特殊相対性理論の崩壊(シリーズ1)時間の遅はなかった

       光路と軌跡について
(マイケルソン・モーリーの実験と運動する物体の時間の遅れ)



1.光の光路と軌跡
 マイケルソン・モーリーの実験の考察で、進行方向に垂直に置かれた装置の光路を三角形の斜辺にして、光路を進む光の時間を計測していました。
実際の光路が三角形の斜辺になるかを次のような思考実験で確認しました。


           

                図ー1
 絶対静止系(真空系・固定されたエーテル中)でA点とB点を決め、A点よりB点に光を照射し、鏡で反射され、A点に戻ったとします。この光は、理論上(アインシュタインの考え方と思いますが。一つのマックスウェルの波動方程式が絶対静止系に適用されると考える。)A点・B点上にある直線(黒い線)上からずれません。
 ここに、マイケルソン・モーリーの実験装置を置き、A点よりB点に光を照射すると同時に、装置を速度Vで移動させます。
 光を観測すると、軌跡は点線の赤い線のように見えます。しかし、A点とB点は移動しないので実際の光はA点とB点を移動しているだけなのです。


 マイケルソン・モーリーの実験の考察で、この光のA⇒B⇒Aの光路を三角形の斜辺として、光の光路の長さにしていました。
 しかし、ABの光は理論上ABのラインから移動しませんから、光路の長さは距離ABで、実際とは違う考察をしていたのです。
 光の軌跡は光路と違う場合があるのです。(観測する系が違うと軌跡は光路と違う。観測する系が同じならば軌跡と光路は同じ等)


 この光の軌跡は、視覚的な残像として認識される虚像(錯覚)なのです。(実際は頭の中で考えているだけですが。)実際の光路より長いので、観測される速度はCより大きくになります。
 移動速度を加味して合成した速度で軌跡の長さを割れば、同じ時間が観測されますが、Cで割っても本来の時間は算出できないのです。
 私は、物理学者ではないので、行いませんが、実験の考察結果も当然のことながら違ってきます。(航路の時間差が大きくなるので観測結果に大きな影響はないと思われますが。)
 光の軌跡は実際の光路と違う場合があるのです。(系が違うと軌跡は光路と違う。系が同じならば軌跡と光路は同じ。)
 実際のこの三角形の形は、光速度が非常に速いのでほぼ直線的に見えます。また、実際の装置の移動距離(縦方向の装置のエーテルに対する)は観測できないほど僅かですので、光を出した位置と戻った位置が観測できない程度のずれが生じているだけと考えられ、おそらく、実験の結果には影響がないのではないかと考えています。


 この考え方をすると、速度Vで移動する電車に設置した光時計の時間の遅れも、光の移動する絶対静止系での位置を決め、実際の光路を考えると時間の遅れなどないことが予想されます。
 時間の遅れについてみてみましょう。

              

                  図-2
 絶対静止系の点Aと点B点を移動する光は黒線で示したライン上しか移動しません。
 そこを光時計が移動します。見える軌跡は、斜線のようになります。実際には、ほとんど直線なのですが、分かりやすいように誇張して書いてあります。
 絶対静止系(真空系?)には、一つの波動方程式しかないので、ABを移動する光は、光時計が移動しても同じ線上を移動します。
 移動する光時計の観測される時間はABの距離をLとすると L/Cとなります。
 この三角形の斜辺は光の軌跡で、虚像なのです。
 この状態の考察から、運動する物体の時間の遅れなど観測されないのです。


 上述の考察は、絶対静止系(真空中)に適用されるマックスウェルの波動方程式は、一つという観点から出してありますが、電車の密閉された空間がガリレイ座標系でエーテルが移動したと仮定して考察してみましょう。

         

               図-3
 電車が静止している場合、光は当然のことながらAB間を移動します。ABを結ぶ線上にこの光を通すエーテルのラインがあると考えると、電車が移動してもそのエーテルが、電車とともに平行移動するので、光はこのライン上しか移動しないのです。電車が移動しているので、電車の外から見ると、斜辺のような光の軌跡が見えますが、実際の光はABを移動しているだけなのです。
 斜辺の光の軌跡は、電車が移動したから、視覚的な残像として認識されるだけなのです。光はABしか移動していないので、観測される時間はL/Cで時間の遅れはありません。
 ガリレイ座標系として考えても同じです。実際の光の光路は、系内の観測者が観察した状態で、ABを光が移動しているだけです。系が平行移動しているから、斜辺のような光の軌跡が観測されているだけです。
 これで私が感じていたもう一つの疑問も解決しました。
 それは、以前のブログでも紹介した図-4の事柄です。
 他の物理現象では、図のような軌跡を描く物体の動きがLに到達する時間はL/CでVの速度に依存しないはずなのに、光の場合だけ、軌跡の長さをCで割っている。光だけは特殊な扱いになっていました。

            

                図-4
 今回の考察で、光も他の物理現象と同じで、Lに到達する時間は、L/Cであることが確認できました。
 光の軌跡は、実際の光の光路を反映していない場合があり、その都度、慎重に考察をしなければなりません。
 以上の考察より、
 ◦ 光の光路と軌跡は一致しない場合がある。
 ◦ 光を伝搬する装置の移動速度によりできる光の軌跡の速度が必ずしも、Cにはならな
  いことを考慮する必要がある。(移動速度との合成速度になる)
 ◦ 運動する物体の時間の遅れがない.
という結論が得られました。


 これらの事柄を頭に入れて、このシリーズを読んでいただければ、私が考えていることを理解いただけるものと考えています。
 特殊相対性理論の一角が、崩れ去りました。この後のシリーズを通して、アインシュタインの矛盾を指摘していきます。次のシリーズもぜひご覧ください。
 なお、ご意見・反論をお待ちしています。簡単なコメント「間違っている等」で結構ですので、よろしくお願いします。


 軌跡と光路の違いが明確になるように、追加説明をします。
 絶対静止系の原点に、長さLの棒3本(青色の線)を置き、原点及び各棒の端に同期し、時刻合わせをした時計を配置します。

       

 原点より各棒の端に向けて光を同時に照射し、各棒の端に光が届いた時の時間を絶対静止系に静止している観測者が観測すると、各棒にはL/C時間後に光が到達しているのを確認します。
 この時、静止系を速度Vで、紙面の左方向に移動する観測者がこの状態を確認します。
 この時、移動する観測者が観測する光の光路は、特殊相対性理論で行っている光の観測からすると、点線に示す光路になります。
 そして、この光路の光速度は、光速度不変原理を適用し、Cとすると各光が棒の先端に到達する時間は、バラバラになります。
 絶対静止系の時間で、L/Cの時間がこの場合、3つ観測されるのです。
 この矛盾は、光の軌跡に光速度不変原理を当てはめたから起こった現象です。
 実際の光路は、実線に示した線で、これをCで割れば同じ時間が観測されます。
 光の軌跡と光路は違う場合があること及び、軌跡の速度は移動速度を合成しなければならないことがお判りいただけたと思います。