対性理論の根幹となる論文「運動物体の電気力学」(アインシュタイン論文選 「奇跡の年」の5論文 青木薫 訳 ちくま学芸文庫) の中で運動系の観測者は、静止系の光と運動系の光を違ったものと認識できる記述をしています。
 それでも、運動系の光に光速度不変原理を静止系に適用し、静止系での観測速度Cにしています。
 では、論文の中で運動系の観測者が、光をどのように観測しているかを説明します。
 論文の「2.長さと時間の相対性」の中で時計の同期の手法を使って系間の同時性の否定を行っています。
 静止系を速度Vで移動する長さLの棒の両端に時刻合わせをした時計を置き、棒と共に移動する観測者を棒の両端に起きます。  

                    

                   図-5
 時刻t₀でAからBに光を照射し、時刻t₁でBに光が到達し、鏡で反射され、時刻t₂でAに光が戻ったとします。
 この時、静止系に光速度不変原理を適用すると棒と共に移動する観測者は、
  τ₁-τ₀=L/(C-V)
  τ₂-τ₁=L/(C+V)
の時間を観測するとして、静止系では、時計の同期ができることから系間の同時性を否定しています。
 そして、ここで運動系の観測者は、静止系の光の光速度をCとは認識していません。Cと認識していれば、移動時間は、
  τ₁-τ₀=τ₂-τ₁=L/C
を観測するはずです。
 一方、「3.座標と時間の変換理論」でアインシュタインは、運動系kで起こった出来事の場所と時刻を指定する値ε,η,ζ,τに対して、静止系Kを指定する値x,y,z,tとを関係づける連立方程式を求め、座標変換をしようとしています。
 この中で、1/2(τ₀+τ₂)=τ₁  ‥‥‥‥(1)
が成り立たなければならないとしています。
 このことが成り立つためには、運動系の観測者が時計の同期を観測することを意味します。つまり、
  τ₁-τ₀=τ₂-τ₁=L/C
を観測しないと(1)式は成り立ちません。
 運動系の観測者は、静止系の光では、
  τ₁-τ₀=L/(C-V)
  τ₂-τ₁=L/(C+V)
を観測し、運動系の光では、
  τ₁-τ₀=τ₂-τ₁=L/C
を観測し、運動系と静止系の光では、違うものとして認識しています。。
 それにもかかわらず、アインシュタインは、運動系の光に、「高速不変原理を適用」し、静止系で観測される運動系の光の軌跡の速度を静止系の光に変えているのです。
  C±V ⇒ C
 この操作により、時間の遅れが作られ、その後の理論展開により、ローレンツ因子が算出され理論構築が行われました。
 論文をよく読むと「真空中の速度は、一定のようである。」と記載したものが、いつの間にか光速度不変原理になっているのです。
 これが、光速度不変原理・特殊相対性理論の最も根幹となる論文の実態です。


 運動系の光を静止系で観測したとき、光の軌跡を観測しているということをさらに光路長の考え方で見てみましょう。
 速度Vで移動する運動系に、長さLの棒を置き、棒の両端に、光源を置きます。

          

                  図-6
 Z’軸上の光源を点灯し、棒の端に光を照射し、棒の端に光が到達するまで光源を点灯したままにします。
 棒の端に、光が到達した瞬間に、✗’にある光源を点灯し、もう一方の端に向け光を照射し、光が棒の端に到達するまで 光源を点灯したままにします。
 棒の端に光が届いた時の棒の端と光源の間にある光が光路長になり、ここには、νL/Cの光の波が存在することになります。
 この光が棒の端に到達した状態を静止系で観測してみましょう。

        

                  図-7
 静止系では、瞬間的にこの状態を観察することができ、上のような状態を観察します。そして、光源を点灯したままにしているので 光源から棒の端までの光の棒(蛍光灯の棒のような感じ)として観測します。これが、静止系で観測される光路長になります。
 また、静止系では、アインシュタインが、光の実像としているピンクの線を観察します。(光源をつけたままにするとこのようには、見えないが。)
 光の軌跡なので、光が到達したときに、運動系の光源は、移動しているのに、それが反映されてない状態になります。
 左側に移動する光を見れば、良く分かりますが、光源の移動により、光路長は、ピンクの軌跡より長くなっています。この状態は、静止系から観測することができます。
 ピンクの線は、軌跡なので移動速度を加味した議論を行わなければならないのです。
 また、光路長で議論をしてもよいように思いますが、アインシュタインは、軌跡の速度に光速度不変原理を適用し、Cとしました。それにより、軌跡にある光の波数は、νL/(C±V)となり、時間だけではなく、光の波数(光量)まで変化させていたのです。
 特殊相対性理論は、光の考察という根源の部分で間違いを犯し、そのことにより、時間の遅れを自ら作り出していたのです。


