特殊相対性理論で同時刻線が複数できる現象

 ミンコフスキー図の数々の矛盾(なんでこんなことが物理学で通用したの?)
 前ブログ(アインシュタインの論文の座標変換における同一地点の時刻の不一致 https://yoko3210go.muragon.com/entry/71.html)で指摘したように、運動系と静止系という考え方をすると運動系の光を静止系で観測すると虚像として観測しますが、アインシュタインの理論は、これを光とみなし、運動系の時間の不一致のままに、時刻にすり替え、理論展開が行われたことを指摘しました。
 アインシュタインは、この虚像の速度に光速度不変原理を適用し、速度をCにしているのです。
 速度Vで移動する運動系の横方向の光の静止系で観測される移動時間の矛盾をそのままにし、時刻にすり替えているので 違った方向の光や物理現象・運動系での違った速度での物理現象の観察を行えば、不合理なことが生じると予想されます。


 最初に、ミンコフスキー時空図に2本以上の同時刻線ができる事例を見てみましょう。
 速度Vで移動する運動系(電車の中)を速度Uで移動する長さ2Lの棒の移動状態を見てみましょう。
 時刻τ₀に、運動系の距離Lの間隔のd・e・f地点を長さ2Lで速度Uの棒が通過したとします。
 それに対応した棒の点をa・b・c点とします。

           

                   図-1
 時刻τ₁=L/Uでa点がe点に、b点がf点に到達します。
  この点を世界線としたミンコフスキー図をアインシュタインの相対性理論(東京図書 M.Born著 林一訳)のP206に記載されている方法で作図します。(添付資料参照)
 速度Vの点の世界線と速度V+Uの点の世界線と光の世界線を描くと図-2の様な図が得られます。

        

                  図-2
 同時刻線の考え方をしなければ、ae、bfの交点は、L/Uの同時刻で観測されます。
 ミンコフスキー図の考え方では、同時刻線が、2本あるので、ae・bfの交点が、2つの同時刻線上に同時になければなりません。運動系のある地点のある時刻・事象に対して、静止系で2つの地点と2つの時刻が観測されることを意味します。
 棒の移動速度と移動距離を半分にしたとき、また別の世界線(ピンク色)ができます。
 また逆方向の動きを考えると図-3の様なピンクの世界線ができます。

                            

                 図-3
 運動系の時刻L/Uに、ae、bfが交差する地点で起きた事象が、静止系で観測すると特定できないことが判ります。
 同時刻線は、どのようにも変化させることができるのです。
 
 物理学者の皆さんは、CとVの関係だけに着目していますが、このように、別の速度Uが加わり、具体的な事象が存在すると同時刻線が何本でも同一のミンコフスキー上に描け、具体的な事象の場所と時刻が特定できないことが判り、矛盾が明確になるのです。
 運動系の特定な場所(ae・bfの交点)と時刻が、同時刻線の考え方では、静止系では、無数に存在することを意味します。
 私の理解を超えた素晴らしい理論です。
 静止系で観測される虚像を光として認識し、矛盾した時間(マイケルソン・モーリーによって否定されたエーテル理論的な考え方)と速度Vを使って時刻変換をした理論だから ほかの速度も加え、具体化すると理論が破綻してしまうのです。


 では、ほかの物理現象の例も見てみましょう。
 速度Vで移動する運動系に、長さ2Lの棒を図のように置き、棒の中点から各端に同時刻
τ₀=0に、光を照射したとします。

          

                 図-4
  各光は、L/C時間後の時刻τ₁=L/Cに、各端に同時に光が到達します。
  この時の棒の移動状況を運動系を静止系にして棒の移動状態を見てみましょう。

          

                  図-5
 光は両端に、L/Cの時間で到達し、棒のない系の棒があった地点の移動距離は、VL/Cになります。
 この状況をアインシュタインの考察方法で 静止系から考察してみましょう。

          

                  図-6
 時刻t₁=L/(C+V)で左端に光が到達し、その時の棒の移動距離は、
 VL/(C+V)になります。

          

                   図-7
 次に、時刻t₂=L/(C―V)で右端に光が到達し、その時の棒の移動距離は、
VL/(C―V)になります。
 運動系の一つの時刻・時間L/Cで棒がVL/C移動した現象が、静止系では、
  時刻t₁=L/(C+V)で左端に光が到達し、棒の移動距離は、VL/(C+V)
  時刻t₂=L/(C―V)で右端に光が到達し、棒の移動距離は、VL/(C―V)
と2つの現象になっています。
 ミンコフスキー図を見てみましょう.

