物理学の大原則を誤ったアインシュタイン


 アインシュタインの「特殊相対性理論」等の考え方は、1905年の論文「運動物体の電気力学」や1916年に出版された著書「特殊および一般相対性理論について」に詳細に記載されています。
 ここでは、古典的な物理法則と光速度不変原理を使用し、棒や電車及び光の挙動から、移動時間を算出し、系間の同時性や相対性の否定をし、系のガリレイ座標変換で光の移動時間の考察を行い、ローレンツ因子を算出しています。
 ローレンツ因子算出までの古典的な物理学を使用した内容は、物理学を専攻しなかった私にもよく理解できる事柄でした。
 はじめは、読みにくい書物でしたが、よく読み進むうちに、いくつかの矛盾を見出せ、アインシュタインは、簡単な古典的な物理学の大原則を間違っていることに気が付きました。
 この大原則を誤ったために、古典的な物理学で時間の矛盾が生じ、アインシュタインは、これを是として理論構築をしたのです。
 このブログでは、アインシュタインが、間違った物理学の大原則を指摘するとともに、系間で同時性があり、移動物体の時間の遅れや収縮など起きないこと及び、ローレンツ変換は、虚構の理論であることの説明をします。
 説明では、電車を使用して行っていますが、この電車を地球に変えて考察すると矛盾が一層わかりやすくなります。


1. 静止系の光と移動する系の光と物理学の大原則の間違い


 まず、静止系の光と移動する系の光と移動する観測者がこの光をどのように観測するかを見てみましょう。
 速度Vで移動する電車の中に、長さLの棒を置き、棒の両端に時刻合わせをした時計を置き、光で時計の同期を行ったとします。            

                           図-1

 時刻τ₀でA点より光を照射し、時刻τ₁で光がB点に届き、時刻τ₂で光がA点に戻ったとします。
 電車にいる観測者が観測すると電車と棒は、静止した状態なので、図-1のような状態を観測し、
  τ₁-τ₀=L/C
  τ₂-τ₁=L/C
を観測し、時計の同期ができることを観測します。
 一方、棒とともに速度Vで移動する観測者は、電車と電車の中の棒を静止した状態として観測し、C点に対応したA点とD点に対応したB点の光の状態から、C・D点の時計の同期をすることができます。
  τ₁-τ₀=L/C
  τ₂-τ₁=L/C


 次に、静止系での時計の同期を見てみましょう。
 時刻t₀でE点より光を照射し、時刻t₁で光がF点に届き、時刻t₂で光がE点に戻ったとします。   

              

                 図-2
 静止系の観測者は、
    t₁-t₀=L/C
    t₂-t₁=L/C
を観測し、時計の同期ができることを観測します。
 しかし、棒とともに移動する観測者は、移動しているために、棒の端のD′点に光が届かず、静止系の同期の光では、時計の同期をすることができません。
 移動する棒の観測者から見ると図-3のような状態を観測します。    

             

                 図-3
 この観点から、移動する棒の観測者にとって、移動する電車で同期する光と静止系の光で同期する光は、まるっきり違う挙動の光として観測するのです。
 アインシュタインは、「運動物体の電気力学」の中で、移動する棒と棒に沿った光を使用し、静止系に光速度不変原理を適用して時計の同期を行い、同時性の否定をしています。 

                

                 図-4
 静止系に光速度不変原理を適用するということは、静止系の光で考察を行うことになります。移動する観測者は、電車の光ではなく、静止系の光で同期を行っているのです。
 ここでアインシュタインは、棒とともに移動する観測者は、
  t₁(τ₁)-t₀(τ₀)=L/(C-V)
  t₂(τ₂)-t₁(τ₁)=L/(C+V)
を観測し、時計の同期ができないとし、静止した観測者は、時計の同期ができることから、系間の同時性を否定しています。
 前述した電車の光ではなく、棒に対する静止系の光をもって同時性の否定を行っています。
 棒とともに移動する観測者に対する同期の光の挙動が違うのに、静止系の光で代表して考察をしているのです。
 ここで、各観測者が、観測する光の状態を見てみましょう。         

        

                図-5
 電車の観測者と静止系の観測者は、その系の光に対して、移動しない状態で観測をしています。
 一方、棒とともに移動する観測者は、光速度不変原理を適用した光(静止系)に対して移動した状態で観測を行っています。
 系の運動法則を考えたとき、ある事象に対して、系に静止した観測者が観測した状態が、その系の運動法則になります。
 棒とともに移動する観測者が観測している事柄は、静止系の光を移動して観測しているので、運動系の運動法則ではないのです。
 棒の観測者が、電車の光を観測すれば、光に対して移動しない状態で観測することができるのです。そもそも、棒の周りは、運動系ではないのです。
 静止系に、光速度不変原理を適用した光は、運動系の光ではなく、静止系の光になっているのです。アインシュタインの考察は、静止系の光に対する移動する物体(系)の状態を表しているにすぎないのです。
 棒とともに移動する観測者が、光に対して移動していることは、アインシュタインの著書「特殊および一般相対性理論について」にも明確に記載されています。
 P40~43に、軌道堤を移動する列車とA・B点に、同時に落ちた落雷を使用して同時性の否定を行っています。列車を棒にすれば、棒に対する光の状態を考察することができます。    

                 

                  図-6
 ここで、アインシュタインは、「M´いる観測者がB点から来る光に向かっているので、A点の光よりも先に、Bからの光を認めるであろう。」との記述をし、「列車を基準体として用いる観測者は、落雷Bが落雷Aよりも先に起こっている。」と結論付け、「軌道堤を基準として同時である事象は、列車を基準とすると同時ではない。」として同時性の否定をしています。(添付文書)
 アインシュタインは、古典的物理法則と光速度不変原理の組み合わせで、同時性の否定を行い、ローレンツ因子を算出していますが、アインシュタインの手法は、古典的な物理法則に、合致した手法なのでしょうか?
 図-6についても考察してみましょう。
 軌道堤の光と電車の観測者で同時性の否定をしていますが、電車の中の光も考えて、考察してみましょう。
 電車の中の観測者が観測すると、電車は、止まった状態として、電車を観測し、下記のような状態を観測します。  

        

                  図-7
 電車の観測者は、電車の中の光に対しては、移動していない状態で、光を観測し、A′・B′から照射された光が、M´点に、同時に光が届くのを観測します。
 しかし、軌道堤の光は、アインシュタインが、指摘したように、光に対して移動しているために、M点に光が、同時に届かないのです。M´から同じ距離離れた位置から出た光が、同時に届く場合と同時に届かない場合があるのです。
 光に対して、移動した状態をその運動系の事象としてとらえたことが、古典的な、物理法則に合致しない事柄なのです。
 古典的な物理則と光速度不変原理を静止系に適用し、移動する系の同時性を否定し、古典的な手法で、系の座標変換を行い、ローレンツ因子の算出を行っているのです。
 アインシュタインの考え方は、あっているのでしょうか?
 アインシュタインの考え方は、電車と軌道堤を移動する拳銃の弾丸や音で、運動系の事象として考察するようなことを行っているのです。           

          

                図-8
 アインシュタインは、著書の中で、直進する剛体(棒や電車)に硬く結びついた、座標軸をガリレイ座標としていますが、棒の周りの空間は、移動するガリレイ座標系なのでしょうか?(前ブログ「20世紀最大の物理学者の過ち2019/08を参照)
 拳銃の弾丸や音などの挙動を見れば分かりますが、移動する棒の周りは、ガリレイ座標系ではなく、静止系の空間なのです。
 アインシュタインは、静止系の事象を運動系の事象にし、それに対する運動物体の観測結果を用いて、同時性の否定やローレンツ因子を算出しているのです。
 ローレンツ因子算出の思考実験を見てみましょう。
 論文のP261~263にかけて運動系kで起こった出来事の場所と時刻を指定する値ε,η,ζ,τに対して、静止系Kを指定する値x,y,z,tとを関係づける連立方程式を求めています。
 x´=x-Vtと置き、時刻τ₀にk系の原点からX軸に沿って放出された光線がx´に向かい、時刻τ₁にx´で反射されて原点に向かい、時刻τ₂に原点に戻った時の時刻を(1)式に引数として代入しています。
 この思考実験は、長さx′の棒の端に、座標軸をつけ、同期を行っている状態と同じことを観測しています。
 光に対して、k系が移動しているのです。                

          

                 図-9
 このとき、1/2(τ₀+τ₂)=τ₁  ‥‥‥‥‥(1)
がなりたたなければならないとしていますが、(1)式が成り立つためには、棒とともに移動する観測者は、時計の同期を観測しなければ、ならないのです。
 同時性の否定では、移動する棒の観測者は、時計の同期ができないとして、同時性を否定したのに、(1)が成り立たなければならないとしています。
 同時性の否定の時と矛盾した事柄を扱っているのです。
 アインシュタインは、関数τの式に、引数を入れ、静止系で光速度一定原理を用い、
1/2[τ(0,0,0,t)+τ(0,0,0,{t+x´/(C-v)+x´/(C+v)})]
 =τ[(x´,0,0,t+x´/(C-v)] ‥‥‥‥(2)
を求めています。
 そして、この式を展開して、ローレンツ因子を求めています。     

              

                図-10
 この状態を図-10に示しましたが、この図から座標軸を除けば、同時性を否定した図-4と同じ図になります。
 引数で入れた時間も同じ時間が使用されています。
 同時性の否定では、同期できないとしたのに、この座標変換では、移動する観測者が、同期できることにしているのです。
 私が、考えると支離滅裂な理論展開を行っているのです。
 図-9や10の状態で、物理学者の皆さんは、光の波動方程式を考え、アインシュタインの考え方は、妥当性のある考え方であると思う方がいると思います。
 この考察を 静止系と運動系を逆にしてみると良く分かりますが、静止系の観測者は、運動系の光に対して移動しているのです。     

          

               図-11
 運動系の観測者(Y₀系)と静止系の観測者(Y₁系)の観測者が観測する光(軌跡)は、別物なのです。
 Y₀Y₁間に運動系の観測者は、光を観測する事はありません。しかし、静止系の観測者は、Y₀Y₁間に光の軌跡を観測し、図-12に示すように、時間の経過とともに、静止系の観測者が観測するY₀Y₁間の光の軌跡が長くなってくるのです。
 運動系の観測者が観測する光は、実像を観測しますが、静止系の観測者が観測する光は、虚像(相対的な光の移動状態)なのです。
 実像の速度をCにすることに問題は、ありませんが、虚像の速度をCとしてよいのでしょうか?
 図の中に、速度U=C/2の弾丸を想定して、一緒に図示しましたが、弾丸の軌跡は、Y₀より右側は、弾丸の速度Uに依存し、左側は、系の移動速度Vに依存しています。
 光の軌跡もY₀より右側は、光の速度Cに依存し、左側は、系の移動速度Vに依存しています。時間を変えるか、移動速度を変えてみるとこの事柄が、明確になります。   

                            図-12


 弾丸の移動距離をEとすると
 E=(U+V)Δt となり、弾丸の速度は、
 E/Δt=(U+V)
となり、弾丸の相対速度は、U+Vとなります。
 光の移動距離をDとすると、
 D=(C+V)Δt となり、軌跡の速度は、
 D/Δt=(C+V)
となり、弾丸の速度と同じように、軌跡の速度は、移動速度の影響を受けていて、光も一般の物理則に従うことが分かります。
 アインシュタインは、この軌跡Dの速度をCとして理論構築を行っているのです。
 静止系からだけの考察だけではなく、運動系からの考察も考えると、軌跡の速度をCにしている矛盾が明確になります。
 伝搬速度=観測速度としているのが、光速度不変原理なのです。
 一般の物理則では、 観測速度=伝搬速度+移動速度(運動速度)となりますが、光速度不変原理では、この観測速度をCにして議論しているのです。
 光に対して静止しているときと移動しているときで観測される光速度に影響があると考えたとき、問題となるのは、マイケルソン・モーリーの実験結果の扱いです。これについては、次章で記述します。


