完全に崩壊した「特殊相対性理論」

(「特殊相対性理論の矛盾」に関しては、新たな知見を加え、非常にわかりやすく最新版のブログ『20世紀最大の物理学者の過ち』(2019/08/03)https://yoko3210go.muragon.com/entry/68.htmlにまとめてあります。
 なぜ、「波動方程式は、ガリレイ変換で、不変でないのか。」(ドップラー効果で、振動数と移動速度が変化している。)など、矛盾の本質を突いたまとめを行っています。
 上記ブログを読んでいただければ、よく理解いただけると考えておりますので、このブログよりも先に、上記ブログを読んでいただいたほうが、矛盾が明確になると考えられます。)


 私は、ブログを通して特殊相対性理論の矛盾について、記述してきました。
 根本的な考え方に誤りがあるので、いろいろな思考実験を考えたときに、矛盾が出るのは、当たり前です。
 しかし、私のブログを読んで これらの矛盾について認識された方で、もやもやが、晴れない方もいらっしゃるかと思います。
 このブログでは、そんなもやもやが、晴れない方のために、高校生でも矛盾がわかるように、静止系の事項と運動系の事項を同時に比較しながら説明したので 皆さんもよく理解できると思います。         


 それでは、「特殊相対性理論」のもっとも基礎となる「同時性の否定」で使われた時計の同期を用いて説明します。
 アインシュタインは、静止系を速度Vで移動する長さLの棒の両端に、静止系で同期した時計と観測者を置き、光速度不変原理を用いて、同時性の否定を行っています。
 その状態を示したのが、図-1の上の図です。この時、比較のために 移動する電車でも時計の同期を行ってみましょう。

         

                   図-1
 聡明な物理学者の方は、図-1の上の図を見ただけで、棒とともに移動する観測者は、静止系の光を観察している事が分かると思います。光を音やほかの移動物体に変えると一目瞭然です。説明を続けましょう。
 この時、運動する観測者が観察する光の状態を 図-2に示します。
 運動する観測者が、観測するということは、運動する観測者が静止した状態で、光を観察することになるので、棒や電車は、止まった状態で、光や静止系の位置などが移動した状態を観察します。

     

                   図-2
 同じ速度で移動しているにもかかわらず、棒とともに移動する観測者と電車の中にいる観測者が、観測する光の光路は明らかに違います。
 同じ速度で移動し、類似の光の挙動(距離Lの光の移動)をしているのに、観測者が、観察した光の状態が違うということは、運動している観測者が、異なった系の光を観察しているから起きている事象です。
 電車の中は、だれが見てもガリレイ座標系ですから、棒とともに移動する観測者は、静止系の光を観察しているのです。 
 (静止系で)光速度不変原理を適用した時点で、光は、静止系の光を取り扱っていることになるのです。
 アインシュタインは、「特殊及び一般相対性理論について」(金子 務 訳)の中で、座標系とガリレイ座標系について言及しています。
 アインシュタインの考え方では、棒や電車(剛体)に固着した座標軸を考え、この剛体が等速度で、直線的に移動していると、固着した座標軸をガリレイ座標系としています。
 この考え方は、同時性の否定で使った棒や、ミンコフスキー時空図の説明で使われた点の移動でも使われています。
 棒や点とともに移動する観測者がいると別の系の扱いになっているのです。
 しかし、図-2から棒とともに移動している観測者は、静止系を移動し、静止系の光を観察しているがよくわかるとおもいます。
 当然のことながら、棒の移動と静止系の光の観測から、静止系と別の系との同時性の否定などできないのです。


