光時計の一致しない時間

 前ブログで図-1のように長さLの三つの光時計を置き、中央に光を照射し、時間の不一致を指摘しましたが、位置が違うと時刻が違うとの指摘を受けたので、中央部から光を出し、中央部に光が戻る状態で時刻の観測を行いました。。
 中央部には光が届いたときに点灯するフラッシュを設置します。
          

               図-1
 運動系の観測者は、時刻 2L/cにすべての光が同時に届き、フラッシュが同時に点灯するのを観測します。
 一方、静止系の観測者は、前方の光が戻る時間t₁は、
 t₁=L/(c-v)+L/(c+v)=2cL/(c²-v²)
 後方の光が戻る時間t₂は
 t₂=L/(c+v)+L/(c-v)=2cL/(c²-v²)
 上方の光が戻る時間t₃は
 t₃=2L/√(c²-v²)
となり、前後に照射した時間は、一致しますが、上方に照射した時間は一致しないのでフラシュが、二度光ることになります。
 なぜ一致しないのでしょうか、これについては、後ほどまとめて考察します。


 この光時計を使用してアインシュタインの論文の矛盾点を指摘したいと思います。
アインシュタインの論文(アインシュタインの論文選「奇跡の年」の5論文 青木薫訳 ちくま学芸文庫)「運動物体の電気力学」のp261~263に記載されている内容です。論文を説明しながら指摘します。
 運動系Kで起こった出来事の場所と時刻を完全に指定する、ε,η,ζ,τの値に対し、静止系kでの値x,y,z,tを関係づける連立方程式を求めようとしています。 
 モデル実験として運動系のX´軸に沿って時刻τ₀´で光を照射させ、時刻τ₁´にx´で反射され、時刻τ₂´で運動系の原点に戻る状態をx´=x-vtとおき、静止系の変数(x´,y,z,t)を使い、算出しようとしています。
 ここで、x´=2Lと置き、原点とLの位置に長さLの光時計を設置します。Lの位置の光時計は、原点からx´に移動する光がLに届いたときに作動するようにします。(光が届いた時間を加算します。)図-2

         

           図-2
 原点の光時計の作動と原点からx´に向けての光照射を同時に行います。
 静止系の観測者は、時刻t₁=L/(c-v)に光がLに到達し、Lの光時計が作動するのを確認します。
 x´に到達した光が原点に戻るとき、Lに移動するのにかかる時間Δt₂は、
    Δt₂=L/(c+v)ですから 
 Lに戻る時刻は、
 2L/(c-v)+L/(c+v)=L/(c-v)+2cL/(c²-v²)
  Lの光時計の時刻は、L/(c-v)+2L/√(c²-v²)となり時刻が一致しないことが解ります。
 原点に光が戻った時の時刻は 4cL/(c²-v²)
 原点の光時計の時刻は、4L/√(c²-v²)
となり、ここでも時刻の不一致がみられます。
 数式だけではどのような状態かわからないので、実際に数値を入れて、原点の移動状況と光時計の時刻の関係を考察してみます。
 計算を簡略化するために、運動系の移動速度v=10,00,00km/sとし、移動距離L=10,00kmとして、三往復したときの移動距離と時刻の関係を表―1にまとめます。

                  

             表―1
 この関係をグラフ―1に示します。


         

                グラフ―1


 このグラフより次のことが解ります。
1 光時計とx軸を移動する光の時刻が一致しない。
2 光時計の時刻は光の移動距離に比例して変化する。
3 x軸を移動する光の時刻はぎくしゃくしていて、明らかにおかしな動きをしている。
4 移動距離が大きくなるとずれが大きくなる。
 以上のようにアインシュタインの考え方には、大きな矛盾が見られます。
 運動系Kで起こった出来事の場所と時刻を特定しようとしているのに
2L/(c-v)=x´/(c-v)や2L/(c+v)=x´/(c+v)を使用して理論の展開を行うことが間違っているのです。
 ここで、光速度が運動系の速度も加味されて静止系で観測されるとすると
上記のグラフの線は、一つになり、すべてがうまく収まります。
 アインシュタインは、 
   原点を出た光がx´に到着する時間をx´/(c-v)
 x´で反射された光が原点に戻る時間をx´/(c+v)
として(1)式にこの数値を引数として使用して(2)式を立てています。


 1/2(τ₀´+τ₂´)=τ₁´                           ‥‥‥‥‥‥‥‥(1)


 1/2[τ(0,0,0,t)+(τ(0,0,0,{t+x´/(c-v)+
    x´/(c+v)})]=τ[(x´,0,0,t+x´/(c-v)]‥‥‥(2)


 そして、(2)式を展開して、
 Ζ=φ(V)β(x-vt)
 β=1/√{1-(v/c)²}
 を得ています。


 ローレンツ変換は、間違った考察から導きだされたものなのです。
 アインシュタインの間違いがお解り頂けたでしょうか?