2.光速度不変原理と光の観測結果ついて
 アインシュタインは、論文や著書の中で、連星の光の挙動などから真空中の光の伝搬速度をCとし、全ての系の光速度も静止系の光速度Cで代表されるとして、同時性の否定を行い、また、観測速度が、伝搬速度に合致しないという理由で、相対性の否定を行っています。
 私も、光の波動方程式から考えても真空中の伝搬速度は、Cと考えています。
 しかし、観測速度は、必ずしもCである必要はないと考えています。伝搬速度と観測速度は、別物という考え方です。
 真空系を移動して観測したときに光速度は、どうなるのでしょうか?
 現在、真空系を移動して光の観測を行っているのは、地球上に静止した状態での観測しかありません。
 地球は、真空系から見ると、疑似的なガリレイ座標系で、しかも空気が存在します。
 地球での光の波動方程式を考えると、真空系の光の波動方程式とは、別の波動方程式が存在し、その波動方程式を考えた場合、地球上での伝搬速度は、Ca(空気中の伝搬速度)となります。
 地上での光の観測で、光速度の異方性を観測した結果が得られていないので、地上に静止して光の観測を行ったときは、どの方向もCaとなると考えられ、地上の波動方程式を考えても合致します。     

                    

                 図-13
 地球の境界面での光速度が、移動速度Vの影響を受けてC±Vになっていても地球の空気中の伝搬速度に支配されるため、地上での光の伝搬速度は、必ず、Caとして観測されます。
 マイケルソン・モーリーが、実験を行った時代は、エーテル理論が議論されていましたが、地球は、ガリレイ座標系なので、波動方程式を考えるとマイケルソン・モーリーの実験結果は、当たり前の結論なのです。
 現在まで、光の速度の観測は、地球上でしか行われていないので、単独で、真空系を移動した観測結果はありません。
 では、単独で、真空系を移動した場合、光速度は、どのように観測されるのでしょうか?
 アインシュタインの著書(特殊および一般相対性理論について P32~35)に、移動する電車と軌道堤に沿った光の相対速度の記述があります。
 この記述を見てみましょう。          

                              図-14

 速度Vで移動する電車と軌道堤に沿って伝搬する光を使用し、考察を行い、相対速度を算出しています。
   W=C-V


 この速度は、光の電車に対する速度ですが、観測者が測定する速度です。
 アインシュタインは、「列車に相対的な光の伝搬速度を問うている。」として、相対速度を伝搬速度とみなしています。
 アインシュタインの考え方は、
  測定速度=伝搬速度
にならなければならないとしているのです。
 そして、列車に相対的な光線の伝搬速度は、Cより小さいとして、相対性原理と矛盾するとしています。
 前述しましたが、電車の中の光は、Cとして観測するのです。
 伝搬速度は、光が系を移動する速度です。系を移動する観測者が、C±Vを観測しても別におかしなことはありません。
 真空中を移動する弾丸や空気中を伝搬する音を考えれば、すぐにわかる事です。   

                               図-15

 真空中を速度Uで移動する弾丸は、一定速度で移動します。また、空気中の音の伝搬速度Sも一定です。速度Vで移動する電車から観測すると
  W=U-V
  W=S-V
の相対速度(観測速度)になります。
 この速度が、UやSと違うから相対性がないと言っているようなものです。( ;∀;)
 電車の中では、UやSで伝搬・移動するのです。
 静止した状態と移動した状態で、光速度を計測したときに、違う観測結果が得られて当たり前なのです。
 静止した状態が伝搬速度で、移動したときは、相対速度なのです。
 真空中を移動しているのですから、光速度が、C±Vで観測されてもおかしくないのです。
 伝搬速度≠移動時の観測速度 であっても何ら問題もなく、当たり前の事柄なのです。
 アインシュタインが出した結論「相対性原理と矛盾する。」は、伝搬速度と移動した状態の測定速度は、別物であるという認識がなされていない結果、測定速度が、伝搬速度と合致しないとして、出された結論なのです。(マイケルソン・モーリーの実験結果の解釈を間違えた。?)
 系認識の誤認と観測速度と伝搬速度を一緒に考えた結果生まれた考え方なのです。
 光に対して移動した観測結果が、Cに合致しなくても、問題はないのです。
 相対速度(観測速度)は、
  相対速度=伝搬速度 ± 移動速度
になるのです。
 相対速度≠伝搬速度 だから、相対性がないという考え方が、なぜ、物理学者の皆さんが容認しているのかが、私には、理解できません。(マイケルソン・モーリーの実験結果のとらえ方ですかね?)
 観測速度=伝搬速度±移動速度 を考えたときに、波動方程式が、ガリレイ変換で、不変にならないことが、問題になります。
 これについては、次章で考察します。


2. 波動方程式は、ドップラー効果によってガリレイ座標変換で不変にならない。


(この内容は、多くの物理学者の皆さんに、「特殊相対性理論」のの矛盾を認知していただきたくて、前ブログ「20世紀最大の物理学者の過ち」の一部を切り取って編集したものです。詳細は、前ブログを参照ください。)
 波動方程式は、ガリレイ変換で不変では、ありません。これは、運動系の波動を観測したときに、ドップラー効果と同じような現象が生じ、振動数と移動速度に変化が生じるので、当たり前の結論なのです。
 この波動方程式が不変でないことと、光速度を結び付け、他の系の光速度を真空中で観測したときに、Cとしている考え方は、誤りなのです。 
 水に発生する波・電線を伝わる交流電流及び、音などは、波動方程式として表すことができます。(「FN高校の物理」 波動方程式と一般解・「物理Tips」波動方程式とガリレイ変換について KENZOU)
 波について、波動方程式が、なぜガリレイ変換で不変にならないかということと速度の関係について、図を使いながら説明をします。
 静止系に静止した水槽と静止系を速度Vで移動する水槽及び、速度Vで移動する電車の中に、水槽があったとします。
 各水槽に同じ方法で同じ波を生じさせます。        

                       

                 図-16
 静止系の観測者が、観測する静止系に静置した水槽の波動と電車の中の観測者が観測する電車の中の水槽の波動は、同じものを観測します。
 波の頭頂間の距離をLとし、波の移動速度をUとすると、静止系と電車の中の観測者は、A・B点を単位時間に通過する頭頂部の数(振動数ν?)を
  ν₀=U/L
として観測します。
 一方、静止系の観測者は、静止系を移動する水槽と電車の中の水槽の波の頭頂部が、B点を通過する数ν₁
  ν₁=(V+U)/L
を観測します。
 単位時間当たりに観測する振動数が、静止した状態の波と違うものを観測するのです。
 一種のドップラー効果が生じているのです。
 ガリレイ変換した状態は、静止系での観測結果を表しています。移動速度と振動数が違う波を観測しているので、波動方程式が違った形になっているのです。波動方程式をガリレイ変換しても不変にはならないのが、当たり前の事柄なのです。
 波動方程式の速度の項が変化するのです。
 静止した音の伝搬状態を見てもその状態がよく分かります。            

                 

                 図-17
 静止した観測者は、スピーカの音の本来の波動方程式を観測し、音速度も通常の速度Uを観測します。 また、観測する周波数も通常のU/Lを観測します。
 しかし、速度Vで移動する観測者は、周波数は、(V+U)/Lを観測し、音速度も U+Vを観測するのです。
 当然のことながら、静止した観測者と移動する観測者では、違う状態の波を観測しているのです。
 静止した観測者と移動する観測者が観測する音の波動方程式は、当然のことながら違ってきます。
 そして、伝搬速度は、移動する観測者の影響を受けるのです。
 ガリレイ座標変換とは、移動する座標系の事象を静止系に置き換えることで、運動系の事象を静止系で観測した状態を表しています。(?)
 波動方程式は、状態式(?)のため、ガリレイ変換をした時に、移動速度と振動数の違う波を観測しているので、不変になることなど、起こりえないのです。
 しかし、伝搬速度に着目すると、系の移動速度の影響を受け、ガリレイ座標変換する(?)と、伝搬速度は、U±Vになるのです。
 波動方程式の伝搬速度の項が変化するのです。当然のことながら、波動方程式は、移動したときと静止した状態では、違うものになるのです。
 光についても同じような現象が起きていると考えられ、波動方程式は、ガリレイ変換で不変では、ありませんが、観測速度は、C±Vになると考えることができます。     

                               図-18

 光速度は、系内の速度はCですが、他の系から観測すると移動速度の影響を受け、振動数が変化し、波動方程式が変化し、移動速度の影響を受けた相対速度として観測されるのです。
 真空中を同じ速度Vで移動していても、単独で移動するときと、ガリレイ座標中に静止した状態で移動するのでは、観測する光の速度に違いが生じると考えることができるのです。  

         

                 図-19
 現在、光速度の測定は、地球上(疑似的なガリレイ座標系)に静止した状態での観測しか行われていません。
 宇宙船の船外等での測定は、行われたことはありません。
 古い実験ですが、フィーゾーの実験は、疑似的な系の移動による光速度の変化を測定した事柄と考えることができます。
 フィーゾーの実験を見てみましょう。 フィーゾーの実験は、媒質の移動速度が、光速度に与える影響を調査したものです。       

      

             図-20(FN高校の物理より引用)
 図のような装置を使用し、光は、二つの光路に分けられ、それぞれ逆の水流を通り、
検出部で、できる干渉縞を測定して水流(空気)の影響を調査する装置です。
 水を移動させることにより、干渉縞が移動し、その移動距離より、各説(エーテル固定説・エーテル移動説・エーテル随伴説)の考察を行っていました。
 考察においては、地球の移動速度を考えないで、光の進行方向に対して、同じ方向の水流を一つにして議論が行われていました。     

      

                図-21
 エーテルの議論を行うのに、地球の移動速度によるエーテルの影響を無視して、議論が行われていたのです。
 エーテル理論の議論を行うには、見直しが必要とおもわれます。
 しかし、地球での光速度は、一定と考えて議論をしているので、図-21のような状態で考察するのが妥当と考えられます。
 実験結果を見ると、水が静止しているときと水を移動させたときで、干渉縞に変化が表れたという事実です。(空気では、変化がなかった。)
 この実験を見てみましょう。     

        

                図-22
 水流の変化により、干渉縞の変化が観測されるということは、AB・CD間の光の到達速度に違いが生じたために、発生する現象で、水流により 水路の光速度Cwが、
Cw+αVに、変化したために起こった現象と考えることができます。
 では、この実験で、水路に水で満たした透明な箱を置き、箱を水流と同じ速度Vで移動したとき、どのように観測されるかを考えてみましょう。           

                         図-23

 透明な箱の屈折理を水と同じものを使用すれば、図-22と同じ観測結果が得られると考えることができます。
 移動する箱を通過する光速度は、Cw+αVになると考えられます。
 箱は、電車などと同じガリレイ座標と考えることができます。静止した箱の光速度は、Cですが、移動する箱の光速度は、Cw+αVとして観測されるのです。
 この状態をさらに発展させて考えてみましょう
 この装置自体を大きな水槽の中で観測し、水で満たされた箱のみを移動したときと静止した状態での観測を行ったとします。        

            