 この時、移動する観測者が観測する光の移動時間を見てみましょう。
 棒とともに移動する観測者は、
  τB₁-τA₀=(L+VΔτ)/c=L/(c-V)
  τA₂-τB₁=(L-VΔτ)/c=L/(c+V)
を観測し、時計は同期していないことを観測します。
 電車の観測者は、
  τB₁´-τA₀=L/c
  τA₂´-τB₁´=L/c
を観測し、時計が同期していることを観測します。
 観測している光の系が違うので、光路の長さが違い、計算値も違ってきます。
 アインシュタインは、棒とともに移動する観測者を運動系にし、棒とともに移動する観測者が時計の同期ができないことと 静止系の観測者が時計の同期をできることから 同時性の否定を行っています。
 しかし、棒とともに移動する観測者は、静止系を移動しているだけで、運動系の事象を観測していません。
 そこで、真の運動系である電車とともに移動する観測者の観測結果を用いると、静止系の観測者も、運動系の観測者も、時計の同期ができます。この時計の同期の観点からすると、静止系と運動系の同時性は、存在することになります
 アインシュタインは、系を誤認識した状態で、同時性の否定を行っているのです。
 この系の誤認識は、特殊相対性理論の根底にある考え方で、特殊相対性理論の矛盾の一因になっていて、ミンコフスキー図の作成などでも、系を誤認識した状態で、理論展開が行われています。


 次に、この状態を静止系の観測者が観察したら、どうなるかを見てみましょう。
 静止している観測者は、光の軌跡と電車の移動状態を下図のように観察します。

      

                 図-3
 ここで、アインシュタインと同じように、光速度不変原理を適用して 移動時間を見てみましょう。
 「光速度不変原理を適用する」ということは、静止系で観測される光速度は、cなので、運動系の光の軌跡の速度もcにしていることになります。
 棒を光が移動する時間は、
  tB₁-tA₀=(L+VΔt)/c=L/(c-V)
  tA₂-tB₁=(L-VΔt)/c=L/(c+V)
を観測し、時計が同期していないことを確認します。時計は違っても、棒とともに移動する観測者と同じ時間を観測します。
 この時、静止系の観測者が観測しているのは、静止系を移動する光路そのものを観測しているのです。
 静止系の観測者も棒とともに移動する観測者も同じ静止系の光路の移動時間を観測しているので、同じ時間になるのは、当たり前の事柄です。


 次に、電車の光の軌跡の移動時間を見てみましょう。
  tB₁´-tA₀=(L+VΔt)/c=L/(c-V)
  tA₂´-tB₁´=(L-VΔt)/c=L/(c+V)
を観測し、移動する棒の観測時間と同じ時間を観測しています。また、時計も同期していません。
 同じ速度で移動する観測者が違う時間を観測しているのに、静止系で観測すると同じ時間なってしまうのです。
 また、電車の中の観測者は、往路の時間と復路の時間は、おなじL/Cの時間を観測しているのに、静止系で観測すると違う時間になっています。
 同じ速度で移動する観測者が観測する異なった時間が、同じ時間になり、運動系で観測される一つの時間に対して、静止系で 時間が二つになることなど あり得ないことなのです。
  tB₁-tA₀  ≠ tB₁´-tA₀
  tA₂-tB₁  ≠ tA₂´-tB₁´
  tB₁´-tA₀ =tA₂´-tB₁´
にならなければならないのです。
 これは、電車の光の軌跡の速度に光速度不変原理を適用したために起こった事象と考えられます。
 では、cの代わりに軌跡の速度をx・yとして 軌跡の速度を算出してみましょう。
 Δt=(L+VΔt)/x=(L-VΔt)/y  ‥‥(1)
  x=L/Δt+V   
  y=L/Δt―V
となり、軌跡の速度は、移動速度の影響を受けている事が判ります。
 L/Δtの値として考えられる数値は、c・c±α 等がありますが、cとすると
 軌跡の速度は、c±Vとなります。
 このことより、光の速度も、一般の速度則と同じように他のガリレイ座標系の移動速度の影響を受けることが判りました
 では、軌跡の速度を使用して、静止している観測者が、観測する電車の中の光の時間を再計算してみましょう。
  tB₁´-tA₀=(L+VΔt)/(c+V)=L/c
  tA₂´-tB₁´=(L-VΔt)/(c-V)=L/c
 以上のように考察すると、ここでも、ガリレイ座標間では、同時性は維持され、時間の遅れなどない事が判ります。
 時間の遅れの解説で、動く電車の光時計を使って、説明しているものがあります。こ
の時、地上で観測される斜線部分は、光の軌跡であるので、この斜線部の軌跡に光速度
不変原理を使用し、軌跡の速度をcにすることはできないのです。
 ここの斜線部の光の軌跡に移動速度を合成すれば、時間の遅れなどなくなります。
 この事柄について 疑問を感じている方は、光を音に変えて考察してみてください。