                           

                                                                 図-8
 ミンコフスキー図の同時刻線の考え方からすると棒の真ん中の静止系の時刻は、
       Δt₃=1/2{L/(C―V)+L/(C+V)}=LC/(C²―V²)
となるので棒の真ん中の移動距離は、ⅤLC/(C²―V²)となる。
 運動系の一つの移動距離VΔtに対して、静止系では、無数の移動距離が存在することになります。
 棒の位置によって移動距離が変化する!!!((+_+))


 ミンコフスキー図は、ⅭとⅤとの関係から時間の矛盾をそのままに、時刻の違いに置き換えて作図されています。
 この図上では、点の世界線と同時刻線が、ひし形を形成しており、光は、その頂点を移動するので、光の移動では、時間の矛盾を生じませんが、最初の例のように、運動系を別の速度Uの物体を移動させたり、具体的な物理現象を考察すると同時刻線の考え方の矛盾が生じます。


 速度Uで移動するボールを使った別の例を考察してみましょう。
 図-9のように、速度Vで移動する運動系で 原点から距離L離れた地点へ時刻τ₀で速度U=C/2のボールを移動させたとします。

           

                   図-9
 運動系の観測者は、ボールが両端に、時刻τ₁=2L/Cに到達するのを確認します。ボールが両端に、移動する時間は、2L/Cになります。
 この時のミンコフスキー図を作って ボールの移動状態を考察してみましょう。
 運動系の-L点、原点、L点を点の世界線にしたミンコフスキー図を作ります。
 静止系で観測される右に向かうボールの移動速度は、U+V、左に向かうボールの移動速度は、―(U-V)で観測されるので、このボールの速度の世界線をミンコフスキー図に重ね合わせます。

         

                   図-10
 ボールの世界線と両端の点の世界線は、時刻2L/Cの時刻線上で重なります。
 アインシュタインが提唱した同時刻線の考えかたが正しければ、ボールと世界線の交点と同時刻線が、同じ場所で交差するはずですが、交差しません。
 地上で同じ速度(U+V、―(U-V))のボールを移動させても同じ点の世界線が描けるので 時刻2L/CにL離れた地点に同時に到達します。((+_+))
 点の世界線の出発点をⅩ’軸上に変更しても同時刻線上には、重なりません。
 また、ボールに対応した同時刻線が別に2個あるので この状況で3本の同時刻線が描けます。
 なぜ、同時刻線上に重ならないの????


 では、逆方向のボールならばどうなるでしょう?
 図-11のように、速度Vで移動する運動系で 原点から距離L離れた地点から時刻τ₀で速度C/2のボールを原点に向かって移動させたとします。

          

                 図-11
  運動系の観測者は、時刻τ₁=2L/Cに、両方のボールが、原点に同時に到達するのを観測します。
 この時、静止系で観測されるボールの速度と同じ速度で 静止系でも同じように、ボールを移動し、その時の時空図を作ってみましょう。
 静止系で観測される右に向かうボールの移動速度は、U+V、左に向かうボールの移動速度は、―(U-V)ですので、時空図に観測されるボールの速度の世界線を重ねます。

        

                 図-12
 地上のボールは、時刻2L/Cで運動系の原点に同時に到達します。
 では、ミンコフスキー図上に、アインシュタインの考え方に沿って 運動系のボールの状態を重ね合わせてみましょう。

        

                 図-13
 ミンコフスキー上では、運動系の各点の時刻は、Ⅹ’軸上になるので Ⅹ’軸上がボールの出発点になります。
 同じ傾きのボールの世界線をⅩ’軸上から出すと図-13のように、ボールは、原点の世界線に同時に到達しません。
 アインシュタインは、論文で系間の同時性を否定していたから
 これでよいのだ(^^♪ ((+_+))
 地球上で起きたAとBの車の衝突、宇宙から観測するとAの車は時刻〇〇、Bの車は、時刻△△に衝突した。((+_+))
 これが、特殊相対性理論の世界、特殊なのです。( ;∀;)