                図-24
 水中の光の伝搬速度は、光の波動方程式から 光源が移動していても 常に、Cwの一定の値をとると考えられます。
 水中の伝搬速度は、常に、Cwであるということから、アインシュタインの考え方と同じ考え方をすると、真空中の光と同じように水中でも光速度不変原理を考えることができます。
 図-24は、図-23の一部分を切り取った状態と考えられますので、私は、移動する箱の光速度をCw+αVとして観測し、AB間とCD間の光の移動時間は、違うと考えています。
 アインシュタインの考え方と同じ考え方をすると、光速度不変原理からAB間とCD間の光の移動時間は、同じとする考え方です。この考え方であっているのでしょうか?
 これについては、皆さんで考えてください。


 ここからは、私の想像を書きます。
 真空中でも素粒子が存在し、それが光を伝搬しているのではないかと考えられていますが、存在する素粒子は、移動しないのでしょうか?
 もし移動するとしたら、分子の作用はないのでしょうか?
 水で、光の伝搬速度に変化がみられ、空気では、伝搬速度の変化が、観測されないのは、ある空間の陽子と電子の密度などが影響するのでは、ないかと考えます。
 空気では、干渉縞の変化が観測されませんでしたが、空気を満たしたダイヤモンドでできた箱を移動したらどうなるのでしょうか?
 私が物理学者だったら、実験で確認したい事柄です。
 地球を考えたとき、地球の伝搬速度は、どの方向の光速度もCaとして観測されているので、地球とともに、素粒子が移動していると考えることもできます。
 真空と地球の大気圏の境界には、電離層やオゾン層などが、存在しますが、これらは、素粒子にどのような影響を与えるのでしょうか? 
 私が物理学者だったら、実験で確かめたい事項です。


3.まとめ
① 光の伝搬速度はCである。しかし、観測される速度は、観測速度=伝搬速度+移
  動速度の関係になる。マイケルソン・モーリーの実験結果は、地球というガリレ
  イ座標内での空気中の伝搬速度を観測しているにすぎない。
② 系間の同時性も相対性も維持され、時間の遅れもなく、移動物体の収縮など起こらな
  い。
③ ローレンツ因子・変換は、虚構の数字で理論である。
④ 光を移動して観測するとドップラー効果により、振動数と観測速度が変化する。
  そのため、違う種類の波動として観測するため、波動方程式が変化するので波動方程
  式のガリレイ変換で、不変になることはない。


添付資料
 「特殊および一般相対性理論について」P40~43


 この内容は、多くの物理学者の皆さんに、「特殊相対性理論」の矛盾を認知していただきたくて、前ブログ「20世紀最大の物理学者の過ち」の一部を切り取り、新たな観点からの考察も加え、編集したものです。
 前ブログでは、いろいろな角度から「特殊相対性理論」の矛盾を指摘しています。
ご一読くだされば、幸いです。


 皆さんのご意見、反論をお待ちしています。


 私は、物理学者ではないので、私ができることは、このブログの内容を多くの物理学者の皆さんに見ていただき、その結果として「特殊相対性理論の矛盾」が、訂正されることを願っているだけです。
 私と同じように「特殊相対性理論」に矛盾を感じた方は、多くのご学友やご同僚とこのブログの内容について議論していただき、より多くの物理学者の皆さんに、この矛盾を認知していただきたいと願っています。

20世紀最大の物理学者の過ち

[はじめに]
 「20世紀最大の物理学者の過ち」、それは、100年以上にわたって「特殊相対性理論」を支持していることです。
 アインシュタインが提唱した「特殊相対性理論」の考え方は、1905年のアインシュタインの論文「運動物体の電気力学」(アインシュタイン「相対性理論」 内山 瀧雄訳・解説 岩浪文庫、 「アインシュタイン論文選 奇跡の年の5論文」青木 薫訳 ちくま学芸文庫)と著書「特殊および一般相対性理論について」(1916年 金子 務訳 白揚社)を見れば分かります。
 この中に記載されている矛盾点と波動方程式の考え方などから、特殊相対性理論の矛盾を示します。


[目 次]
1.ガリレイ座標空間の誤認識
2.波動方程式は、ドップラー効果で、ガリレイ変換で不変にならない
3.ミンコフスキー時空図の矛盾
4.ローレンツ変換について
5.運動系の光は、虚像だった。
添付資料 1 系の錯誤
添付資料 2 同時性の相対性(特殊及び一般 特殊相対性理論について)
添付資料 3 マイケルソン・モーリーの実験結果とローレンツ収縮(変換)について
添付資料 4 エーテル(媒質)に関する実験について


1.ガリレイ座標空間の誤認識
 著書のP17~29にかけて、ガリレイ座標に関する記述があります。
 この中で、アインシュタインは、併進運動する剛体(棒・電車)に硬く結びついた座標軸をガリレイ座標としています。
 この考え方は、移動する棒の周りは、運動系にもなり、静止系にもすることができるのです。       

                                                    

                  図-1
 ガリレイ座標の矛盾に関しては、前々ブログ『新「特殊相対性理論」の矛盾 総集編(改訂版)』2019/07/04(添付資料) において詳細に記述しましたが、移動する棒は、疑似的なガリレイ座標系で、(同じ速度で移動するガリレイ座標系と同じ観測をする。)棒や電車の周りの空間は、静止系の空間なのです。
 ガリレイ座標空間は、電車の室内などの密閉空間と地球の大気中など限られた空間しかないのです。(地球は、並進運動をしていないので疑似的なガリレイ空間ですが。)
 そして、ある特定の空間を運動系と静止系で同時に共有することはできないのです。
 このアインシュタインの考え方によってどのような現象が起きるかを見てみましょう。
 最初に、運動系の光と静止系の光、および、静止系を移動する観測者が、観察する光を時計の同期を使用して明確にします。
 電車の中に、長さLの棒ABと時刻合わせした時計を図のように配置し、時刻τ₀で、A点より光を照射し、電車を速度Vで移動を開始したとします。時刻τ₁にB点で反射され、時刻τ₂でA点に戻ったとします。
 電車(運動系)の観測者は、τ₁-τ₀=L/C τ₂-τ₁=L/Cを観測し、時計の同期ができることを観測します。   

                       

                   図-2
 静止系の観測者も同じような操作を行うと、t₁-t₀=L/C t₂-t₁=L/Cを観測し、時計の同期ができることを観測します。 
 では、電車に乗らないで、棒とともに移動する観測者は、これらの光をどのように観測するのかを見てみましょう。
 電車の中の観測者と棒とともに移動する観測者は、ともに移動速度Vで移動しているため、棒とともに移動する観測者は、電車と光を静止した状態として観測しています。 

                  

                  図-3
 光は、C点に対応したA点より光が照射され、D点に対応したB点で反射され、C点に対応したA点に戻っています。
 C・D点に対応した点に光が到達した時間を使用すれば、棒とともに移動する観測者は、 τ₁-τ₀=L/C τ₂-τ₁=L/Cを観測し、移動する棒の時計の同期ができます。
 一方、静止系に静置した時計を同期する光では、棒が移動しているために、D′点に対応した静止系の点に光が届かず、静止系のこの光では、移動する棒の時計の同期ができない事が判ります。      

                 

                  図-4
 移動する棒のC点に対応したA・E点から出た同期の光の挙動が違うという観点からすると移動する棒とともに移動する観測者にとって、電車の中の光と静止系の光は違った挙動をする光なのです。
 この違った状態の光を「光速度一定の原理を考慮する」や「静止系で光速度一定の原理を用いる」という表現で運動系の光を静止系の光にして議論が行われているのです。
 論文にこの例があるので、見てみましょう。
 「アインシュタイン論文選」のP257~260に、速度Vで移動する棒に沿った光で時計の同期ができないことを説明し、同時性の否定を行っています。
 長さLの棒の両端に、時刻合わせした時計を置き、 時刻t₀(τ₀)にA点より光を照射し、時刻τ₁にB点で反射され、時刻τ₂でA点に戻ったとします。          

                     

                  図-5
 この時、棒とともに移動する観測者は、
  τ₁-τ₀=L/(C-V)
  τ₂-τ₁=L/(C+V)
を観測し、時計が同期していないことを観測します。
 一方、地上の観測者は、Lの長さの静止した棒の両端の時計の同期ができるので、ある座標系で、同時刻の事象は、別の系では、同時刻でないとしています。
 移動する棒の周りの空間は、運動系の扱いになっているのです。
 これに関しては、アインシュタインの著書の中に、同じような例があるので、それを見てみましょう。
 P40~43に、軌道堤を移動する列車とA・B点に、同時に落ちた落雷を使用して同時性の否定を行っています。  

                   

                  図-6
 ここで、アインシュタインは、「M´いる観測者がB点から来る光に向かっているので、A点の光よりも先に、Bからの光を認めるであろう。」との記述をし、「列車を基準体として用いる観測者は、落雷Bが落雷Aよりも先に起こっている。」と結論付け、「軌道堤を基準として同時である事象は、列車を基準とすると同時ではない。」として同時性の否定をしています。(添付文書)
 では、先ほど見た、電車の光の状況を含めて、同期の状態を見てみましょう。
 A・C・E点が、同一ライン上(?)に、並んだ状態で、光の照射と移動を開始したとします。    

                   

                 図-6
 静止系の観測者と電車の観測者は、時計の同期ができ、棒とともに移動する観測者が、時計の同期ができない原因は、速度Vで移動する電車の棒と観測者は、同期する光に対して、移動はしていません。また、静止系の棒と観測者も同期する光に対して、移動はしていません。同じ系の光に対しては、棒と観測者は、移動しないで観測を行っているのです。
 一方、棒とともに移動する観測者は、(静止系の)光に対して、移動をしているのです。
 この観点からすると、光に対して移動するかしないかで、時計の同期に違いが出ていると考えることができます。
 他の物理現象と同じことが起きているのです。例えば、速度Uのピストルの弾が長さLの棒を移動するとき、棒が静止していれば、L/Uの時間で、端まで到達しますが、棒が、速度Vで移動していると、Δt=(L+VΔt)/U=L/(U-V)の時間がかかるのです。
 系認識ができていれば、当たり前の物理現象なのです。
 静止系に静止した観測者からすると、電車の中の棒と静止系を移動する棒は、同じ速度Vで移動しますが、弾から見ると、電車の棒は、移動していなくて、静止系を移動する棒は、静止系を移動する弾に対して移動しているのです。
 系の錯誤により、光に対する、棒の動きが違うものを運動系の事象としてとらえているのです。
 アインシュタインの考え方では、当然のことながら、他の物理現象とは、時間などの矛盾が生じます。その矛盾を是として、理論構築を行ったのが、「特殊相対性理論」なのです。
 本来の運動系と静止系を比較すれば、ともに、時計の同期ができ、系間で同時性もあることになるのです。
 棒に、座標軸を固着させても、ガリレイ座標系などにはならないのです。
 移動する棒の観測者が、静止系の光を観測した結果を使用して、座標系間で同時刻の否定を行っているのです。
 このアインシュタインの考え方は、ローレンツ因子算出の際の思考実験でも使われています。
 論文のP261~263にかけて運動系kで起こった出来事の場所と時刻を指定する値ε,η,ζ,τに対して、静止系Kを指定する値x,y,z,tとを関係づける連立方程式を求めています。
 x´=x-Vtと置き、時刻τ₀にk系の原点からX軸に沿って放出された光線がx´に向かい、時刻τ₁にx´で反射されて原点に向かい、時刻τ₂に原点に戻った時の時刻を(1)式に引数として代入しています。
 この思考実験は、長さx′の棒の端に、座標軸をつけ、同期を行っている状態と同じことを観測しています。
 光に対して、k系が移動しているのです。        

                 

