物理学者の間違っている常識 (シリーズ 3)

光の軌跡の速度は、Cではないことの検証


 シリーズ2で、光の軌跡の速度は、移動速度との合成速度であることを記述しました。
 この事柄について、2つの方法で検証してみましょう。


 最初に、「軌跡の速度は、移動速度を合成する」ことについての検証として、「相対論的速度の合成則」との物理現象の違いを比較して、考察してみましょう。
 絶対静止系に静止している電車のAよりボールを速度UでBに向かって射出し、同時にAより、光をBに向かって照射し、B点で反射され、C点でボールに光が到達したとします。

          

                 図-1
 この時、CBの距離をXとし、Xを算出します。
 C点にボールが到達する時間は、
  t=(L-X)/U
となり、光がC点に到達する時間は、
  t=(L+X)/C
となり、距離Xは、
 (L-X)/U=(L+X)/C
  X=L(C-U)/(C+U)
となります。
 この時、観測者が図-2のように、速度Vで左方向に移動したとします。

      

                   図-2
 移動する観測者は、上図のような状態を観測します。そして、移動して観測しても、この時のC点とB点の距離は必ずX=L(C-U)/(C+U)にならなければなりません。
 この事柄について、軌跡が移動速度に依存しているか、光速度不変原理と相対性理論的な速度の合成則が成り立つのかを検証してみます。
 まず、軌跡が移動速度に依存している場合について検証します。
 B点に光が到達する時間は、
  t₁=(L+Vt₁)/(C+V)=L/C
となり、B点で反射された光がボールに到達する時間は、
  t₂=(X-Vt₂)/(C-V)=X/C
となります。
 C点にボールが到達する時間は、
  t=(L-X)/U
となり、光がC点に到達する時間は、
  t=t₁+t₂=(L+X)/C
となり、距離Xは、
  X=L(C-U)/(C+U)
となり、光の軌跡は移動速度に依存するという考察結果の妥当性が、証明されました。


 次に、光速度不変原理と、速度合成則を使用して、距離Xを求めてみましょう。
 速度合成則による速度をWとすると
  W=(U+V)/(1+UV/C²)
になります。
 B点に光が到達する時間は、
  t₁=(L+Vt₁)/C=L/(C-V)
となり、B点で反射された光がボールに到達する時間は、
  t₂=(X-Vt₂)/C=X/(C+V)
となり、光がC点に到達する時間は、
  t=t₁+t₂=L/(C-V)+X/(C+V)
となります。
 C点にボールが到達する時間は、
  t=(L-X)/{(U+V)/(1+UV/C²)}
となり、
  t=(L-X)/{(U+V)/(1+UV/C²)}
   =L/(C-V)+X/(C+V)
となり、C≫UVなので UV/C² = 0 と置くと距離Xは
  (L-X)/(U+V)=L/(C-V)+X/(C+V)
  X=L(C-2V-U)(C+V)/(C+2V+U)(C-V)
になり、電車が静止しているときのX
  X=L(C-U)/(C+U)
とは同じにならないことがわかり、観測者が動くと光の到達点が変わってしまうという矛盾が起きます。ここに、運動する物体は、収縮するとして、収縮率をかけても、静止しているXとは一致しません。
 光の軌跡は、Cではなく、移動速度Vと合成することの検証ができたと考えられます。
 また、「相対論的速度の合成則」は、軌跡の速度をCとして算出されているので、この合成則の矛盾もお分かりいただけたと考えます。


 次に、縦方向の物理現象を考察して、軌跡の速度がCでないことを検証しましょう。
 速度Vで移動する電車のA点より小さな光に見える発光体を速度uで、垂直に距離LのB点に発射します。

         

               図-3
 静止している観測者は、図-4のような光の軌跡を観測します。
 この時、A点の発光体の軌跡が、光だからと言って、B’点に到達する時間を下記のような計算をする馬鹿な科学者は、いないと思います。
  (CΔt)²=L²+(VΔt)²
  Δt=L/√(C²-V²)
 

        

                図-4
 発光体がB‘点に到達する時間は、物理の一般法則にしたがい、
  Δt=L/u
となり、光の移動速度をXとすると、
  V²+u²=X²
  X=√(V²+u²)
となります。
 B'の到達時間は、Vの速度に影響されず、ABの距離と移動速度Uで決まります。
 なぜ、光だけが、特別なのでしょうか?この状態は、ちょうど光行差角に相当するもので、光もB'の到達時間は、Vの速度に影響されず、ABの距離と移動速度Uで決まります。
 ここで超未来の超科学を使ってみましょう。( `―´)ノ
 2X00年代には、電車のスピードが25万㎞/sの速度で動き、発光体の発射速度が20万㎞/sになったとします。
 この時、発光体がB’点に到達する時間は、
  Δt=L/20万
になります。
また、この時の軌跡の速度は、
  X=32万㎞/s
になります。
 この速度では、光よりも早くA点の発光体が、B’点に到達するという現象が生じてしまうのです。
 発光体より早い速度で動く光が、遅れてB’点に到達するなどという現象は、絶対に生じません。
 これが光の軌跡の速度をCとしたことから起きる現象です。
 近似式ならば、このようなことが起きても不思議ではありませんが、原理が近似式であってはならないのです。実際は近似式でもなんでもなく、考察の間違いから起こった事柄です。
 光の軌跡は、発光体の軌跡と同じようなものなのです。
 特殊相対性理論の世界では、こんな矛盾を見落として議論が行われているのです。
 特殊相対性理論の根幹となる、同時性の否定や、ローレンツ因子は、思考実験より考えられた光の軌跡の式に、光速度不変原理を適用し、軌跡の速度をCとし、特殊相対性理論を組み立てています。
 特殊相対性理論は「軌跡の虚構」の理論なのです。



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