 前ブログで指摘しましたが、運動系の光を静止系で観測すると光の軌跡(虚像)の長さは、
 D=(C±V)Δt
となり、Vに依存した長さになります。
 運動系と静止系で考えた場合、運動系の光を静止系で観測すると光の虚像を観測しているのです。
 これに、光速度不変原理を適用し、速度Cにしているのです。
 生成速度は、(C±V)Δtで光そのものでない軌跡に、光速度不変原理を適用し、この速度をⅭ/Δtにしている。
 アインシュタインが、論文を発表した当時、マイケルソン・モーリーの実験結果や光速度の測定結果などから 固定エーテル説は、否定されました。
 それは、予想された時間の不一致があったからです。
 アインシュタインの手法は、固定エーテル説で観測される時間を時刻に置き換えているのと同じです。
 光速度不変原理を静止系で観測される虚像に適用し、否定されたエーテル説の時間を時刻に置き換え、理論展開を行っています。
 この考え方は、ⅭとVに関しては、一見、矛盾がないように思われますが、矛盾があるから他の速度のものが介在すると矛盾が明確になったのです。


 ローレンツ変換は、速度不変原理を適用すれば、どんな速度でもできる仮想空間を作る数式です。
 例えば、ある学者が、速度Uの物体の伝搬速度Uの速度不変原理を提唱したとします。
 アインシュタインの論文に書かれているV(C)をUに置き換え、同じ手順をたどれば、
  τ=β(t―vx/U²)
  ζ=β(x-vt)
  η=y
  ζ=z
  β=1/√{1-(v/U)²)
が得られます。
 ローレンツ変換は、速度不変原理を考えたときにできる仮想空間(数式)でしかないのです。
 興味のある方は、書籍を抜粋して添付しますので確認してください。
 ここに書かれているⅤ(C)をUに置き換えるだけです。


 仮想空間ですから座標変換をしたときに、時間がマイナスになる点が存在します。マイナスつまり、過去の時間になる。
 起こりえないことが起きる変換なのです。
 例えば、反発係数1.0の長い2Lの棒があったとします。
 左側から質量が同じで 反発係数が1.0の棒を速度Ⅴで左側より衝突させたとします。

         

                図-14
 静止系に静止した棒は、衝突した瞬間に、速度Ⅴで移動します。
 衝突した瞬間の静止系に静止した状態の時刻をτ₀=0とするとこの棒の -L地点のローレンツ変換をすると 時刻は、―になるのです。
 皆さんもご自身で確認してください。
 過去にさかのぼった時間になる。
 やはり、特殊相対性理論です。特殊なのです。( ;∀;)


 なぜ、100年以上も物理学者の皆さんがこの理論を支持しているのかが、不思議でなりません。
 波動方程式がガリレイ変換で不変でないから?
 この件に関しては、ブログ「物理学の大原則を誤ったアインシュタイン https://yoko3210go.muragon.com/entry/69.html」に記載しましたが、ドップラー効果で運動系の波動を観測すると振動数が変化するので ガリレイ変換ができなくて当たり前なのです。
 再度説明します。
 光を照射し、観測者A・Bに到達したとき、観測者Aは静止し、観測者Bが、速度Vで移動したとします。

         

                図-14
 この図は、観測する光の波数(振動数)を模式的に書いています。

         

                図-15
 観測者Aは、単位時間に波の谷を4個観測し、観測者Bは、6個観測するのです。
 速度Vで移動する系で観測した場合、観測者Bと同じ状態を観測します。
 Aが観測する単位時間当たりの光の波数とBが観測する波数は同じですか?
 Bは、Aよりも波数(振動数)が大きい光を観測するのです。
 一種のドップラー効果です。計算はしていませんが、光の速度が大きすぎるので地上でドップラー効果の観測はできないと考えられます。(測定精度がない?)
 波動方程式は同じですか?
 当然のことながら波動方程式は変化します。
 波動方程式が、ガリレイ変換で不変でないのは、当たり前の事なのです。