                 図-7
 このとき、1/2(τ₀+τ₂)=τ₁  ‥‥‥‥‥(1)
がなりたたなければならないとしていますが、(1)式が成り立つためには、棒とともに移動する観測者は、時計の同期を観測しなければ、ならないのです
 そして、同時性の否定では、移動する棒の観測者は、時計の同期ができないとして、同時性を否定したのに、(1)が成り立たなければならないとしています。
 同時性の否定の時と矛盾した事柄を扱っているのです。
 アインシュタインは、関数τの式に、引数を入れ、静止系で光速度一定原理を用い、
 1/2[τ(0,0,0,t)+τ(0,0,0,{t+x´/(C-v)+x´/(C+v)})]
 =τ[(x´,0,0,t+x´/(C-v)] ‥‥‥‥(2)
を求めています。
 そして、この式を展開して、ローレンツ因子を求めています。
 同時性の否定では、同期できないとしたのに、この座標変換では、同期できることにしているのです
 私が、考えると支離滅裂な理論展開を行っているのです。
 光に対して静止しているときと移動しているときで光速度に影響があると考えたとき、問題となるのは、マイケルソン・モーリーの実験結果の扱いです。
 この実験が行われた時代は、エーテル説(固定エーテル)の議論が行われているときでした。下図の場合、静止系を単独で、移動しているような状態です。   

              

               図-8
 固定エーテルを考えたときは、観測者(装置)が単独で、エーテル中を移動していると考えることができますが、実験結果は、固定エーテル説を否定する結果が得られたのです。その時点で、移動エーテル説や、エーテル随伴説など別の考察を行う必要があったのです。
 しかし、実験結果の考察は、固定エーテル説での矛盾を単に、示しているに過ぎなかったのです。
 しかも、縦方向の光路を三角形の斜辺に相当する光の軌跡を使用したのです。(マイケルソン・モーリーの実験結果に関しては、別添資料を参照ください。)
 私が注目した事柄は、マイケルソン・モーリーが、実験を行った場所が、地球に静止した状態で実験を行っている事柄です。
 地球は、宇宙空間で、近似的なガリレイ座標空間と考えられ、そのガリレイ座標空間に静止した状態で、観測を行っていることです。
 図の例で例えると、移動する電車の中で、測定を行っていると考えることができるのです。皆さんは、電車の中の光の状態をどのように考えますか?
 私は、電車の中の波動方程式は、電車の中の媒質によって支配されると考えます。そして、電車の中では、全ての方向の光速度は、Cとして観測すると考えています。
 このような観点からすると(ガリレイ座標空間に静止した状態で測定。)、地球の光の波動方程式を考えたときに、真空中とは、別の波動方程式が存在します。このことを考えると、マイケルソン・モーリーの実験結果は、当たり前の結論が得られたにすぎないのです。
 地球上で、光速度の測定を行って、異方性を観察した報告は、見つけることができないので、全ての方向の光速度は、Cであり、マイケルソン・モーリーが行った考察のような、三角形の斜辺のような、縦の光の軌跡など存在しないのです。(実験の解説書にあるような装置が、観測者に対して、移動した状態など観察できないのです。)
 縦方向の光は、垂直に鏡に向かい、垂直に、検出部分に戻ってくるのです。縦も横も光の移動時間は、L/Cになるのです。
 アインシュタインの考え方の中には、マイケルソン・モーリーの実験結果を 静止系を単独で移動して観測していると考えていたために、マイケルソン・モーリーの実験結果によって生じた矛盾を時間や尺度の変化に結びつけて理論構築を行ったと考えることができます。
 マイケルソン・モーリーの実験結果は、ローレンツらの収縮説やローレンツ変換などを生み出し、また、アインシュタインの特殊相対性理論へと繋がっていったのではないかと考えられます。
 次の章では、光速度不変原理と大きなかかわりがある波動方程式のガリレイ変換について、見てみましょう。


2.波動方程式は、ガリレイ変換で不変であってはならない


 波動方程式は、ガリレイ変換で不変では、ありません。これは、運動系の波動を観測したときに、ドップラー効果と同じような現象が生じ、振動数と移動速度に変化が生じるので、当たり前の結論なのです。
 この波動方程式が不変でないことと、光速度を結び付け、他の系の光速度を真空中で観測したときに、Cとしている考え方は、誤りなのです。 
 水に発生する波・電線を伝わる交流電流及び、音などは、波動方程式として表すことができます。(「FN高校の物理」 波動方程式と一般解・「物理Tips」波動方程式とガリレイ変換について KENZOU)
 波について、波動方程式が、なぜガリレイ変換で不変にならないかということと速度の関係について、図を使いながら説明をします。
 静止系に静止した水槽と静止系を速度Vで移動する水槽及び、速度Vで移動する電車の中に、水槽があったとします。
 各水槽に同じ方法で同じ波を生じさせ、電車と水槽を速度Vで移動します。     

                  

                 図-9
 静止系の観測者が、観測する静止系に静置した水槽の波動と電車の中の観測者が観測する電車の中の水槽の波動は、同じものを観測します。
 波の頭頂間の距離をLとし、波の移動速度をUとすると、静止系と電車の中の観測者は、A・B点を単位時間に通過する頭頂部の数(振動数ν?)を
  ν₀=U/L
として観測します。
 一方、静止系の観測者は、静止系を移動する水槽と電車の中の水槽の波の頭頂部が、B点を通過する数ν₁
  ν₁=(V+U)/L
を観測します。
 単位時間当たりに観測する振動数が、静止した状態の波と違うものを観測するのです。
 一種のドップラー効果が生じているのです。
 ガリレイ変換した状態は、静止系での観測結果を表していますので、波動方程式をガリレイ変換しても不変にはならないのが、当たり前の事柄なのです。
 移動速度と振動数が違う波を観測しているのです。


 静止した音の伝搬状態を見てもその状態がよく分かります。    

                     

                 図-10
 静止した観測者は、スピーカの音の本来の波動方程式を観測し、音速度も通常の速度Uを観測します。 また、観測する周波数も通常のU/Lを観測します。
 しかし、速度Vで移動する観測者は、周波数は、(V+U)/Lを観測し、音速度も U+Vを観測するのです。
 当然のことながら、静止した観測者と移動する観測者では、違う状態の波を観測しているのです。
 静止した観測者と移動する観測者が観察する音の波動方程式は、当然のことながら違ってきます。
 そして、伝搬速度は、移動する観測者の影響を受けるのです。
 ガリレイ座標変換とは、移動する座標系の事象を静止系に置き換えることで、運動系の事象を静止系で観測した状態を表しています。(?)
 波動方程式は、状態式(?)のため、ガリレイ変換をした時に、振動数の違う波を観測しているので、不変になることなど、起こりえないのです。
 しかし、伝搬速度に着目すると、系の移動速度の影響を受け、ガリレイ座標変換する(?)と、伝搬速度は、U±Vになるのです。
 光についても同じような現象が起きていると考えられ、波動方程式は、ガリレイ変換で不変ですが、伝搬速度は、C±Vになると考えられます。         

                                図-11

 光速度は、系内の速度はCですが、他の系から観測すると移動速度の影響を受け、振動数が変化し、移動速度の影響を受けた速度として観測されるのです。


3.ミンコフスキー時空図の矛盾
 時空図の矛盾は、本来の時空図とアインシュタインが提唱する時空図の比較をすると明確になるので、見てみましょう。  
 矛盾を見る前に、静止系で観測する動く点や棒の時空図を見てみましょう。
 静止系に、A点が静止していたとします。静止系の時刻t₀に、A点が速度Vで移動したとします。時刻t₁に、A点は、Vt₁移動します。    

                     

                図-12
 この時の時空図を作成すると、図-12のような図になり、時刻t₁の線とA点の世界線の交点より、垂線を下ろして、X軸との交点が、A点の移動距離を示しています。
 この関係は、どこの位置の点に関しても同じ図が描けます。(静止系の時刻t₀からt₁の間に、X軸上を速度Vで移動する点は、どこにあってもVt₁移動します。)
 この事柄は、物理法則の大前提と考えられます。
 次に、長さ2Lの電車の一片をX´軸とし、図のようにLずつ離れた点をA・B・Cとし、電車を速度Vで移動します。
 この時、A・B・C点に対応した地上の点をD・E・Fとします。         

                  

                 図-13
 この時の各点の時空図を作成してみましょう。        

          

                 図-14
 各点は、時刻t₁でVt₁移動し、時刻t₂でVt₂移動します。この図に示したブルー色の四角は、その時間の電車の移動状態を示しています。
 そして、紫色の線は、静止系の同時刻線となります。
 この状況は、静止系の運動法則を考えても当たり前の状況で、時間t₁でのA・B・C点の移動距離はすべて等しいことを表しています。
 次に、静止した電車に、長さLの光時計ABとBCを図のように設置し、時刻    t₀(τ₀)で光時計の両端から光を照射し、電車を速度Vで移動します。        

                            図-15

 最初に、電車で移動する観測者Oが観測する時空図を作成します。
 光は、特殊相対性理論で扱われている方法にしたがって、光の世界線として描きます。 光は、A・B・C点から直接出ています。        

           

                 図-16
 観測者Oに対して電車は、移動していませんから電車を静止系としてみることができます。 各光時計の光は、各端に、L/C時間後に同時に到達するのを観測します。
 この時、A・B・Cに対応した地上のD・E・F点は、電車に対して移動していることになり、運動系のL/Cの時間に各点は、VL/C移動します。
 電車も、運動系のL/Cの時間で、地上の各点に対してVL/C移動していることになります。
 次に地上の観測者Pが、観測する時空図を静止系に光速度不変原理を適用して、作成します。
 静止系に光速度不変原理を適用したので、運動系の光は、地上の光と同じとみなすことができるので、地上の各対応点から光を照射したとして作図を行います。    

                

                  図-17
 静止系の時刻t₀で光の照射と電車の移動を開始した状態図は、図-17のような時空図として表せます。
 この赤の光の世界線が、静止系に光速度不変原理を適用し、時刻t₀(τ₀)で照射と移動を同時に行ったときの世界線になります。
 光の世界線と点の世界線の交点は、静止系の時間L/(C-V)とL/(C+V)で交差しています。
 この時間の差は、光に向かって移動しているから、早く光に、到達し、光から遠ざかった時は、遅く光が到達することを示しているにすぎないのです。
 この時間で起きている現象は、L/(C-V)の時は、各点すなわち電車は、VL/(C-V)移動し、L/(C+V)の時は、電車は、VL/(C+V)移動していることになります。
 運動系で、各点に光が届いた時間は、τ₁=L/Cで、移動距離は、VL/Cで、一つの時間と一つの事象ですが、静止系で観測すると、光の到達時間が二通りあり、移動距離も二つある事が判ります。
 光時計の光が各端に到達したとき、運動系で観測される電車の移動距離は、VL/(C-V)ですが、静止系では、二つの距離になってしまうのです。
 これは、運動系の光に、光速度不変原理を適用したことにより、正しく運動系の光を表せなかったために起きている現象と考えられます。
 私は、静止系に光速度不変原理を適用した光は、運動系の光を正しく反映できていないために起こった現象と考えますが、特殊相対性理論の世界では、一点から出した光の考察のみで、観測者Oに対してA・C点の世界線と光の世界線の交点を同時事象とし、緑色の線を同時刻として、理論展開を行っています。
 特殊相対性理論で考えられている時空図を見てみましょう。   

                 

