特殊相対性理論で同時刻線が複数できる現象

 ミンコフスキー図の数々の矛盾(なんでこんなことが物理学で通用したの?)
 前ブログ(アインシュタインの論文の座標変換における同一地点の時刻の不一致 https://yoko3210go.muragon.com/entry/71.html)で指摘したように、運動系と静止系という考え方をすると運動系の光を静止系で観測すると虚像として観測しますが、アインシュタインの理論は、これを光とみなし、運動系の時間の不一致のままに、時刻にすり替え、理論展開が行われたことを指摘しました。
 アインシュタインは、この虚像の速度に光速度不変原理を適用し、速度をCにしているのです。
 速度Vで移動する運動系の横方向の光の静止系で観測される移動時間の矛盾をそのままにし、時刻にすり替えているので 違った方向の光や物理現象・運動系での違った速度での物理現象の観察を行えば、不合理なことが生じると予想されます。


 最初に、ミンコフスキー時空図に2本以上の同時刻線ができる事例を見てみましょう。
 速度Vで移動する運動系(電車の中)を速度Uで移動する長さ2Lの棒の移動状態を見てみましょう。
 時刻τ₀に、運動系の距離Lの間隔のd・e・f地点を長さ2Lで速度Uの棒が通過したとします。
 それに対応した棒の点をa・b・c点とします。

           

                   図-1
 時刻τ₁=L/Uでa点がe点に、b点がf点に到達します。
  この点を世界線としたミンコフスキー図をアインシュタインの相対性理論(東京図書 M.Born著 林一訳)のP206に記載されている方法で作図します。(添付資料参照)
 速度Vの点の世界線と速度V+Uの点の世界線と光の世界線を描くと図-2の様な図が得られます。

        

                  図-2
 同時刻線の考え方をしなければ、ae、bfの交点は、L/Uの同時刻で観測されます。
 ミンコフスキー図の考え方では、同時刻線が、2本あるので、ae・bfの交点が、2つの同時刻線上に同時になければなりません。運動系のある地点のある時刻・事象に対して、静止系で2つの地点と2つの時刻が観測されることを意味します。
 棒の移動速度と移動距離を半分にしたとき、また別の世界線(ピンク色)ができます。
 また逆方向の動きを考えると図-3の様なピンクの世界線ができます。

                            

                 図-3
 運動系の時刻L/Uに、ae、bfが交差する地点で起きた事象が、静止系で観測すると特定できないことが判ります。
 同時刻線は、どのようにも変化させることができるのです。
 
 物理学者の皆さんは、CとVの関係だけに着目していますが、このように、別の速度Uが加わり、具体的な事象が存在すると同時刻線が何本でも同一のミンコフスキー上に描け、具体的な事象の場所と時刻が特定できないことが判り、矛盾が明確になるのです。
 運動系の特定な場所(ae・bfの交点)と時刻が、同時刻線の考え方では、静止系では、無数に存在することを意味します。
 私の理解を超えた素晴らしい理論です。
 静止系で観測される虚像を光として認識し、矛盾した時間(マイケルソン・モーリーによって否定されたエーテル理論的な考え方)と速度Vを使って時刻変換をした理論だから ほかの速度も加え、具体化すると理論が破綻してしまうのです。


 では、ほかの物理現象の例も見てみましょう。
 速度Vで移動する運動系に、長さ2Lの棒を図のように置き、棒の中点から各端に同時刻
τ₀=0に、光を照射したとします。

          

                 図-4
  各光は、L/C時間後の時刻τ₁=L/Cに、各端に同時に光が到達します。
  この時の棒の移動状況を運動系を静止系にして棒の移動状態を見てみましょう。

          

                  図-5
 光は両端に、L/Cの時間で到達し、棒のない系の棒があった地点の移動距離は、VL/Cになります。
 この状況をアインシュタインの考察方法で 静止系から考察してみましょう。

          

                  図-6
 時刻t₁=L/(C+V)で左端に光が到達し、その時の棒の移動距離は、
 VL/(C+V)になります。

          

                   図-7
 次に、時刻t₂=L/(C―V)で右端に光が到達し、その時の棒の移動距離は、
VL/(C―V)になります。
 運動系の一つの時刻・時間L/Cで棒がVL/C移動した現象が、静止系では、
  時刻t₁=L/(C+V)で左端に光が到達し、棒の移動距離は、VL/(C+V)
  時刻t₂=L/(C―V)で右端に光が到達し、棒の移動距離は、VL/(C―V)
と2つの現象になっています。
 ミンコフスキー図を見てみましょう.