 私には、聡明な物理学者の皆さんが、100年以上の長い期間 アインシュタインの理論を支持しているのを理解できません。
 簡単な考察をすれば、矛盾を指摘できます。
 宇宙空間の光の伝搬法則(素粒子の存在)を考えているからですか?
 ブログを書いていて、物理学者の方は、なぜ?なぜ?といつも思いながら書いています。
 私の考え方が違っているのならば、指摘してください。
 お待ちしています。


<添付資料>
1.アインシュタインの相対性理論(東京図書 M.Born著 林一訳)


2.アインシュタイン論文選 「奇跡の年」の5論文(ちくま学芸文庫 青木薫訳)


アインシュタインの論文の座標変換における同一地点の時刻の不一致

 アインシュタインの「ローレンツ変換・特殊相対性理論」等の考え方は、1905年の論文「運動物体の電気力学」や1916年に出版された著書「特殊および一般相対性理論について」に詳細に記載されています。
 そこでは、古典的な物理法則と光速度不変原理を使用し、棒や電車及び光の挙動から、ガリレイ座標系間の同時性の否定をし、系の座標変換に光速度不変原理を適用し、算出した光の移動時間からローレンツ因子を算出し、特殊相対性理論の根幹部分を論じています。
 ここでは、ローレンツ因子算出までのアインシュタインの思考実験において 彼は、静止系で観察される運動系の光の移動時間を軌跡の移動距離と光速度不変原理で出し、論文の中で座標変換をする際に、静止系で観測される時間を時刻に置き換え、ローレンツ因子を算出しています。
 しかし、横方向以外の光では、この時刻の矛盾が生じることがわかりました。
 運動系では、等距離に、光を照射し、原点に光が戻ったときの時刻は、同一です。
 しかし、アインシュタインの思考方法では、光の方向により、光が原点に戻ったときの原点の時刻がバラバラになるのです。
 時間(光)の観察方法があっていれば、他の光での時刻の矛盾など起きません。
 この事柄については、アインシュタインも多くの物理学者も認識していないと考えられます。
 実体がわかると100年以上にわたり、聡明な物理学者の皆さんが、なぜ、こんな理論を信じていたか不思議に感じます。
 ここでは、図を多用し、誰でも理解できるように、アインシュタインの考え方の矛盾を示し、ローレンツ変換・特殊相対性理論の否定を行います。


1.座標変換における時刻の不一致
 1905年の論文「運動物体の電気力学」(アインシュタイン論文選 「奇跡の年」の5論文 青木薫 訳 ちくま学芸文庫P261~263)の中で運動系kで起こった出来事の場所と時刻を指定する値ε,η,ζ,τに対して、静止系Kを指定する値x,y,z,tとを関係づける連立方程式を求め、座標変換をしようとしています。
 x´=x-Vtと置き、時刻τ₀にk系の原点からX軸に沿って放出された光線がx´に向かい、時刻τ₁にx´で反射されて原点に向かい、時刻τ₂に原点に戻った時、
  1/2(τ₀+τ₂)=τ₁  ‥‥‥‥‥(1)
がなりたたなければならないとし、関数τの式に、引数を入れ、静止系で光速度一定原理を用い、
 1/2[τ(0,0,0,t)+τ(0,0,0,{t+x´/(C-v)+x´/(C+v)})]=τ[(x´,0,0,t+x´/(C-v)] ‥‥‥‥(2)
を求めています。
ここで、
  x´/(C-v)は、x´に光が到達する時間
  x´/(C+v)は、原点に光が戻る時間
 時間を時刻に置き換えている。
 そして、この式を展開して、ローレンツ因子を求めています。


 この時、アインシュタインは、運動系と静止系の光をどのように考察しているのでしょうか?

          

                  図-1
 アインシュタインは、静止系で観測され図-1のピンク色の光の軌跡を光そのものとして考察しています。
 運動系の赤色の光は、考えていないと思われます。
 そして、静止系に光速度不変原理を適用し、この軌跡から静止系での光の移動距離より時間を
  CΔt=x´ +VΔt  Δt=x´/(C-V)
  CΔt=x´-VΔt  Δt=x´/(C+V)
と算出し、時刻の式に代入しています。
 この座標変換の時刻部分だけを取り出すと原点に光が戻った時刻は、
 τ₂=x´/(C+V)+x´/(C-V)=2x´C/(C²-V²)
となります。
 座標変換ということで変換がやりやすいように、X軸上の光に着目していますが、他の光が、原点に光が戻ったとき、同じτ₂になるかを見てみましょう。