 これらのことを考えると、光の伝搬物質は、移動する系で移動すると考えるのが妥当のように思われ、電車の光時計の観察で観測される斜線も軌跡(虚像、移動速度と光速度Cの合成速度)と考えるのが妥当と考えられます。
 また、前ブログに書いたように、光のドップラー効果が起きることから、振動数(波長)が変化しますから 光の波動方程式は変化します。つまり、波動方程式は、ガリレイ変換で不変であってはならないのです。
 軌跡(虚像)の速度をCとして理論構築された特殊相対性理論は、私の理解を超えた別世界の理論に感じます。


 皆様のご意見・反論をお待ちしています。

光のドップラー効果について

 「移動する媒質で起きる光のドップラー効果」こんなことを記述すると特殊相対性理論信奉者に、バカにされそうである。
 しかし、大学でほとんど物理学を勉強しない高校生程度の知識で 実験で起きた事柄と実際に地球で起きた事柄を組み合わせるとドップラー効果が、推測できるのです。
 そして、音では、媒質の移動でドップラー効果が生じますが、光のドップラー効果については、あまり着目されていないようです。
 厳密には、水・鉱石・ガラスなどは、光の媒質ではありませんが、これらが移動したときに、物質中の光速度に変化があり、ドップラー効果が発生していると考えられます。
 これらの移動により、光速度に変化があれば、ドップラー効果が発生している可能性があるのでそのことを考察し、物質の移動でドップラー効果が発生を証明します。
 物質の移動で光速度が変化する実験は、フィーゾーが運動媒質中の光速度を測定した方法(1851年、FN高校の物理)(http://fnorio.com/0132Fizeau_1851/Fizeau_1851.html)
に着目すると水の移動で光速度の変化が観測されています。

  

                   図-1
 フィーゾーの実験を展開し、下記のような実験を行ったとき、媒質を移動した方が、移動速度が速いので 単位時間における光の移動距離が大きいと考えられます。

          

                   図-2
 長さLの水柱を置き、一方の水を速度Vで移動したとき、同時に、棒の端から光を照射し、どちらかの端に、光が到達するまで光を照射し、到達したときの光の状態を見てみましょう。
 水流があるほうが、速度が速いので 先に、棒の端に到達することになり、移動距離が長くなっています。
  波長λ×振動数ν=光の速さC
 照射された光の単位時間の振動数(ν)は決まっているので 
   静止した水槽の波長 < 速度Vで移動する水槽の波長
となることがわかります。
 水を流動させることにより、ドップラー効果が起きているのです。流動する水に観測者がいれば、波長の長い光を観測することになります。


 それでは、真空中で光源・観測者を移動したときの状態を考察してみましょう。
真空中に、長さLの棒とZ軸上に光源を置き、速度Vで移動する光源も用意します。

                                    

                                                                     図-3
 速度Vで移動する光源が、Z軸上に来た時に、両方の光源を点灯し、両方の光源の光が、棒の端に到達するまで光源を点灯したままにします。
 両方の光源が、棒の端に到達した時の状態を見てみましょう。

                                    

                                                                     図-4
 Z軸上から照射された瞬間の両方の光は、真空中を速度Cで移動し、棒の端にL/Cの時間で同時に到達します。
 同じ時間L/Cで光源から照射される光の振動数は、一定ですから図-5のように、光路にある光の振動数(波数)は、同じになります。

          

                   図-5
 光の波数が、同じでも光源が移動することにより、光源と光の到達点との距離に違いがあるので 光源が移動したほうの波長が、短くなっていると推察されます。
 光源の移動により、ドップラー効果が生じたのです。
 この現象は、光の速度があまりに大きく、振動数も非常に大きいので、光源の移動速度が、非常に大きく、通常の地球で行える実験では、識別(観測)することはできないと予想されます。
 光の波長が違えば、当然、光の波動方程式も違ってきます。


 次に、観測者の移動で生じるドップラー効果についてみてみましょう。

           

                    図-6
 光源よりL離れた位置に観測者がいます。
 光源を点灯したままにし、光が観測者に到達すると同時に一方の観測者が、光源に向かって速度Vで移動したとします。

           

                   図-7
 同じ時間光を照射したときに、移動する観測者と静止した観測者では、同じ時間で観測する光の振動数が、変化していることになります。
 単位時間で観測する振動数が大きければ、短い波長の光として観測者は、認識するのです。
 ここでもドップラー効果が起きているのです。
 では、移動する電車などでもドップラー効果が起きているのでしょうか?

           

                   図-8
 電車でも同じ考え方をすると移動する電車の最前列にいる観測者は、止まった電車の観測者よりも振動数の大きい光を観測するのです。
 電車に対するドップラー効果と考えることができます。


 では、移動する電車の中での光の移動状態はどうなっているのでしょう?
 これについては、次に出すブログ「算数で算出できるローレンツ因子・軌跡(虚像)に光速度不変原理を適用したアインシュタイン」を見て、読者の皆さんで判断してください。(ほぼ完成しているので 2~3日程度で掲載予定です。)


 以上のように、光源の移動・観測者の移動・媒質の移動でドップラー効果は、起きるのです。


 反論をお待ちしています。