                  図-18
 特殊相対性理論で扱われている時空図は、同時刻線に平行に、X´軸を描き、各点の世界線の交点から光が出るような、状態図になります。
 X′軸が傾くということは、電車が、図-18の黄色の四角に示した状態になっていることを表します。
 静止系の時刻L/(C+V)の時、電車の先端と後端の位置は、どうなっているのでしょう。
 静止系の運動法則を考えたとき、各点の運動法則より、X軸に、平行な移動状態になります。
 X′の軸が傾くということは、静止系を移動する点の運動法則が、普通の物理法則とは、違う状態になることになるのです。
 静止系の時刻t₀に移動を開始した点の運動法則は、位置が違うと変化してしまうのです。(電車を点の集合体と考えると)
 時刻τ₀(t₀)で、静止系に光速度不変原理を適用した光は、図-17に示した光の世界線です。
 図-18の世界線を見ると、E点より出た光は、図-17の光の世界線と一致しますが、ピンク色の世界線は、一致しません。
 D・Fから出た光は、軌道堤に落ちた雷と同じです。雷の時は、同時に中点に届かないとして同時性を否定したのに、アインシュタインが提唱した時空図上では、同時に届くことになり、理論の矛盾が見られます。
 ピンク色の世界線は、静止系に光速度不変原理を適用した光ではないことになります。
 静止系の観測者は、静止系に、光速度不変原理を適用したときに、ピンク色の光の世界線など観測する事ができないのです。
 これは、何を意味しているのでしょうか?
 運動系の光に、光速度不変原理を適用した光では、運動系の光の状態を静止系に反映できていない状態で、観測する光も一点の光しか考察しなかったので、光の到達時間に矛盾が生じ、その矛盾をそのままにして理論展開を行ったために、このような光の世界線が生まれたのです。
 ピンク色の世界線は、静止系に光速度不変原理を適用した光でなく、まるっきり別の光の世界線なのです。
 また地上のD点の時刻に注目すると(電車が完全弾性体でできていて、速度Vで移動する別の電車が衝突したときに、光時計を動作させたとします。)D点の時計の時刻は、 t₀になった瞬間に、過去の時刻になるのです。
 A点の変数(x′,t′)を(-L,0)としてローレンツ変換すると、
  t=-γVL/C² となります。
 静止系の時計の時刻t=0が、瞬時に過去の時刻t=-γVL/C²となり、静止系の過去から光が出た状態になるのです。
 静止系の時計の時刻が、過去の時刻に瞬時になるのです。( ゚Д゚)
 また、F点の光は、静止系の時刻t₀に照射されずに、γVL/C² に、照射されるのです。
 運動系の時刻が、変化するのではなく、静止系の事象が、変化してしまうのです!!!!!( ゚Д゚)
 静止系の同時刻の事象(時刻t₀で、D・E・F点より光を照射する。)が、X′軸が傾いたことにより違った時刻の事象になってしまうのです。
 物理学者の皆さんは、疑問に感じないのですか?
 私は、運動系の光に、光速度不変原理を適用できないと考えています。


4.ローレンツ変換について
 ローレンツ変換に関しては、速度不変原理を定義すれば、速度がCでもDでもEでも成り立つ数学式なのです。
 ある学者が、光速度より早い宇宙波(速度D)なるものを発見し、宇宙波速度不変原理なるものを提唱したとします。
 この時、「運動物体の電気力学」に記載されている方法と同じような手法を用いて、計算をした時、
  γ=1/√{1-(V²/D²)}
  t′=γ(t-Vx/D²)
  x′=γ(x-Vt)
が計算でき、この仮想空間では、時間の遅れや移動物体の収縮が、起き、Cと同じように、矛盾のない仮想空間ができるのです。
 速度不変原理を定義すれば、C以外の速度でも成立してしまう変換式なのです。
 ローレンツ変換では、静止系に光速度不変原理を適用したときに、静止系で、いくつかの点から同時刻に照射した光が、同時刻に照射したことにならなくなってしまう現象が起きる矛盾を含んだ変換方式なのです。
 物理学者の皆さんは、矛盾を感じませんか?


5.運動系の光は、虚像だった。


 皆さんが、夜空に、高速度Uで移動する流れ星を見たときに、観測されるものが、光だから、「流れ星の移動速度はCである。」としますか?
 別の系の光の軌跡は、流れ星に相当するもので、光そのものを直接的には、観測していないのです。
 静止系の観測者Oが観測する光は、全て、観測者に向かってくる光で、地上の光は、光路に機器を設置すれば、直接的に速度を計測できますが、図に示したような、電車の中の横方向の光は、静止系の観測者が、直接機器を置いて測定することはできず、間接的に測定するしか方法がないのです。
 そして、静止系から運動系の光の速度(横方向の光の速度)を測定したことは、いまだかってないのです。     

                

                 図-19
 アインシュタインの考え方は、マイケルソン・モーリーの実験結果や、波動方程式が、ガリレイ変換で不変でないことなどから、真空中の光速度はCとし、運動系の光に、静止系に光速度不変原理を適用し、理論の構築をしようとしました。
 しかし、今まで示したように、運動系の光と静止系の光を別々に考察すると、光速度不変原理を適用した光では、時間の概念(一つの時間が、無数の時間として計測される。)や物理現象(移動距離)に矛盾が見られ、運動系の光に静止系で光速度不変原理を適用できない事が判りました。(運動系の光と静止系の光は、別のものである。)
 そこで、この章では、他の系の光がどのように見えるかを見てみましょう。
 この章では、XY・X´Y´座標を使用して、説明を行いますが、この座標系が、どのようになっているかを明確にしておきます。そして、静止系の光を考察します。このようにしたほうが、皆さんがよく理解できると思います。
 静止系に1台の電車が、静止した状態で、止まっています。その角を原点とした座標軸を作ります。そして、電車の前後は、光を遮蔽する金属でできていると考えてください。(静止した電車の前後には、光の波動方程式が、適用できない状態。)       

                

                 図-20
 その静止した電車の光をもう一台の移動する電車(観測者Pが乗っている)で観測したとします。
 そして電車の距離は、数メートル以上離れているとしてください。         

            

               図-21
 観測者が観測する光は、全て、観測者に向かってくる光で、この状態で、静止系の光を観測していることを念頭において、次の光の観測結果を見てください。(座標軸の係数が変ですが、ほかの図をたくさん書いてあるのでこのまま使用します。)
 静止した電車に、ライトが図のように置いてあります。
 観測者Pが乗っている電車が、速度Vで移動したとき、観測者Pは、Δτ時間後に、図のような光の軌跡を観測します。     

     

                 図-22
 観測者Pが観測した光の軌跡は、静止系の電車外に存在するように観測します。
 実際には、ライトは、なにも移動していないので、見える光の軌跡は、観測者Pが移動したことにより見える虚像です。
 実際に、このような光を観測したとき、電車のスピードが遅いときは、観測できませんが、速いときは、このような軌跡を残像としてとらえることができます。
 また、ライトが一瞬だけ光った時は、ライトが光った状態を観察します。(直線的ではなく点として)
 この光の虚像は、観測者Pが移動したことにより生じた像で、光が光っているときの運動系と静止系の相対的な位置を維持した状態で、像を認識するために見える像なのです。

          

                図-23
 皆さんが、電車の窓から外の景色を見たときに、外の景色が移動しているように、感じると思いますが、またライトが線を引いたように移動しているのを観測したことがあると思います。それと同じようなことが起きているのです。
 次に、光の移動についてみてみましょう。
 静止系の原点より、垂直にL離れたy´に光を照射したとします。          

          

                図-24 
 静止系の時刻L/C時間後の運動系で観測される状態を見てみましょう。     

                

               図-25
 運動系の観測者は、ピンク色の光の軌跡を観測します。
 特殊相対性理論の中では、このピンクの軌跡に、光速度不変原理を適用し、移動時間を計算しています。
 この時の、各電車の位置関係を明確にしてみましょう。  

              

               図-26
 位置関係を見ると、運動系の観測者が、観測する光の軌跡は、図-26に示すように、光も何もない静止系の位置から光が照射されたような、状態になっているのです。
 ZZ´間には、静止系の光は存在しません。Oが、光を確認できない領域なのです。
 運動系の観測者が、観測する図-25のような光の軌跡は、虚像なのです。
 観測者が観測する光の実像は、光が光っている瞬間(Y₀軸上の光)の像だけなのです。
 特殊相対性理論の世界では、この虚像の速度をCとして、時間の遅れを算出しています。 移動によって生じた虚像の速度が、Cなのでしょうか?
 この確認のために、横方向の光を考察してみましょう。   

                    

               図-27
 静止系の原点より、L離れたx´に光を照射し、この時、運動系の観測者が観測する光の状態をΔt/2時間後(Δt=L/C)の状態で見てみましょう。   

                    

               図-28
 この図で、運動系の観測者が観測する軌跡の実像部分は、先端部分だけで、あとは、系の移動によって生じた虚像なのです。
 次に、Δt=L/C時間後の状態図を見てみましょう。       

              

               図-29
 運動系(Y₁系)で観測される軌跡の長さに注目すると、Y₀Y₁間の軌跡の生成速度は、Vで、Y₀から右側の生成速度は、Cである事が判ります。
 軌跡の長さ(移動距離)をDとすると、
  D=(C+V)Δτ
となります。
 この関係より、軌跡の速度は、D/Δτ=(C+V)となり、一般のボールなどの移動速度と同じようなガリレイ則(?)に従うことが分かります。
 速度C/2(U)のガリレイ則(?)に従う弾丸を仮定して、光の状態図と比較してみましょう。     

                

               図-30
 弾丸も光もY₀Y₁間の軌跡の速度は、移動速度Vに依存し、Y₀より右側は、物や光の速度に依存しているのが分かり、光も他の移動体のような物理則に従うことが分かります。
 運動系の事象を静止系で観察するのと静止系の事象を運動系で観察することは、表裏一体の関係なので、運動系の事象を静止系で観察しても同じことが言えます。
(運動系の光を観察すると光が出た位置から移動しているので、あたかも最初の位置から波動方程式を適用できると考えることができるため、混乱を避けるため、静止系の光の観察をしています。)
 以上の観察から光の移動速度も一般の物理則と同じように、系の移動速度との合成則なのです。
 アインシュタインが、定義した、光速度不変原理(静止系に光速度不変原理を適用する)は、誤りであることが判明しました。
 この光速度不変原理を基礎にして展開された「特殊相対性理論」も虚構の理論である事が判ります。
 運動物体の時間の遅れも収縮もローレンツ変換も虚構の理論なのです。


添付資料 1 系の錯誤
 皆さんは、運動する物体は、「運動系」と考えている方がいると思います。私も最初は、「運動系」と考えていました。
アインシュタインは、「特殊及び一般相対性理論について」(金子 務 訳)の中で、座標系とガリレイ座標系について言及しています。
 アインシュタインの考え方では、棒や電車(剛体)に固着した座標軸を考え、この剛体が等速度で、直線的に移動していると、固着した座標軸をガリレイ座標系としています。
 この考え方では、ある特定な空間を静止系と運動系の空間が、同時に共有することが可能になります。
 移動する棒に沿って移動する光は、静止系の光にもでき、運動系の光にもすることができるのです。      

                   

                図-1
 この考え方は、同時性の否定で使った棒や、ミンコフスキー時空図の説明で使われた点の移動でも使われています。
 棒や点とともに移動する観測者がいると別の系の扱いになっているのです。
 しかし、下記のような考察をすると、運動する物体や棒・点に座標軸をつけても、完全なガリレイ座標系には、ならないのです。
 それでは、このことについて考察してみましょう。
 地上(空気の存在下)を枠だけでできた電車と密閉された普通の電車が、速度Vで移動しているとします。
 各電車の室内の観測者が、ボールを自然落下させると、図-2に示すように、枠だけでできた電車では、ボールが、放物線を描いて落下します。
 一方、普通の電車では、ボールは、観測者の足元に垂直に落下します。
 地上(軌道堤)にいる観測者が、ボールを落下させると、観測者の足元に垂直に落下します。
 地上と同じ運動法則になっているのは、普通の電車の室内のみです。
 普通の電車の室内だけが、ガリレイ座標空間なのです。
 普通の電車の窓から手を外に出し、ボールを落下させると、ボールが、放物線を描いて落下します。
 窓の外や、枠だけでできた電車の周りの空間は、静止系の空間なのです。     