          

                  図-2
 図ー2の運動系の原点から等距離Lにある縦方向と横方向の地点を往復する光で調べてみましょう。
 当然のことながら、運動系の等距離に照射した光は、同じ時刻に原点に戻ってきます。
 アインシュタインの考察方法では、静止系で観測される軌跡は図-3のようになり、これに光速度不変原理を適用し、ピンクの軌跡の速度をCとしています。

          

                  図-3
 アインシュタインの移動時間の考察が、正しければ、原点に戻る時刻は、同じになるはずです。x´=Lとして算出してみましょう。
 横方向の光が、原点に戻る時刻は、上述の
 τ₂=x´/(C+V)+x´/(C-V)=2LC/(C²-V²)
となり、縦方向の光が、原点に戻る時刻は、
 τ₂=2L/√(C²-V²)
となり、原点に光が戻る時刻が一致しません。

           

                   図-4
 角度を変えると横方向以外、時刻は一致せず、それぞれバラバラな時刻になります。
 この不一致は、静止系で観測される光の軌跡(虚像)を光とみなし、光速度不変原理を適用し、軌跡の速度をCにしたことに起因していると考えられます。
 運動系の光の静止系での移動時間の考察を間違ったから出てきた矛盾です。
 間違った時間(時刻)を使ってローレンツ因子は、算出されたのです。


 アインシュタインの考えや物理学者さんの中には、当時考えられていた固定エーテルの考え方があるように思われます。
 固定エーテル説は、光の媒体が、宇宙に固定されていて地球は、その中を移動し、移動方向の光は、エーテル風の影響でC±Vになるという考え方です。

           

                    図-5
 地球上で図の赤のような光を照射した場合、光は、固定エーテルを進み、ピンク色の線の光になり、地上の移動距離とは違い、到達時間の違いが生じます。
 固定エーテル下では、左のピンクの光の移動距離は、赤の光の距離をLとするとL+VΔt、右側の距離は、L-VΔtとなります。
 先に、光が、左側に届き、次に上、そして最後に右側に光が届くはずでした。
 しかし、当時行われたマイケルソン・モーリーの実験結果や地球での光速度の測定結果は、この固定エーテル説を否定する結果だったのです。
 これらの実験結果は、固定エーテルの光が、同じ時間(時刻に)で左右に同時に到達し、左方の光は、L-VΔt移動し、右の光は、L+VΔt移動したことになります。
 座標変換でのピンクの軌跡を固定エーテルの光と考えると固定エーテル説に沿った考え方になります。
 アインシュタインは、時間の不一致を時刻の違いにすり替え、固定エーテル説も包含できる考え方として 上述の思考実験を考えたのではないでしょうか?
 運動系の光の考察などとしないで、固定エーテルを考えた光の考察にすれば、問題はないのですが、運動系の光を静止系に反映することを考えた場合、見方が変わるのです。
 縦横の光の時刻の不一致は、アインシュタインの時間の考察方法に問題があったから生じた事柄です。
 この時の時間の考察により、時間の遅れや収縮などの要素が作られていたのです。
 静止系の矛盾した時間を使ってローレンツ変換という手法で 運動系のゆがみにしているのです。


2.運動系と静止系の光
 運動系を移動する光が、静止系でどのように見えるかを観察してみましょう。
 観察する際に、長さx’₁(L)のライトを図-2のように置いてみましょう。
          

                  図-6
 静止系では、ライトの棒の光は、Ox’₁の長い光の虚像として観測されます。
 ライトの棒の長さは、VΔt+Lになります
 この時、VΔt+Lの長さのピンクの光の軌跡は、光そのものですか?
 これを光と認識することは、移動するライトの長さをVΔt+Lとする行為と同じです。


 運動系の右方向の光の移動状態を明確にするために、別の考察を行ってみましょう。
 運動系を電車にし、運動系の電車の移動方向と逆に、電車の移動速度Vで移動する観測者Qを乗せます。
 そして、静止系と運動系は、表裏一体なので電車を静止系にして観察します。  

         