                           

                                                                 図-8
 ミンコフスキー図の同時刻線の考え方からすると棒の真ん中の静止系の時刻は、
       Δt₃=1/2{L/(C―V)+L/(C+V)}=LC/(C²―V²)
となるので棒の真ん中の移動距離は、ⅤLC/(C²―V²)となる。
 運動系の一つの移動距離VΔtに対して、静止系では、無数の移動距離が存在することになります。
 棒の位置によって移動距離が変化する!!!((+_+))


 ミンコフスキー図は、ⅭとⅤとの関係から時間の矛盾をそのままに、時刻の違いに置き換えて作図されています。
 この図上では、点の世界線と同時刻線が、ひし形を形成しており、光は、その頂点を移動するので、光の移動では、時間の矛盾を生じませんが、最初の例のように、運動系を別の速度Uの物体を移動させたり、具体的な物理現象を考察すると同時刻線の考え方の矛盾が生じます。


 速度Uで移動するボールを使った別の例を考察してみましょう。
 図-9のように、速度Vで移動する運動系で 原点から距離L離れた地点へ時刻τ₀で速度U=C/2のボールを移動させたとします。

           

                   図-9
 運動系の観測者は、ボールが両端に、時刻τ₁=2L/Cに到達するのを確認します。ボールが両端に、移動する時間は、2L/Cになります。
 この時のミンコフスキー図を作って ボールの移動状態を考察してみましょう。
 運動系の-L点、原点、L点を点の世界線にしたミンコフスキー図を作ります。
 静止系で観測される右に向かうボールの移動速度は、U+V、左に向かうボールの移動速度は、―(U-V)で観測されるので、このボールの速度の世界線をミンコフスキー図に重ね合わせます。

         

                   図-10
 ボールの世界線と両端の点の世界線は、時刻2L/Cの時刻線上で重なります。
 アインシュタインが提唱した同時刻線の考えかたが正しければ、ボールと世界線の交点と同時刻線が、同じ場所で交差するはずですが、交差しません。
 地上で同じ速度(U+V、―(U-V))のボールを移動させても同じ点の世界線が描けるので 時刻2L/CにL離れた地点に同時に到達します。((+_+))
 点の世界線の出発点をⅩ’軸上に変更しても同時刻線上には、重なりません。
 また、ボールに対応した同時刻線が別に2個あるので この状況で3本の同時刻線が描けます。
 なぜ、同時刻線上に重ならないの????


 では、逆方向のボールならばどうなるでしょう?
 図-11のように、速度Vで移動する運動系で 原点から距離L離れた地点から時刻τ₀で速度C/2のボールを原点に向かって移動させたとします。

          

                 図-11
  運動系の観測者は、時刻τ₁=2L/Cに、両方のボールが、原点に同時に到達するのを観測します。
 この時、静止系で観測されるボールの速度と同じ速度で 静止系でも同じように、ボールを移動し、その時の時空図を作ってみましょう。
 静止系で観測される右に向かうボールの移動速度は、U+V、左に向かうボールの移動速度は、―(U-V)ですので、時空図に観測されるボールの速度の世界線を重ねます。

        

                 図-12
 地上のボールは、時刻2L/Cで運動系の原点に同時に到達します。
 では、ミンコフスキー図上に、アインシュタインの考え方に沿って 運動系のボールの状態を重ね合わせてみましょう。

        

                 図-13
 ミンコフスキー上では、運動系の各点の時刻は、Ⅹ’軸上になるので Ⅹ’軸上がボールの出発点になります。
 同じ傾きのボールの世界線をⅩ’軸上から出すと図-13のように、ボールは、原点の世界線に同時に到達しません。
 アインシュタインは、論文で系間の同時性を否定していたから
 これでよいのだ(^^♪ ((+_+))
 地球上で起きたAとBの車の衝突、宇宙から観測するとAの車は時刻〇〇、Bの車は、時刻△△に衝突した。((+_+))
 これが、特殊相対性理論の世界、特殊なのです。( ;∀;)