                    

                  図-2
 枠だけでできた電車や、棒に座標軸をつけても、周りの空間は、ガリレイ座標系にはならないのです。
 ガリレイ座標空間は、限られた範囲(密閉された室内)でしか存在しないのです。
 枠だけでできた電車の観測者が、静止系の空間の事象を観測すると、普通の電車に乗っている観測者と同じ事象を観測します。
 また、枠だけでできた電車が金属でできていたとして、この金属を伝わる振動(音)や熱の伝搬速度は、普通の電車の室内に置かれた金属と同じ伝搬速度になっています。
 しかし、枠や棒だけで、周りの空間は、静止系の空間なのです。
 その観点からは、枠だけでできた電車は、疑似的な運動系といえるかもしれません。
 今の議論は、空気存在下の議論でしたが、真空中のガリレイ座標空間の関係と空気存在下のガリレイ座標空間の法則は、同じと考えられるので、この法則は、すべてのガリレイ座標系に適用できると考えています。
 本文を書いていて気が付いたのですが、ガリレイ座標内のある事象(物や光の移動)に対してガリレイ座標内で、静止した状態で観察した事柄が、ガリレイ座標内の運動法則を代表する事柄で、ガリレイ座標中を移動した観測者が、観測した結果は、別の系から観測した静止系のガリレイ座標を代表する事柄ではないのです。
 そして、静止したガリレイ座標を移動する観測者の静止系の事象の観測結果で、運動系の事象とすることなどできないのです。
 アインシュタインが考えたような、ある空間を同時に共有することなどは、ガリレイ座標系を考えたときにありえないことなのです。
 棒に沿った光を考察したとき、この考え方では、どちらの光にもなりうるのです。
 アインシュタインは、「運動物体の電気力学」の中で、棒に沿った光を利用し、静止系に光速度不変原理を適用し、同時性の否定を行っています。
 静止系の光を観測者が移動して観測しているのです。電車の観測者は、電車の中の光に対して移動していません。
 ガリレイ座標系の考え方を間違ったために、運動系の事象でなく、静止系の事象をただ単に、考察していたにすぎないのです。


添付資料 2 特殊及び一般 特殊相対性理論について

    

    

   

   



添付資料 3 マイケルソン・モーリーの実験結果とローレンツ収縮(変換)について


 「特殊相対性理論」の考え方が出現するまでは、エーテル理論がありましたが、マイケルソン・モーリーの実験結果から、固定エーテル説が否定され、様々な考え方が出てきました。(フィーゾーの随伴説が、すでに出ていたかもしれません。)
 「固定エーテル下での運動物体の収縮説」「エーテル移動説」「エーテル随伴説」です。
 「固定エーテル下での運動物体の収縮説」(ローレンツ・フィッツジェラルド収縮)を見てみましょう。
 マイケルソン・モーリーの実験結果は、当時、考えられていた固定エーテル説によるエーテル風の影響(C±V)を否定する実験結果が得られました。
 そこで、固定エーテル説に固執するローレンツらは、移動する物体は、収縮するとして、横方向の収縮を考え、固定エーテル説によるエーテル風の影響(C±V)があってもマイケルソン・モーリーの実験結果が得られるような理論を打ち出したのです。
 この理論は、ローレンツ収縮といわれ、ローレンツ変換も導き出されたようです。
 しかし、ローレンツ変換の導入方法に無理があったみたいで、広く受け入れられませんでした。(この導入方法を調べてみましたが、見つかりませんでした。)
 そこで、アインシュタインが、光速度不変原理の考え方から、同じローレンツ変換を導き出し、その考え方が広く受け入れられ、現在に至るのです。
 「FN高校の物理」を特殊相対性理論やエーテル理論の参考として読んでいたところ、参考文献に 「マイケルソン、モーリー著 “地球と光エーテルとの相対運動について”(1887年)」
http://fnorio.com/0135Michelson_Morley_1887/Michelson_Morley_1887/Michelson_Morley_1887_J.html
があり、解説がしてありましたので読んだところ、間違いの源は、この著書にある事が判りました。
 マイケルソン・モーリーの実験と考察部分を見て、説明をしてみましょう。
 マイケルソン・モーリーの実験装置は、図-1に示すような装置で垂直方向と横方向の装置を360度(22.5度ずつ)回転させ、光が往復する光路の長さの差(時間差)で、干渉縞の変化を観測し、エーテル風の影響を調べようとしたものです。     

                  図-1(FN高校の物理より引用)

 装置を90度回転したとき、垂直方向と横方向が逆転し、エーテル風の影響があれば、干渉縞の移動が観測されると予想されていました。しかし、干渉縞の変化は、観測されませんでした。
 装置の観測状態を簡略化すると図-2のようになります。    

           

                図-2
 Sから入った光は、aにあるハーフミラーでbcの光に分けられ、鏡で反射された光をd点で観察し、干渉縞の移動を調査したものです。
 しかし、マイケルソン・モーリーは、考察で大きなミスをしていたのです。
 光の光路の考察で、図-3のような考察を行っていました。            

                            図-3

 装置が移動するような考察を行っているのです。
 マイケルソン・モーリーが実験を行っているとき、装置は、移動しない状態で、観察しているのです。
 装置が移動した状態は、別の系から、物事を考察した状態になります。(FN高校の物理でも同じような考察が行われていました。)
 静止して観測したときと違った観測結果が得られる可能性があります。
 そして、斜めに移動する軌跡の長さを光路とし、縦方向の光の移動時間を
  t₀=2D√{1-(v²/C²)}/C   D:装置の長さ v:地球の移動速度
としています。
 この時間に対して、横方向の光の移動時間は、
  t₂=D/(C-V)+D/(C-V)=2DC/(C²-V²)
となります。
 ローレンツらは、固定エーテル説に固執したため(?)、横方向を収縮させれば、同じ時間になるという発想から、この値に対する収縮を考え、ローレンツ収縮が出てきたのです。
 しかし、マイケルソン・モーリーの実験は、観測者に対して装置は、移動していません。どこから見た状態で考察を行っているのでしょう?
固定エーテル下の装置と光の状態を考えるとき、絶対静止系の光の挙動を考えればわかる事です。それを見てみましょう。
 絶対静止系(固定エーテル)のa点からb点に向けて光を照射すると、必ず、b点に到達します。
 装置のA点(絶対静止系のa点)より、B点(絶対静止系のb点)に向けて光を照射すると、装置は移動しても、固定エーテル下では必ず、ab点のライン上を移動し、b点に到達します。
 絶対静止系から見たとき、装置は、エーテル中を移動します。(図-4)      

                  

                図-4
 地球で観測したとき(装置が動かないとき)にどうなるかを見てみましょう。    

               

               図-5
 エーテルを移動する光は、ab点を移動しているので、光行角差が起きている状態と同じ現象が起きているのです。
 図は、分かるように大げさに書いてありますが、実際には、光速度が、非常に速いため、このずれは、ほとんど観測できないくらいのずれでしかありません。
 斜めの軌跡は、虚像ですから、光の移動時間は、2L/Cとなり、マイケルソン・モーリーが考察した時間2D√1-(v²/C²)/Cとは、違った値になります。
 この間違ったマイケルソン・モーリーの実験の考察結果が、ローレンツらの提唱したローレンツ収縮・ローレンツ変換につながり、最終的に、アインシュタインの特殊相対性理論につながっているのです。
 間違いの源は、マイケルソン・モーリーの実験結果の考察にあるといっても過言では、ありません。
 縦方向の光の考察を間違えなければ、ローレンツ収縮もローレンツ変換も導き出せなかったのです。
 当時、エーテル理論が、議論されていましたが、観測した状態(地球という近似的ガリレイ座標系中に静止した状態での観測)を考慮し、電磁波の伝搬を考えると、当たり前の結論(どの方向の光速度もCとなる。)を実験で確認したにすぎないのです。
 この実験の考察をどのように考えるかは、光の伝搬法則に関して非常に重要な役割を持っていると考えます。
 縦方向の移動時間が、2L/Cと2L√{1-(v²/C²)}/Cでは、全然違う結論が得られるからです。


添付資料 4 エーテル(媒質)に関する実験について


 1800年代中頃から1900年代初頭における、エーテルの移動速度による影響を光の移動状態で調査して、固定エーテル説・エーテル移動説・エーテル随伴説についての考察が行われていました。
 この数々の実験においても、矛盾が見られたので紹介します。
エーテルに関する実験結果は、「FN高校の物理」の「フィーゾーが運動媒質中の光速度(随伴係数)を測定した方法(1851年)」
http://fnorio.com/0132Fizeau_1851/Fizeau_1851.html
にまとめてありましたので、ここに記載されていた事柄等についてみてみましょう。
 エーテルの移動速度による影響は、「エーテル固定説」、「エーテルの完全移動説」、「エーテル随伴説」がありました。
 ここで、地球の観測者が、観測する各説の光の状態(速度)を明確にしておきましょう。  

         

               (α=1/n²)
                 図-1
 固定説では、エーテルの中を地球が移動しているので、大気中でもエーテル風の影響を受け、移動速度に見合った速度の影響を受け、地球の観測者は、移動方向の光速度をCa±Vとして観測します。
 移動説では、エーテルが地球の大気とともに移動しているので、観測者から見ると大気中のエーテルは固定した状態になり、大気中で観測される光速度はどの方向もCaとなります。
 随伴説では、観測者から見ると、エーテルは、Vより小さい速度で移動し、移動方向の光速度は、Ca±αVとなります。
 次に、縦方向の光の移動状態を見てみましょう。     

   

                   図-2
 固定エーテル説では、大気圏も大気圏外もエーテルは、速度Vで移動するため、縦方向の光は、図中の点線(太)として観測されます。移動方向が、逆の場合は、この点線の角度も逆になり、観測される角度にずれが生じます。
 エーテル移動説では、地球の大気中でエーテルは、移動しませんが、真空系に対して、大気のエーテルが速度Vで地球と同じ方向に移動しているため、ちょうど、移動する車のサンルーフに降る雨を室内で観測するように、大気と外界の境界面で観測される光行差角が大気中でもそのまま観測されます。(実際には、屈折や、大気の状態変化等で、もっと複雑になっているかもしれませんが、大筋では、このような進み方をすると考えています。)
 FN高校の物理でエーテル移動説では、光行差角の説明ができないとしていましたが、大気と真空の境界面の現象を考えると光行差角の説明はつくのです。
 随伴説では、地球に対して、大気のエーテルはαVで移動し、真空系のエーテルは、Vで移動します。真空に対して大気のエーテルは、速度V-αVで移動します。境界面では、V-αVに見合った光行差角が観測され、その角度の光が、大気で観測されますが、大気のエーテルが、αVで移動しているため、真空と大気によってできた光行差角の光が平行移動したような光行差角の光軌跡(点線)を地上で観測します。


 この事柄を念頭に置き、「FN高校の物理」に記載されている実験を見てみましょう。


[ フィーゾーの実験]


 フィーゾーの実験は、媒質の移動速度が、光速度に与える影響を調査したものです。 

     

             図-3(FN高校の物理より引用)
 図のような装置を使用し、光は、二つの光路に分けられ、それぞれ逆の水流を通り、
検出部で、できる干渉縞を測定して水流(空気)の影響を調査する装置です。
 水を移動させることにより、干渉縞が移動し、その移動距離より、各説の考察を行っていました。
 考察においては、図-1のように、地球の移動速度を考えないで、光の進行方向に対して、同じ方向の水流を一つにして議論が行われていました。     

     