                  図-7
 最初、O・P・Qは、Z・Z’軸上に、いるとします。
 観測者Oのみ静止しているとします。 
 電車の中をVで移動する観測者Qは、Pと同じ動きをしているので、静止系の観測者Pと同じ観測をすると考えられます。
 電車の中の観測者Qは、電車の光が存在しないところに移動しています。
 そして、Pと同じように、O’から光が出ているように観察します。
 光の存在しないところに光?
 光をボールに替えてみると明確になりますが、P・Qが観察しているのは、光の虚像なのです。
 光に、光速度不変原理を適用するならばわかりますが、虚像に光速度不変原理を適用?!
 これが、特殊相対性理論の根幹部分の間違いなのです。


3 移動する電車の光
 運動系の光は、虚像であることを明確にするために、少し電車の光を考察してみましょう。
 速度Vで移動する電車のO地点からaに光を照射したとします。
 この時、Oa間に設置したライトを光が通過した瞬間に点灯させます。

   

                  図-8
 地上の観測者Pは、右図のような光の軌跡を観測します。
 ライトは、移動していないにもかかわらず、Pは、横軸に平行な光の軌跡(虚像)を観察します。
 アインシュタインの考え方は、この軌跡の速度に光速度不変原理を適用しているのです。
 では、横方向の光の移動についても考察してみましょう。

          

                   図-9
 速度Vで移動する電車のOb間にライトを設置し、Oからbに光を照射したときに、各ライトの場所を光が通過する瞬間に、ライトを点滅します。
 このライトの光は、移動していないにもかかわらず、電車の移動によって、図-9のように見えます。
 これは、静止系の観測結果は、静止系のある特定の位置で、ある瞬間、ライトが点滅したことを示しているにすぎません。
 瞬間点灯したライトの光は、移動していないにもかかわらず、地上の観測者から見ると速度Vで移動しているように見えるのです。


 軌跡の生成速度を見てみましょう
 電車の光が距離L移動するのに要する時間をΔtとすると
 光がΔt/2進んだ時

        

                図-10
 電車の左側の軌跡の長さは、VΔt/2となり、
 右側の長さは、CΔt/2となります。
 光がL進んだ時

        

                 図-11
 電車の左側の軌跡の長さは、VΔtとなり、
 右側の長さは、CΔtとなります。
 電車の移動速度を2倍にすると

        

                 図-12
 電車の左側の軌跡の長さは、2VΔtとなり、
 右側の長さは、CΔtとなります。
 軌跡の生成速度(長さ)は、 (V+C)Δtや(2V+C)Δtになります。
 アインシュタインは、生成速度が(V+C)Δtの軌跡の速度をCにして ローレンツ因子算出の思考実験を行ったのです。
 普通の物理則のように速度を加味した光速度の考察をすれば、
 図-3の縦横の光が原点に戻る時間は、
 τ₂=2L/C
と同じ時刻に戻ります。
 運動系と静止系の時刻・時間は、一致するのです。


 次に、静止系の観測者が、観測する光についてみてみましょう。 

        

                 図-13
 電車の光を静止系の観測者Pが観測するとき、横方向の光を直接観測することはありません。すべて自分に向かってくる光として観測します。
 自分に向かってくる光は、光速度はCですが、電車の中の速度は計測したことはありません。
 電車の中の光速度がCであっても地上で観測する軌跡は、光そのものではないので 決して光速度Cなどにならないのです。


3.運動系の光は、静止系の光とは違う光
 アインシュタインは、著書「特殊および一般相対性理論について」(金子務 訳 白揚社 P40~43)の中で軌道堤に落ちた雷の光と速度Vで移動する列車を使用して同時性の否定をしています。

    

                  図-14
 軌道堤上の同時刻に、A・B点に、落雷があったとします。
 A・B点の中間点Mにいる観測者は、落雷の光が、同時にMに到達するのを観測します。
 一方、落雷があった瞬間に、電車のM’にいた観測者は、Bの光に向かい、Aの光からは、遠ざかっているので M’には同時に光が届かないとして系間の同時性の否定を行っています。
 アインシュタインは、光速度不変原理により、運動系の光を静止系の光と同じものとして扱い、同時性の否定をしています。
 光を音に置き換えればわかりますが、伝搬速度が同じだから地上の観測をしても電車での観測もしないと事実は分からないのです。
 この時、電車の中のA’・B’点にも光を照射し、また電車の中に、進行方向とは、逆に、電車の速度と同じ速度Vで移動する観測者Qを増やし、光の観察をしてみましょう。

