特殊相対性理論が覆る三大矛盾


(「特殊相対性理論の矛盾」に関しては、新たな知見を加え、非常にわかりやすく最新版のブログ『20世紀最大の物理学者の過ち』(2019/08/03)https://yoko3210go.muragon.com/entry/68.htmlにまとめてあります。
 なぜ、「波動方程式は、ガリレイ変換で、不変でないのか。」(ドップラー効果で、振動数と移動速度が変化している。)など、矛盾の本質を突いたまとめを行っています。
 上記ブログを読んでいただければ、よく理解いただけると考えておりますので、このブログよりも先に、上記ブログを読んでいただいたほうが、矛盾が明確になると考えられます。)


 特殊相対性理論は、1905年に「運動物体の電気力学」が発表されてから、110年以上の長きにわたって、物理学者に支持されている事柄です。
 しかし、この理論には、理論が覆るような三つの大きな誤りがあるのです。
 空間認識が豊かでない方は、理解が難しいと思いますが、図等を入れ、なるべくわかりやすいように説明したので、ご理解いただけると思います。
 その誤りは以下の事柄です。これらの事柄について、アインシュタインの論文「運動物体の電気力学」の例等を引用しながら説明します。
 ① ガリレイ座標系の誤認識
 ② 光路と光の軌跡が認識できていない。
 ③ 光速度不変原理の静止系への適用


① ガリレイ座標系の誤認識
 「運動物体の電気力学」に記載されている「同時性の否定」で使われた「時計の同期」を例にし、説明します。
 静止系を速度Vで移動する長さLの棒の両端に、静止系で同期した時計と観測者を置き、棒を往復する光を考察し、(静止系に)光速度不変原理を用いて、移動する観測者が、時計を同期できないことから、同時性の否定を行っています。
 その状態を示したのが、図-1の上の図です。この時、比較のために 移動する電車でも時計の同期を行ってみましょう。

         

                  図-1
 聡明な物理学者の方は、図-1の上の図を見ただけで、棒とともに移動する観測者は、静止系の光を観察している事が分かると思います。光を音やほかの移動物体に変えると一目瞭然です。説明を続けましょう。
 この時、移動する観測者が観察する光の状態を 図-2に示します。
 運動する観測者が、観測するということは、移動する観測者が静止した状態で、光を観察することになるので、棒や電車は、止まった状態で、光や静止系の位置などが移動した状態を観察します。

        

                   図-2
 同じ速度で移動しているにもかかわらず、棒とともに移動する観測者と電車の中にいる観測者が、観測する光の光路は明らかに違います。
 この時、電車の外壁に観測者が張り付いていて、棒の光を観測したら、棒の観測者と同じ状態の光の光路を観測します。
 同じ速度で移動し、類似の光の挙動(距離Lの光の移動)をしているのに、観測者が、観察した光の状態が違うということは、運動している観測者が、異なった系の光を観察しているから起きている事象です。
 電車の中は、だれが見てもガリレイ座標系ですから、棒や電車の外の観測者は、静止系の事象を観測しているのです。 
 (静止系で)光速度不変原理を適用した時点で、光は、静止系の光を取り扱っていることになるのです。
 アインシュタインは、「特殊及び一般相対性理論について」(金子 務 訳)の中で、座標系とガリレイ座標系について言及しています。
 アインシュタインの考え方では、棒や電車(剛体)に固着した座標軸を考え、この剛体が等速度で、直線的に移動していると、固着した座標軸をガリレイ座標系としています。
 この考え方は、同時性の否定で使った棒や、ミンコフスキー時空図の説明で使われた点の移動でも使われています。
 棒や点とともに移動する観測者がいると別の系の扱いになっているのです。
 しかし、図-1・2から棒とともに移動している観測者は、静止系を移動し、静止系の光を観察しているがよくわかるとおもいます。
(ガリレイ座標系の考え方については、「物理学者の間違っている常識(シリーズ2)」で、別の角度から考察していますので参照してください。)
 当然のことながら、棒の移動と静止系の光の観測から、静止系と別の系との同時性の否定などできないのです。


 この時、移動する観測者が観測する光の移動時間を見てみましょう。
 棒や電車の外壁とともに移動する観測者は、
  τB₁-τA₀=(L+VΔτ)/c=L/(c-V)
  τA₂-τB₁=(L-VΔτ)/c=L/(c+V)
を観測し、時計は同期していないことを観測します。
 電車の中の観測者は、
  τB₁´-τA₀=L/c
  τA₂´-τB₁´=L/c
を観測し、時計が同期していることを観測します。
 観測している光の系が違うので、光路の長さが違い、計算値も違ってきます。
 アインシュタインは、棒とともに移動する観測者を運動系にし、棒とともに移動する観測者が時計の同期ができないことと 静止系の観測者が時計の同期をできることから 同時性の否定を行っています。
 しかし、棒や外壁とともに移動する観測者は、静止系を移動し、静止系の光を観測しているだけで、運動系の事象を観測していません。
 そこで、真の運動系である電車の室内にいる観測者の観測結果を用いると、静止系の観測者も、運動系の観測者も、時計の同期ができます。この時計の同期の観点からすると、静止系と運動系の同時性は、存在することになります。
 アインシュタインは、系を誤認識した状態で、同時性の否定を行っているのです。
 この系の誤認識は、特殊相対性理論の根底にある考え方で、特殊相対性理論の矛盾の一因になっていて、ミンコフスキー図の作成などでも、系を誤認識した状態で、理論展開が行われています。