 次に光速度不変原理について考察してみましょう。
 光は、真空中を光速度cで移動します。この事柄については、疑う余地のない事柄です。
 なぜ、アインシュタインは、運動系のガリレイ座標系の光に、光速度不変原理を適用したのかを考えてみましょう。
 この事柄について、物理法則がよくわかっていて 波動方程式で表すことができる音で考察し、その事柄について光でも同じような考察をしてみましょう。
 空気中に、速度Vで移動する長さLの電車があったとします。

        

                 図-4
 音は、定常状態の空気中をvで移動します。しかし、下記の例のように、音の軌跡(?移動距離)の速度は、vとはなりません。
 今、時刻t₀で電車のA点より音を出し、時刻t₁でB点に音が到達したとします。
 地上の観測者は、図-2のような状態を観測します。
 地上の観測者は、B点に音が到達する時間を
  t₁-t₀=(L+vΔt)/(V+v)=L/v
として算出します。
 この時の軌跡の速度(V+v)は、どのようにして計測したのでしょう。
              

                図-5
 地上の観測者が、地上で直接観測する速度は、vしか観測できません。また、移動物体から出る音速も速度のいかんにかかわらず、vを計測します。
 アインシュタインの考え方を音に適用すると、静止系の観測者は、移動する物体から出る音は、物体の速さや、方向に関係なく常に音速度vが観測され、波動方程式が、ガリレイ変換で不変でないので 静止系の空気中の音速度は、不変として 音の軌跡(?移動距離)の地上での速度をvとしているのです。
(音が波動方程式で表すことができることについては、「物理Tips ~波動方程式とガリレイ変換について~ KENZOU 2008年5月19日(http://hb3.seikyou.ne.jp/home/E-Yama/weqga.pdf)」を参照してください。)


 音は物理法則が分かっていますから こんなばかなことはしません。
 電車の移動距離と移動時間等で算出しています。
 軌跡の距離は、移動速度の影響を受け、Lより長くなったり、短くなったりしています。この長さの違いは、移動速度に依存していて、運動系の音の移動距離は実質的に、Lしか移動していないことになります。
 音の軌跡の速度を静止した観測者は、直接的には、観測する事ができません。 
 地上の観測者が直接観測する音速は、常にvしか観測できないからです。
 以上の事柄を念頭において、光の考察をしてみましょう。


 図-4・5のvをcにし、全ての空気を真空に変えれば、光の移動状態を表した図になります。
 アインシュタインは、連星の光の観測結果や波動方程式が不変でないことから、真空中の光速度は不変とし、「運動物体の電気力学」(1905)の中で、光の軌跡の速度をcとして理論展開を行っています。
 光の軌跡の速度は、音と同じように、移動速度の影響を受けないのでしょうか?
 光の軌跡は、音と同じように、Lより長くなったり、短くなったりしていて、その長さは、移動速度に依存しています。軌跡の長さが変わっているのに、なぜ、音と同じように、移動速度の影響を考えないのでしょうか?
 光の軌跡の速度は、一度も測定されていない数値で、音と同じように、静止した観測者が直接測定することはできません。(移動距離と時間を測定して算出するなどの方法)
 私もそうですが、アインシュタインや皆さんも、上空を横切る光を見たとき、これは、光路の光だとか軌跡の光だとか考えないと思われます。目視したときに、すべて同じ光として認識します。
 しかし、軌跡の速度は、cではないのです。
 改めて、図-2の移動する観測者が観測する光の状態を見てみましょう。

      

                 図-2
 移動する観測者が観測する光の状態は、明らかに違う状態の光を観測し、移動速度が変化すると、棒とともに移動する観測者が観測する光の光路は変化しますが、電車の中の観測者が観測する光の光路は、変化しません。
 同じ速度で移動する観測者が違う状態の光を観測しているのに、これらの光に同じ速度cを適用しているのが、光速度不変原理を適用するということなのです。
 確かに、真空中の光速度は、不変で「光速度不変原理」は、観測された測定結果で 揺ぎ無い事実です。
 しかし、「(静止系で)光速度不変原理を適用する。」は、「観測されていない図-2の状態の光(軌跡)をcとして仮定する。」という意味合いが含まれているのです。
 アインシュタインは、軌跡の速度の概念を持たないで、理論の構築をしたと考えられます。
 移動する電車の中の光の軌跡に、光速度不変原理の適用は(光の軌跡をcとする。)できないのです。