         

                  図-15
 静止系の観察事項と運動系の観察事項は、表裏一体なので電車を静止系にして観察すると

         

                  図-16
 観測者Oは、A’・B’で照射された光が、M’に同時に光が届くのを観測します。
 一方観測者Qは、A’に向かい、B’から遠ざかっているのでA’の光が、B’の光より早く到達するのを観測します。
 また、Qは、地上の観測者Pと同じ速度で移動しているので Pと同じ光の観測をするので 地上の光が、観測者Q(M)に同時に到達するのを観測します。(観測者Qは、M点から動かない。)
 同じ距離の同時刻に、照射された光が、同時に届くものと同時に届かないものが存在するのです。
 つまり、観測者Q(P)は、地上の光の速度と電車の中の光の速度を違ったものとして観測しています。
 地上の観測者は、地上の光の速度は、Cを観測しますが、電車の中の速度は、Cとして観測しないのです。
 アインシュタインは、電車の光の軌跡(虚像)に、光速度不変原理を適用し、理論展開を行っていますが、電車の光の軌跡の速度は、Cではないのです。 


 以上の事柄より
 アインシュタインは、虚像(軌跡)の速度をCにして 座標変換の時間(時刻)の算出を行った。
ローレンツ変換は、虚構の変換
ガリレイ座標間の同時性は存在する。
運動する物体の時間の遅れは存在しない。
運動する物体の収縮は存在しない。
が得られます。
 皆さんご理解いただけたでしょうか?


 皆さんのご意見、反論をお待ちしています。


 私は、物理学者ではないので、私ができることは、このブログの内容を多くの物理学者の皆さんに見ていただき、その結果として「特殊相対性理論の矛盾」が、訂正されることを願っているだけです。
 私と同じように「特殊相対性理論」に矛盾を感じた方は、多くのご学友やご同僚とこのブログの内容について議論していただき、より多くの物理学者の皆さんに、この矛盾を認知していただきたいと願っています。

「物理学の大原則を誤ったアインシュタイン」の補足説明

 アインシュタインの特殊相対性理論は、運動系の光の軌跡に、静止系で光速度不変原理を適用し、移動時間の考察から理論構築が行われています。
 そして、運動系の時間の遅れを導き出しています。
 しかし、この状態の静止系と運動系を逆転すると運動系の時間の進みが生じます。
そこで、運動系の一つの光に対して静止系で観測される軌跡について考察すると 軌跡は、移動速度・移動方向により、無数に変化し、軌跡は、実像ではなく、虚像であることが分かります。
また。観測者が観測する軌跡の光は、軌跡そのものの速度ではなく、軌跡が発した光(移動方向に垂直な光など)を観測しているのです。
軌跡が実像でこの実像に、光速度不変原理を適用するならば、問題はありませんが、アインシュタインや物理学者の皆さんは、虚像の速度をCにして議論を行っていたのです。
虚像に光速度Cを適用し、移動時間の計測を行ったので 時間・物理現象の矛盾が生じたのです。


1. 軌跡の単位時間の移動距離
 特殊相対性理論の解説書で 移動する電車の垂直方向に移動する光とその光を静止系で観察したときにできる軌跡に静止系に光速度不変原理を適用し、移動時間の違いより、運動系の時間は、遅れるという解説をしているものがあります。

     

                                                                 図-1


  Δt=L/C (運動系) < ΔT=L/√(C²-V²)(静止系)
 これをそのまま観測する系を反対にすると(右側の図、観測者Oを静止系にし、観測者Pを移動させ、その時の光の移動距離と軌跡の移動距離・時間を比較する。)
Δt=L/C (静止系) < ΔT=L/√(C²-V²)(運動系)
 運動系の時間が進むという現象が起きてしまいます。
 皆さんは、運動系の光と静止系の軌跡の比較を行っていますが、静止系の光と運動系で観察される軌跡を比較すると逆転現象が生じるのです。
 これは単に、観測される軌跡の長さが、元の光の光路の長さと違うから起こっている現象です。
 では、軌跡について考察してみましょう。
 静止した電車の壁に沿って長さLの棒を置き、その棒に沿って光を図のように照射します。
 電車での光の光路長は、Lです。
 この時、観測者Pが、速度Vで移動したとします。