② 光路と光の軌跡が認識できていない。
 これに関しても、図-1の時計の同期を利用して説明します。
 時計の同期での光の移動状態を 静止した観測者が観測したときの状態を図-3に示します。

        

                   図-3
 静止系の観測者は、棒も電車も同じような状態を観測します。
 この時、運動する観測者と静止系の観測者が観測する光を棒と電車に分けて、比較してみましょう。

        

                   図-4
 棒とともに移動する観測者も静止系の観測者も同じ光の状態を観測します。これは、静止系の同じ光を(光路)を観測しているから同じ光の状態を観測するのです。
 では、電車の中の光はどうなるのでしょう?図-5にその状態を示します。

        

                  図-5
 電車の中の観測者と静止系の観測者は、違う状態を観測し、棒の時とは、明らかに違う事が判ります。
 電車の観測者は、電車の中の光(光路の光)を観測していますが、静止系の観測者は、光の軌跡を観測しているからこのような違いが生じたのです。
 図-3のように並べると、同じような観測状態ですが、観測しているものが、光路と軌跡の差があるのです。
 それでは、静止系の観測者が観測する光の移動時間を見てみましょう。
棒を光が移動する時間は、
  tB₁-tA₀=(L+VΔt)/c=L/(c-V)
  tA₂-tB₁=(L-VΔt)/c=L/(c+V)
を観測し、時計が同期していないことを確認します。同じ光路の光を観測しているので、時計は違っても、棒や電車の外壁とともに移動する観測者と同じ時間を観測します。
 電車の中の光の移動時間は、どうなるのでしょう。棒の時は、同じ系にある光路の光ですから、光の移動速度は、cとすることができますが、棒の光と明らかに挙動が違う軌跡の速度をcとして計算できるのでしょうか?
 軌跡の速度をX・Yとして軌跡の速度を算出してみましょう。
  tB₁-tA₀=(L+VΔt₁)/X=Δt₁
  tA₂-tB₁=(L-VΔt₂)/Y=Δt₂
  X=L/Δt₁+V
  Y=L/Δt₂-V
となり、軌跡の速度は、cではなく、移動速度に依存した速度である事が判ります。
 電車の中の観測者が観測する時間は、往路復路ともにL/cで、一つの時間です。移動系の一つの時間が、静止系で二つの時間として観測されることはないので、
  Δt₁=Δt₂
にならなければなりません。
  X=L/Δt+V     Y=L/Δt-V
となり、光の軌跡は、移動速度の影響を受ける事が判りました。
 L/Δtの値として考えられ数値は、cやc±αなどが考えられますが、cとして、静止系で観測される光の移動時間を算出してみましょう。
  tB₁-tA₀=(L+VΔt)/(c+V)=L/c
  tA₂-tB₁=(L-VΔt)/(c-V)=L/c
となり電車の中の観測者と同じ時間を観測します。棒についても移動する観測者と静止系の観測者が同じ時間を観測しているので、整合性の取れた結果が得られました。
 このように観測すると、移動する観測者の時間の遅れなどない事が判ります。


 私もそうですが、皆さんも夜空の光を見て、この光は、光路(実際)の光とか軌跡の光とかを認識して観測せず、すべて同じ光として認識していると思われます。
 しかし、実際には、観測している光には、実際の光(光路の光・同じ系の光)と軌跡の光(系が違う光)があり、アインシュタインは、「運動物体の電気力学」の中で、これを認識しないで、すべて同じものとして、扱い理論展開を行っているのです。


③  光速度不変原理の静止系への適用
 このことについて、説明を行いますが、皆さんが理解しやすいように、波動方程式で表すことができる音を最初に考察し、その後、光について考察してみましょう。
 (音が波動方程式で表すことができることについては、「物理Tips ~波動方程式とガリレイ変換について~ KENZOU 2008年5月19日(http://hb3.seikyou.ne.jp/home/E-Yama/weqga.pdf)」を参照してください。)


 空気中に、速度Vで移動する長さLの電車があったとします。

                            図-6

 今、時刻t₀で電車のA点より音を出し、時刻t₁でB点に音が到達したとします。
 地上の観測者は、図-7のような状態を観測します。

        