 以上の事柄より、アインシュタインは、特殊相対性理論の根幹部分の思考実験で、
  系の誤認識
  軌跡と光路を認識できていない
  軌跡の速度に静止系の光速度不変原理の適用
という間違いを犯し,
  同時性の否定
  ローレンツ因子の算出
  ミンコフスキー時空図の作成
を行っているのです。
 物理学者の皆さん。「特殊相対性理論」の見直しをお願いします。


[補 足]
(マイケルソン・モーリーの実験結果について)
 マイケルソン・モーリーの実験結果については、私自身が、間違った認識を持っていた事と他の物理学者の方も間違った認識を持っていましたので 簡単に説明します。
 マイケルソン・モーリーの実験は、当時、考えられていた固定エーテル説によるエーテル風の影響(c±v)を否定する実験結果が得られました。
 そこで、固定エーテル説に固執するローレンツらは、移動する物体は、収縮するとして、横方向の収縮を考え、固定エーテル説によるエーテル風の影響(c±v)が、あってもマイケルソン・モーリーの実験結果が得られるような理論を打ち出したのです。
 地球が収縮したら、必ず、移動方向の光速度は、c±vを観測しないと、マイケルソン・モーリーの実験結果が、成立しないのです。
 この事柄は、光速度不変原理と違う状態の光を観測する事です。
 また、マイケルソン・モーリーや物理学者の皆さんは、縦方向の光の光路を三角形の斜辺にしていることです。この三角形の斜辺は、光の軌跡であって、光の光路は三角形の垂直な部分です。
 マイケルソン・モーリーもローレンツもこの軌跡を光路として移動時間を計測し、横方向の光の光路の移動時間と比較していました。
 斜辺は、光の軌跡ですから、縦方向の移動時間が変われば、収縮率を変えないとエーテル固定説は維持できなくなります。
 また、実験装置は22.5°ごとに回転させ、測定を行っていて、この22.5°の角度での考察が行われていません。この角度が違った状態では、縦横の装置のエーテル風の影響が変わってくると考えられるので、角度の違った状態も考察する必要があります。
 それらを考えると、マイケルソン・モーリーの実験結果は、収縮など考えずに、どの方向の光速度も、cを観測すると考えることが妥当と考えられます。(「誰にでもわかる「特殊相対性理論の矛盾」を参照してください」)
 また、マイケルソン・モーリーの実験結果を考えたとき、絶対静止系に対して、どの位置(系)にいるかを考える必要があります。
 エーテル固定説の場合は、観測者がエーテルの中をそのまま移動すると考えられます。
  しかし、現在、エーテル固定説は、否定されているようなので、どのような状態で移動しているかを考慮する必要があります。
 地上に例えると、地上をそのまま移動しているのと電車に乗って移動するのでは、観測結果が当然違ってきます。
 マイケルソン・モーリーの実験は、地球上で行われています。宇宙を考えたとき、地球は、ガリレイ座標系と考えられ、測定しているのは、その系の中なのです。
 空気に対する波動方程式は、一つしかありませんから、(特定波長の)空気中で光速度を測定すると、どの方向の光の速度も一定になります。このように考えると、マイケルソン・モーリーの実験結果は当たり前のことなのです。
 マイケルソン・モーリーの実験結果についても見直しが必要と考えられます。



 私は、物理学者ではないので、私ができることは、このブログの内容を多くの物理学者の皆さんに見ていただき、その結果として「特殊相対性理論の矛盾」が、訂正されることを願っているだけです。
 もし、私と同じような矛盾を感じた方は、多くのご学友やご同僚とこのブログの内容について議論していただき、より多くの物理学者の皆さんに、この矛盾を認知していただきたいと願っています。


 皆様のご意見・質問・反論等をお待ちしております。