 前ブログで指摘しましたが、運動系の光を静止系で観測すると光の軌跡(虚像)の長さは、
 D=(C±V)Δt
となり、Vに依存した長さになります。
 運動系と静止系で考えた場合、運動系の光を静止系で観測すると光の虚像を観測しているのです。
 これに、光速度不変原理を適用し、速度Cにしているのです。
 生成速度は、(C±V)Δtで光そのものでない軌跡に、光速度不変原理を適用し、この速度をⅭ/Δtにしている。
 アインシュタインが、論文を発表した当時、マイケルソン・モーリーの実験結果や光速度の測定結果などから 固定エーテル説は、否定されました。
 それは、予想された時間の不一致があったからです。
 アインシュタインの手法は、固定エーテル説で観測される時間を時刻に置き換えているのと同じです。
 光速度不変原理を静止系で観測される虚像に適用し、否定されたエーテル説の時間を時刻に置き換え、理論展開を行っています。
 この考え方は、ⅭとVに関しては、一見、矛盾がないように思われますが、矛盾があるから他の速度のものが介在すると矛盾が明確になったのです。


 ローレンツ変換は、速度不変原理を適用すれば、どんな速度でもできる仮想空間を作る数式です。
 例えば、ある学者が、速度Uの物体の伝搬速度Uの速度不変原理を提唱したとします。
 アインシュタインの論文に書かれているV(C)をUに置き換え、同じ手順をたどれば、
  τ=β(t―vx/U²)
  ζ=β(x-vt)
  η=y
  ζ=z
  β=1/√{1-(v/U)²)
が得られます。
 ローレンツ変換は、速度不変原理を考えたときにできる仮想空間(数式)でしかないのです。
 興味のある方は、書籍を抜粋して添付しますので確認してください。
 ここに書かれているⅤ(C)をUに置き換えるだけです。


 仮想空間ですから座標変換をしたときに、時間がマイナスになる点が存在します。マイナスつまり、過去の時間になる。
 起こりえないことが起きる変換なのです。
 例えば、反発係数1.0の長い2Lの棒があったとします。
 左側から質量が同じで 反発係数が1.0の棒を速度Ⅴで左側より衝突させたとします。

         

                図-14
 静止系に静止した棒は、衝突した瞬間に、速度Ⅴで移動します。
 衝突した瞬間の静止系に静止した状態の時刻をτ₀=0とするとこの棒の -L地点のローレンツ変換をすると 時刻は、―になるのです。
 皆さんもご自身で確認してください。
 過去にさかのぼった時間になる。
 やはり、特殊相対性理論です。特殊なのです。( ;∀;)


 なぜ、100年以上も物理学者の皆さんがこの理論を支持しているのかが、不思議でなりません。
 波動方程式がガリレイ変換で不変でないから?
 この件に関しては、ブログ「物理学の大原則を誤ったアインシュタイン https://yoko3210go.muragon.com/entry/69.html」に記載しましたが、ドップラー効果で運動系の波動を観測すると振動数が変化するので ガリレイ変換ができなくて当たり前なのです。
 再度説明します。
 光を照射し、観測者A・Bに到達したとき、観測者Aは静止し、観測者Bが、速度Vで移動したとします。

         

                図-14
 この図は、観測する光の波数(振動数)を模式的に書いています。

         

                図-15
 観測者Aは、単位時間に波の谷を4個観測し、観測者Bは、6個観測するのです。
 速度Vで移動する系で観測した場合、観測者Bと同じ状態を観測します。
 Aが観測する単位時間当たりの光の波数とBが観測する波数は同じですか?
 Bは、Aよりも波数(振動数)が大きい光を観測するのです。
 一種のドップラー効果です。計算はしていませんが、光の速度が大きすぎるので地上でドップラー効果の観測はできないと考えられます。(測定精度がない?)
 波動方程式は同じですか?
 当然のことながら波動方程式は変化します。
 波動方程式が、ガリレイ変換で不変でないのは、当たり前の事なのです。


 私には、聡明な物理学者の皆さんが、100年以上の長い期間 アインシュタインの理論を支持しているのを理解できません。
 簡単な考察をすれば、矛盾を指摘できます。
 宇宙空間の光の伝搬法則(素粒子の存在)を考えているからですか?
 ブログを書いていて、物理学者の方は、なぜ?なぜ?といつも思いながら書いています。
 私の考え方が違っているのならば、指摘してください。
 お待ちしています。


<添付資料>
1.アインシュタインの相対性理論(東京図書 M.Born著 林一訳)


2.アインシュタイン論文選 「奇跡の年」の5論文(ちくま学芸文庫 青木薫訳)