       

                      図-2
 観測者Oは、電車の外側に、光を観測することはありません。
 観測者Pは、光が存在しない場所に、軌跡(虚像)を認識するのです。
 静止系と運動系を逆にしても 観測者Oが、光の存在を認識しない場所に、観測者Pは、軌跡(虚像)を観測するのです。
 この光の代わりに、ダイヤモンドでできた光時計を置いて、その光時計の光の軌跡を観察したらどうのように、考察するのでしょう?
 光として認識するから軌跡の速度をCにするのでしょうか?
 斜線部は、軌跡ですから 同じ光に対して観測者の移動方向・速度により 形・大きさが、ばらばらの像を観測し、軌跡の速度をCとすると L/(C+V) ~ L/(C-V)の範囲で無限の時間の変化を観察するのです。

 

                                                                    図-3
 この軌跡の速度をCとして 議論しているのが、アインシュタイン、マイケルソン・モ-リー他、大多数の物理学者の皆さんなのです。
 
 この時の虚像の生成状態を見てみましょう。
 虚像をよく観察すると
 運動系のZ'軸の左右では、生成の状態が違うのがわかります。
 右側は、運動系の光の移動距離に対応し、左側は、系の移動距離に対応しています。 
      

         

                   図-4
 軌跡の移動距離Dは、
  D=(C+V)ΔT
になります。
 軌跡を静止系で観測して 単位秒あたりC+Vずつ長さが長くなるのです。

         

                   図-5
 縦方向の軌跡の移動距離は
 D=√(C²+V²)ΔT²
となり、この移動距離もVに依存した移動距離になっています。
 このように単純明快な事柄が、光速度不変原理で否定されているのです。
 この軌跡の速度に光速度不変原理を適用し、C+VなどのVに依存した速度をCにしたため、移動時間の矛盾が生じたのです。
 伝搬速度と観測測度(伝搬速度+系の移動速度)を区別しないで、真空中の伝搬速度がCであることから考え出された光速度不変原理
 物理学者の皆さんは、疑問に感じないのでしょうか?


2.軌跡の観察状態 


 軌跡について違った角度の考察をしてみましょう。

  

                   図-6
 運動する系のライトや その系を移動する光を静止系で観測すると その光源が発した光を静止系の観測者Pは、自身に向かってくる光として観測します。
 向かってくる光の速度は、Pが存在する系(地球)の伝搬速度になります。
運動系に静止したライト(星印)の軌跡を静止系の観測者Pは図-6の右側のような状態で観測します。
 このライトの軌跡は、系の移動によってできた軌跡です。これに、光速度不変原理を適用する人は、いないと思います。
 静止系で観測される軌跡は、光の実際の移動距離(光路長)と系の移動により生じた軌跡から成り立っているのです。
 この軌跡の速度に、光速度不変原理を適用し、速度Cとし、生じる時間などの矛盾を是として 理論構築されたのが、特殊相対性理論なのです。
 二連星の動きなどから真空系の伝搬速度をCとしています。
 しかし、地球上で運動系を移動する光の軌跡の速度を直接計測したことなどは、今だかってありません。 
 観測測度(軌跡の速度)と伝搬速度は、別物です。
 虚像である他の系の光の軌跡の速度はCではないのです。
 私は、物理学者ではないので この矛盾の指摘までしか行いません。
  そして、特殊相対性理論の考え方が、否定されることを願っています。


 今回の内容は、「物理学の大原則を誤ったアインシュタイン」の補足説明になったでしょうか?
 私のブログ内容は、ローレンツ変換前の物理の基本的な考え方の矛盾を指摘しています。
 コメント欄に、「ローレンツ変換で‥‥」というコメントがありますが、その前段階の大前提となる物理の基礎的な話(ローレンツ変換以前の話)をしているのに、ローレンツ変換の話をされても議論がかみ合いません。内容をよく読んで コメントをお願いします。
 反論はどんどんしてください。
 お待ちしています。