                   図-7
 地上の観測者は、B´点に音が到達する時間を
  t₁-t₀=(L+vΔt)/(V+v)=L/v
として観測します。
 音は、定常状態の空気中をvで移動します。しかし、電車の中の音の地上での移動距離(軌跡とします。)の速度は、vとはなりません。
 この時の軌跡の速度(V+v)は、どのようにして計測したのでしょう。     
 A点とB´点の距離と移動時間等を計測などして、軌跡の速度を算出します。
 地上の観測者が、地上で直接観測する速度は、vしか観測できません。また、移動物体から出る音速も速度のいかんにかかわらず、vを計測します。
 アインシュタインの考え方を音に適用すると、移動する物体から出る音は、物体の速さや、方向に関係なく常に音速度vが観測され、波動方程式が、ガリレイ変換で不変でないので 静止系に音速度不変を適用し、音の軌跡(?移動距離)の地上での速度をvとしているのです。
 音は物理法則が分かっていますから こんなばかなことはしません。
 軌跡の距離は、移動速度の影響を受け、Lより長くなったり、短くなったりします。この長さの違いは、移動速度に依存していて、運動系の音の移動距離は実質的に、Lしか移動していないことになります。そして、軌跡の速度は、V+vになることを経験上から、皆さんは、知っていると思います。
 音の軌跡の速度が、V+vの速度なので、音とは違う性質のもので、音そのものではないのです。
 音の軌跡の速度を静止した観測者は、直接的には、観測する事ができません。 
 地上の観測者が直接観測する音速は、常にvしか観測できないからです。
 観測できる音の速度がvでも音の軌跡の速度は、V+vになるのです。
 以上の事柄を念頭において、光の軌跡の考察をしてみましょう。

        

                  図-8
 静止系(真空)に静止した観測者が観測する光の軌跡の観測状態と静止系を移動する光(光路の光)の観測状態を図-8に示します。
 観測者が観測できる光は、観測者に向かってくる光で、軌跡や光路の光を直接測定はしていません。この向かってくる光は、真空中を伝搬する光ですから、光速度は、常にcです。
 また、光路の光は、真空中を移動する光ですから速度は、cと定めることができます。
 しかし、電車の移動速度で変化する光の軌跡の速度は、音と同じように、移動速度に影響を受ける可能性が大きく、現在、測定されてはいません。
 軌跡の速度が、cでなくても、音と同じように直接観測できる光速度は、cなのです。
 アインシュタインは、連星の光の観測結果や波動方程式が不変でないことから、真空中の光速度は不変とし、「運動物体の電気力学」(1905)の中で、「静止系に光速度不変原理を適用」しています。
 真空中の光速度は、cでゆるぎ無い事実で、光速度不変原理は、否定できません。
 しかし、「静止系に光速度不変原理を適用」をするという意味は、光の軌跡の速度をcとして扱うということを意味しています。
 「光速度不変原理」と「静止系に光速度不変原理を適用」は、意味が違うのです。
 光の軌跡の速度は、一度も測定されていない数値で、音と同じように、静止した観測者が直接測定することはできません。(移動距離と時間を測定して算出するなどの方法)
 私もそうですが、アインシュタインや皆さんも、上空を横切る光を見たとき、これは、光路の光だとか軌跡の光だとか考えないと思われます。目視したときに、すべて同じ光として認識します。
 皆さんが、流れ星を観測したときに、流れ星の光の軌跡の速度をcとしますか?
 流れ星の光の軌跡の速度は、流れ星の移動速度と落下速度で決まることを、皆さんは、ご存じなので、決してcとはしません。
 音の観測結果を考えるとき、光の軌跡の速度が、光速度cでない可能性が高いのです。
 そして、ほとんどの人が、光の軌跡の認識を持っていないので、いまだかって、軌跡
の速度は、測定されていません。
 この軌跡の速度をcにしてしまうのが、「静止系に光速度不変原理を適用する」なのです。
 光の軌跡の速度は、音と同じように、移動速度の影響を受け、音と同じように、Lより長くなったり、短くなったりしていて、その長さは、移動速度に依存しています。軌跡の長さが変わっているのに、なぜ、音と同じように、移動速度の影響を考えないのでしょうか?
 ②の「光路と光の軌跡が認識できていない。」で、軌跡の速度をc±vとして算出しましたが、アインシュタインは、「運動物体の電気力学」の中で、静止系に「光速度不変原理を適用し」、この軌跡の速度をcとして、理論展開を行っているのです。
 当然のことながら得られた結論は、架空の理論なのです。
 これが、特殊相対性理論の実態なのです。
 物理学者の皆さん、「特殊相対性理論」の見直しをお願いします。


 私は、物理学者ではないので、私ができることは、このブログの内容を多くの物理学者の皆さんに見ていただき、その結果として「特殊相対性理論の矛盾」が、訂正されることを願っているだけです。
 もし、私と同じように「特殊相対性理論」に矛盾を感じた方は、多くのご学友やご同僚とこのブログの内容について議論していただき、より多くの物理学者の皆さんに、この矛盾を認知していただきたいと願っています。


 皆様のご意見・質問・反論等をお待ちしております。


 このブログは、前ブログ(完全崩壊した「特殊相対性理論」)を編集しなおしただけ
のものです。より多くの方にこの事実を周知していただきたくて、題名と順番を変え、
ほぼ同じ内容のものを掲載しています。