                  図-4
 エーテルの議論を行うのに、地球の移動速度によるエーテルの影響を無視して、議論が行われているのです。
 当然のことながら、得られる結果も違うことが予想されます。
 ここでは、詳しい議論は行いませんが、フィーゾーの実験結果については、見直しが必要と考えられます。
 フィーゾーの実験において、一つだけ有力な知見が得られています。
 それは、水では、干渉縞が移動したのに、空気では、干渉縞が移動していないことです。これについては、私の仮説も含めて後に説明したいと思います。


[ 随伴説によるボスコビッチ提案の光行差実験]


 光行差角の測定で、望遠鏡に水を満たしたときと、入れないときの光行差の測定をし、 水を入れても、入れなくても光行差角に変化は、現れませんでした。     

    

            図-5(FN高校の物理より引用)
 光行差角に関しては、図-2に示したように、大気と真空系の境界面の挙動を考慮する必要があります。
 FN高校の物理では、エーテル移動説では、光行差角の説明ができないとしていましたが、境界面の挙動を考慮すると、説明ができ、水を入れたときに、角度に変化が起きない唯一の理論と考えられます。


[ヘックの実験]
 ヘックが用いた装置は、下図に示すようなもので、ハーフミラーで、二分割された光線は光路1と光路2を通り、検出部に到達し、できる干渉縞を観察しています。
 この装置を180°回転したときに、エーテル風の影響により、光路の長さ(通過時間)が変わるので、干渉縞に変化が起き、その変化よりエーテルの影響を調査したものでした。       

                  (FN高校の物理より引用)

                 図-6
 しかし、回転後も干渉縞の変化は見られませんでした。そして、FN高校物理では、エーテル移動説を否定し、随伴説で説明がつくとしていました。
 しかし、次のような考察を行うと、エーテル移動説では、干渉縞の移動は、絶対に起きないのです。
 回転で影響する光路部分は、ABとCD部分です。エーテル移動説でのこの部分の状態を見てみましょう。
 ここで、Ca:空気中の光速度   Cw:水中の光速度     

                

                 図-7
 回転する前と後での光路の速度変化がないので、各光路の移動時間も変わりがなく、回転前後の光路長も変化がないので、干渉縞は絶対に変化しません。
 エーテル移動説は、地球とともにエーテルが移動し、地球の観測者の周りはエーテルが固定した状態になります。
 しかし、FN高校物理の計算式では、水だけに、エーテルが移動するという考え方で、空気はエーテル風の影響を受けるとして計算を行い、移動エーテル説では、干渉縞が移動するとして、エーテル移動説では、この現象を説明できないという見解を示していました。
 FN高校の物理の記載内容の一部をそのまま転用します。 

         

 この赤線の部分は、明らかに空気に対するエーテル風の影響を考えた数式になっています。
 エーテル移動説の本来の考え方からすると、この部分のVは、存在しないので、経路(光路)の差はなくなり、干渉縞は、観測されないことになり、エーテル移動説で説明がつき、唯一、光路差の変化がない説なのです。
 随伴説のこの部分の状態を見てみましょう。          

                       図-7

 随伴説では、回転前後で、速度の変化があり、光路長の長さが変化します。
 この変化が、干渉縞の移動に寄与するかどうかは、実験装置の精度の問題ですが、精度が良ければ、干渉縞が生じるのです。
 以上の事柄をまとめると、エーテル移動説で説明がつく事柄としては、
①  ボスコビッチ提案の実験
②  ヘックの実験
および、マイケルソン・モーリーの実験があげられます。
 しかし、フィーゾーの実験における、空気の移動により干渉縞の説明は出来ません。
 エーテルの移動はどうなっているのでしょうか?
 私は、ある仮定をしてみました。この事柄が真実を表しているとは考えてもいませんが、可能性があるのではと考えています。
 実際に、あるかどうかは、わかりませんが、エーテルを透過させない(させにくい)重金属のような物質があったとします。
 この物質で囲まれた電車が速度Vで移動したときの室内の空気の中の光速度と電車の中の空気を速度Vで移動したときの光速度に違いがあるのではないかということです。  

         

                  図-8
 周りの壁が、エーテルを透過しないので、中にあるエーテルは、壁により引きずられてそのまま移動し、エーテルは完全に移動します。
 一方、電車の中の空気が動く場合は、エーテルは、空気とともに、完全には、移動しないのではないかと考えています。
 当然のことながら、その中の光の速度は違ってきます。
 では、地球を見たときにどのようになるかと考えると、オゾン層・電離層・バンアレン帯・プラズマ圏・地磁気・重力など、地球環境には、様々なものがあり、これらの事柄の相乗作用等で、エーテルが地球とともに移動しているのでは、と考えています。
 これは、あくまでも私の想像です。
 エーテルの存在や挙動についての確認は、「宇宙空間を移動するロケットの室内と室外での観測等のさらなる実験が必要なのでは?」と考えています。
 エーテル理論に関しては、見直しや新たな実験をする必要があると思われます。



 私は、物理学者ではないので、私ができることは、このブログの内容を多くの物理学者の皆さんに見ていただき、その結果として「特殊相対性理論の矛盾」が、訂正される
ことを願っているだけです。
 私と同じように「特殊相対性理論」に矛盾を感じた方は、多くのご学友やご同僚とこのブログの内容について議論していただき、より多くの物理学者の皆さんに、この矛盾を認知していただきたいと願っています。


 皆さんのご意見、反論をお待ちしています。

新「特殊相対性理論」の矛盾 総集編(補強説明)  

(「特殊相対性理論の矛盾」に関しては、新たな知見を加え、非常にわかりやすく最新版のブログ『20世紀最大の物理学者の過ち』(2019/08/03)https://yoko3210go.muragon.com/entry/68.htmlにまとめてあります。
 なぜ、「波動方程式は、ガリレイ変換で、不変でないのか。」(ドップラー効果で、振動数と移動速度が変化している。)など、矛盾の本質を突いたまとめを行っています。
 上記ブログを読んでいただければ、よく理解いただけると考えておりますので、このブログよりも先に、上記ブログを読んでいただいたほうが、矛盾が明確になると考えられます。)


光速度不変原理の明確な矛盾


 波動方程式は、ガリレイ変換で不変ではありません。
 この事柄は、当たり前の事柄なのです。なぜならば、他の系の波動は、ドップラー効果(?)のために、静止系で観測する観測者は、他の系の波動を静止系の物とは、違った形で観測するからです。
 ガリレイ変換は、他の系の事象を静止系などに、座標変換する手法ですが、移動しているために、元の形とは違う波動(移動速度が違うなど)として変換されるのです。
 他の形の波動として観測するのに、ガリレイ変換で不変になるはずがないのです。
 この事柄を図で示しながら説明します。
 静止系に静止した水槽と静止系を速度Vで移動する水槽及び、速度Vで移動する電車の中に、水槽があったとします。
 各水槽に同じ方法で同じ波を生じさせます。     

              

                  図-1
 静止系の観測者が、観測する静止系に静置した水槽の波動と電車の中の観測者が観測する電車の中の水槽の波動は、同じものを観測します。
 波の頭頂間の距離をLとし、波の移動速度をUとすると、静止系と電車の中の観測者は、各系に静止した水槽が、単位時間にA・B点を通過する頭頂部の数(振動数ν?)を
  ν₀=U/L
として観測します。
 一方、静止系の観測者は、静止系を移動する水槽と電車の中の水槽の波の頭頂部が、B点を通過する数ν₁を
  ν₁=(V+U)/L
として観測します。
 単位時間当たりの観測する振動数が、静止した状態の波と違うものを観測するのです。
 また、移動速度も違うのです。ある種のドップラー効果が生じているのです。
 静止した音の伝搬状態を見てもその状態がよく分かります。      

                 

                 図-2
 静止した観測者は、スピーカの音の本来の波動方程式を観測し、音速度も通常の速度Uを観測します。
 また、観測する周波数も通常のU/Lを観測します。
 しかし、速度Vで移動する観測者は、周波数は、(V+U)/Lを観測し、音速度も U+Vを観測するのです。
 当然のことながら、静止した観測者と移動する観測者では、違う状態の波を観測しているのです。
 静止した観測者と移動する観測者が観察する音の波動方程式は、当然のことながら違ってきます。
 ガリレイ座標変換とは、移動する座標系の事象を静止系に置き換えることで、運動系の事象を静止系で観測した状態を表しています。この逆もあります。(?)
 波動方程式は、状態式(?)のため、ガリレイ変換をした時に、振動数と速度の違う波を観測しているので、不変になることなど、起こりえないのです。
 しかし、伝搬速度に着目すると、系の移動速度の影響を受け、ガリレイ座標変換(?)すると、伝搬速度は、U±Vになるのです。
 光についても同じような現象が起きていると考えられ、波動方程式は、ガリレイ変換で不変では ありませんが、伝搬速度は、C±Vになると考えられます。
 光速度は、系内の速度はCですが、他の系から観測すると移動速度の影響を受け、振動数が変化し、移動速度の影響を受けた速度として観測されるのです。
 ここで問題となるのは、マイケルソン・モーリーの実験結果の扱いです。
 この実験が行われた時代は、エーテル説(固定エーテル)の議論が行われているときでした。
 下図の場合、静止系を単独で、地球が移動しているような状態です。    

                  

                  図-3
 固定エーテルを考えたときは、観測者(装置)が単独で、エーテル中を移動していると考えることができますが、実験結果は、固定エーテル説を否定する結果が得られたのです。
 その時点で、移動エーテル説や、エーテル随伴説など別の考察を行う必要があったのです。
 しかし、実験結果の考察は、固定エーテル説での矛盾を示しているに過ぎなかったのです。
 しかも、縦方向の光路を三角形の斜辺に相当する光の軌跡を使用したのです。
 私が注目した事柄は、マイケルソン・モーリーが実験を行ったのが、地球に静止した状態で実験を行っている事柄です。
 地球は、宇宙空間で、近似的なガリレイ座標空間と考えられ、そのガリレイ座標空間に静止した状態で、観測を行っていることです。
 図の例で例えると、移動する電車の中で、測定を行っていると考えることができるのです。
 皆さんは、電車の中の光の状態をどのように考えますか?
 私は、電車の中の観測者は、全ての方向の光速度は、Cとして観測すると考えています。
 このような観点からすると、マイケルソン・モーリーの実験結果は、当たり前の結論が得られたにすぎないのです。(固定エーテル説が、正しかったら、実験に失敗したのです。)
 地球上で、光速度の測定を行って、異方性を観察した報告は、見つけることができないので、全ての方向の光速度は、Cであり、マイケルソン・モーリーが行った考察のような、三角形の斜辺のような、光の軌跡など存在しないのです。(実験の解説書にあるような装置が、観測者に対して、移動した状態など観察できないのです。前ブログ参照))
 縦方向の光は、垂直に鏡に向かい、垂直に、検出部分に戻ってくるのです。縦も横も光の移動時間は、L/Cになるのです。
 アインシュタインの考え方の中には、マイケルソン・モーリーの実験結果を 静止系を単独で移動して観測していると考えていたために、マイケルソン・モーリーの実験結果によって生じた矛盾を時間や尺度の変化に結びつけて理論構築を行ったと考えることができます。
 このことを念頭において、以下の文章を読んでください。


 前ブログ(新「特殊相対性理論」の矛盾 総集編)で、特殊相対性理論の矛盾を指摘しましたが、アインシュタインの著書『「特殊及び一般相対性理論について」(1916 金子 務訳 白揚社)に記載されている内容で、光速度不変原理そのものを否定できる 非常に重要な事柄を見落としていましたので、ここに、その内容を紹介して説明を行います。


 静止系に、長さ2Lの電車が、図のようにあったとします。今、時刻τ₀(t₀)でA・C点よりB点に光を照射すると同時に、電車を速度Vで移動したとします。  

           

                 図-4
 電車とともに移動する観測者Oは、各光が、時間Δt=L/Cに、B点に到達するのを観測し、同時に光が届くのを観測します。
 この事柄は、物理学者の皆さんも納得する観測結果と考えています。
 では、下記に示すように、電車の各点に対応した静止系の点から光を照射したときは、どうなるのでしょうか?  

           

                 図-5
 これに関しては、アインシュタインの著書の中に、見解があるので、それを見てみましょう。
 P40~43に、軌道堤を移動する列車とA・B点に、同時に落ちた落雷を使用して同時性の否定を行っています。     

                 

                  図-6
 ここで、アインシュタインは、「M´いる観測者がB点から来る光に向かっているので、A点の光よりも先に、Bからの光を認めるであろう。」との記述をし、「列車を基準体として用いる観測者は、落雷Bが落雷Aよりも先に起こっている。」と結論付け、「軌道堤を基準として同時である事象は、列車を基準とすると同時ではない。」として同時性の否定をしています。(添付文書)
 アインシュタインの考え方では、図-5の光に関しては、観測者Oは、B点に光が同時に届かないことを観測するのです。
 また、前ブログで記載したように、アインシュタインの考え方の中には、併進運動する剛体(棒や電車など)に硬く結びついた座標系をガリレイ座標系と規定しました。
 そのため、この考え方だと移動する棒に沿って移動する光は、静止系の光にもでき、運動系の光としてみることができます。        

               

               図-7
 この考え方だと 図-4・5に示した光は、静止系の光であり、運動系の光でもあるのです。
 しかし、前ブログに記載しましたが、ガリレイ座標中の光を他のガリレイ座標系と同時に共有することができないのです。
 運動系の光は、電車の中の光であって、静止系の光ではないのです。逆も同じことが言えます。
 この考え方の背景には、光の波動方程式が、ガリレイ変換で不変でないことが大きくかかわっていると考えられます。
 しかし、前述のように、移動する系の波を静止した観測者が観測すると静止系では、ドップラー効果の影響で、静止したときに観測する波とは、状態が違ったものを観測するのです。
 この観点から波動方程式は、ガリレイ変換で不変であってはならないのです。
 特殊相対性理論で扱っている、運動系の光に対して静止系に光速度不変原理を適用することは、運動系の光を静止系の光で代表するという意味が含まれています。
 観測者Oは、図-4の電車内の光に関しては、同時に到達するのを観測し、図-5の電車の外の光は、同時に届かないのを観測するのです。
 観測者Oが観測して、同時性について、違う状態のものを観測しているのに、一つの光で代表して理論の展開を行っているのです。
 当然のことながら、同時性に矛盾が生じます。その矛盾を時間の矛盾に結びつけて理論展開を行っているのです。
 これが、特殊相対性理論の矛盾の本質なのです。
 この矛盾は、本来の時空図とアインシュタインが提唱する時空図の比較をすると明確になるので、見てみましょう。  
 矛盾を見る前に、静止系で観測する動く点や棒の時空図を見てみましょう。
 静止系に、A点が静止していたとします。
 静止系の時刻t₀に、A点が速度Vで移動したとします。
 時刻t₁に、A点は、Vt₁移動します。           

              

                図-8
 この時の時空図を作成すると、図-8のような図になり、時刻t₁の線とA点の世界線の交点より、垂線を下ろして、X軸との交点が、A点の移動距離を示しています。
 この関係は、どこの位置の点に関しても同じ図が描けます。(静止系の時刻t₀からt₁の間に、X軸上を速度Vで移動する点は、どこにあってもVt₁移動します。)
 この事柄は、物理法則の大前提と考えられます。
 次に、長さ2Lの電車の一片をX´軸とし、図のようにLずつ離れた点をA・B・Cとし、電車を速度Vで移動します。
 この時、A・B・C点に対応した地上の点をD・E・Fとします。       

               

                 図-9
 この時の各点の時空図を作成してみましょう。           

        

                図-10
 各点は、時刻t₁でVt₁移動し、時刻t₂でVt₂移動します。この図に示したブルー色の四角は、その時間の電車の移動状態を示しています。
 そして、紫色の線は、静止系の同時刻線となります。
 この状況は、静止系の運動法則を考えても当たり前の状況で、時間t₁でのA・B・C点の移動距離はすべて等しいことを表しています。
 次に、静止した電車に、長さLの光時計ABとBCを図のように設置し、時刻    t₀(τ₀)で光時計の両端から光を照射し、電車を速度Vで移動します。      

               

                 図-11
 最初に、電車で移動する観測者Oが観測する時空図を作成します。
 光は、特殊相対性理論で扱われている方法にしたがって、光の世界線として描きます。
 光は、A・B・C点から直接出ています。    

                  

                 図-12
 観測者Oに対して電車は、移動していませんから電車を静止系としてみることができます。
 各光時計の光は、各端に、L/C時間後に同時に到達するのを観測します。
 この時、A・B・Cに対応した地上のD・E・F点は、電車に対して移動していることになり、運動系のL/Cの時間に各点は、VL/C移動します。
 電車も、運動系のL/Cの時間で、地上の各点に対してVL/C移動していることになります。
 次に地上の観測者Pが、観測する時空図を静止系に光速度不変原理を適用して、作成します。
 静止系に光速度不変原理を適用したので、運動系の光は、地上の光と同じとみなすことができるので、地上の各対応点から光を照射したとして作図を行います。  

                     

                 図-13
 静止系の時刻t₀で光の照射と電車の移動を開始した状態図は、図-13のような時空図として表せます。
 この赤の光の世界線が、静止系に光速度不変原理を適用し、時刻t₀(τ₀)で照射と移動を同時に行ったときの世界線になります。
 光の世界線と点の世界線の交点は、静止系の時間L/(C-V)とL/(C+V)で交差しています。
 この時間の差は、光に向かって移動しているから、早く光に、到達し、光から遠ざかった時は、遅く光が到達することを示しているにすぎないのです。
 この時間で起きている現象は、L/(C-V)の時は、各点すなわち電車は、VL/(C-V)移動し、L/(C+V)の時は、電車は、VL/(C+V)移動していることになります。
 運動系で、各点に光が届いた時間は、τ₁=L/Cで、移動距離は、VL/Cで、一つの時間と一つの事象ですが、静止系で観測すると、光の到達時間が二通りあり、移動距離も二つある事が判ります。
 光時計の光が各端に到達したとき、運動系で観測される電車の移動距離は、VL/(C-V)ですが、静止系では、二つの距離になってしまうのです。
 これは、運動系の光に、光速度不変原理を適用したことにより、正しく運動系の光を表せなかったために起きている現象と考えられます。
 私は、静止系に光速度不変原理を適用した光は、運動系の光を正しく反映できていないために起こった現象と考えますが、特殊相対性理論の世界では、一点から出した光の考察のみで、観測者Oに対してA・C点の世界線と光の世界線の交点を同時事象とし、緑色の線を同時刻として、理論展開を行っています。
 雷の例では、光に向かったときと光から遠ざかった時では、同時に光が到達していないとしたにもかかわらず、同時事象としているのです。
 この事柄は、先の著書に記載された「列車を基準体として用いる観測者は、落雷Bが落雷Aよりも先に起こっている。」と矛盾した事柄を表しています。
 特殊相対性理論で考えられている時空図を見てみましょう。    

                 

                 図-14
 特殊相対性理論で扱われている時空図は、同時刻線に平行に、X´軸を描き、各点の世界線の交点から光が出るような、状態図になります。
 X′軸が傾くということは、電車が、図-14の黄色の四角に示した状態になっていることを表します。
 静止系の時刻L/(C+V)の時、電車の先端と後端の位置は、どうなっているのでしょう。
 静止系の運動法則を考えたとき、各点の運動法則より、X軸に、平行な移動状態になります。
 X′の軸が傾くということは、静止系を移動する点の運動法則が、普通の物理法則とは、違う状態になることになるのです。
 静止系の時刻t₀に移動を開始した点の運動法則は、位置が違うと変化してしまうのです。(電車を点の集合体と考えると)
 時刻τ₀(t₀)で、静止系に光速度不変原理を適用した光は、図-13に示した光の世界線です。
 図-14の世界線を見ると、E点より出た光は、図-13の光の世界線と一致しますが、ピンク色の世界線は、一致しません。
 D・Fから出た光は、軌道堤に落ちた雷と同じです。雷の時は、同時に中点に届かないとして同時性を否定したのに、時空図上では、同時に届くことになり、理論の矛盾が見られます。
 ピンク色の世界線は、静止系に光速度不変原理を適用した光ではないことになります。
 静止系の観測者は、静止系に、光速度不変原理を適用したときに、ピンク色の光の世界線など観測する事ができないのです。
 これは、何を意味しているのでしょうか?
 運動系の光に、光速度不変原理を適用した光では、運動系の光の状態を静止系に反映できていない状態で、観測する光も一点の光しか考察しなかったので、光の到達時間に矛盾が生じ、その矛盾をそのままにして理論展開を行ったために、このような光の世界線が生まれたのです。
 ピンク色の世界線は、静止系に光速度不変原理を適用した光でなく、まるっきり別の光の世界線なのです。
 また地上のD点の時刻に注目すると(電車が完全弾性体でできていて、速度Vで移動する別の電車が衝突したときに、光時計を動作させたとします。)D点の時計の時刻は、 t₀になった瞬間に、過去の時刻になるのです。
 A点の変数(x′,t′)を(-L,0)としてローレンツ変換すると、
t=-γVL/C² となります。
 静止系の時計の時刻t=0が、瞬時に過去の時刻t=-γVL/C²となり、静止系の過去から光が出た状態になるのです。
 静止系の時計の時刻が、過去の時刻に瞬時になるのです。( ゚Д゚)
 また、F点の光は、静止系の時刻t₀に照射されずに、γVL/C² に、照射されるのです。
 運動系の時刻が、変化するのではなく、静止系の事象が、変化してしまうのです。
!!!!  ( ゚Д゚)
 静止系の同時刻の事象(時刻t₀で、D・E・F点より光を照射する。)が、時刻t₀に起きていない事象になってしまうのです。
 物理学者の皆さんは、疑問に感じないのですか?
 私は、運動系の光に、光速度不変原理を適用できないと考えています。


 ローレンツ変換に関しては、速度不変原理を定義すれば、速度がCでもDでもEでも成り立つ数学式なのです。
 ある学者が、光速度より早い宇宙波(速度D)なるものを発見し、宇宙波速度不変原理なるものを提唱したとします。
この時、「運動物体の電気力学」に記載されている方法と同じような計算をした時、
 γ=1/√{1-(V²/D²)}
 t′=γ(t-Vx/D²)
 x′=γ(x-Vt)
が計算でき、この仮想空間では、時間の遅れや移動物体の収縮が、起き、Cと同じように、矛盾のない仮想空間ができるのです。
 速度不変原理を定義すれば、C以外の速度でも成立してしまう変換式なのです。
 ローレンツ変換では、静止系に光速度不変原理を適用したときに、静止系で、いくつかの点から同時刻に照射した光が、同時刻に照射したことにならなくなってしまう現象が起きる矛盾を含んだ変換方式なのです。
 物理学者の皆さんは、矛盾を感じませんか?


 私は、物理学者ではないので、私ができることは、このブログの内容を多くの物理学者の皆さんに見ていただき、その結果として「特殊相対性理論の矛盾」が、訂正される
ことを願っているだけです。
 私と同じように「特殊相対性理論」に矛盾を感じた方は、多くのご学友やご同僚とこのブログの内容について議論していただき、より多くの物理学者の皆さんに、この矛盾
を認知していただきたいと願っています。


 皆様のご意見・質問・反論等をお待ちしております。


添付資料
アインシュタインの著書『「特殊及び一般相対性理論について」(1916 金子 務訳 白揚社)抜粋