特殊相対性理論の崩壊(シリーズ3)

 マイケルソン・モーリーの実験とローレンツ収縮及び
     マックスウェルの波動方程式

 シリーズ1で「運動する物体の時間の遅れがない」こと、シリーズ2で「ガリレイ座標間で同時性が維持されること」及び、「ローレンツ因子は、静止系を移動する棒に対する光の動きから出された、虚構の数値」であることを指摘しました。
 ここで、光の挙動について、マイケルソン・モーリーの実験とマックスウェルの波動方程式が大きく関与しているので、これらを考察してみましょう。


 マイケルソン・モーリーの実験装置は、実際はもっと複雑ですが、図-1に示すように、縦方向と横方向の装置を光が往復する光路の長さの差(時間差)で、干渉縞の変化を観測し、エーテル風の影響を調べようとしたものです。
 光が往復しているため、横方向の光の速度に差があったとしても装置を左回りに、90°回転しても横方向の光が光路を移動する時間は、往路の時間と復路の時間の順番が変わるだけで、横方向の光路の差はありません。(ABとCDを往復する時間は逆になりますが。)

             

                   図-1
 解説文に記載されている、絶対静止系から見た縦方向の光の光路は、斜線で示した三角形の斜辺としていました。(シリーズ1で指摘しましたが、実際の光路はABを結ぶ直線です)
 そして、各光路の光の移動時間を計算しています。
 縦方向の時間T₁は、
   T₁=2L/√(C²-V²)
 横方向の時間T₂は、
   T₂=2CL/(C²-V²)
となります。
 時間差ΔTは
   ΔT=2CL/(C²-V²)-2L/√(C²-V²)
になります。
 固定エーテルを考えていた物理学者が、この時間差ΔTを0になるようにすれば、エーテル風の影響があっても、マイケルソン・モーリーの実験結果が得られるという発想で、収縮率の考えが生まれたのです。
 そこで、横方向のLを収縮させれば、時間差ΔT=0になるので、下記のような収縮の式
を出しています。
Lm=L×√{1-(V/C)²}  Lm;動いているときの長さ  L;止まっているときの長さ


 観測する光を往復の光にしたため、収縮が起きれば、図-2のように、エーテル風の影響があったとしてもマイケルソン・モーリーの実験結果が、得られるのです。

           

                       図-2
 私の認識していた事柄は、図-3に示すように、絶対静止系に静止している観測者と同じように、地球に静止して光速度の測定を行うと、光の速度の方向性がない状態を観察すると考えていましたが、収縮論が存在する限り、両方の事柄が起きることを念頭に置く必要があるのです。

          

                  図-3
 しかし、収縮論は、大きな誤りをしていました。マイケルソン・モーリー自身の実験結果の考察でも行っていましたが、進行方向に垂直な装置の光の光路を三角形の斜辺にしたことです。

         

                図-4
 シリーズ1で指摘しましたが、マイケルソン・モーリーの実験は、固定エーテルを仮定して、エーテル風の影響を調べるために行った実験です。 
 縦方向の装置の光の移動状態をもう一度、見てみましょう。図-4は縦方向の装置の長さをLとしたときの光の移動状態を示した図です。
 装置の光の照射点 a点に対応した絶対静止系(固定エーテル)の位置をA点とし、装置の光の反射点b点に対応した絶対静止系の位置をB点とするとA点からB点に照射された光は、必ずB点で反射され、A点に戻ります。
 絶対静止系から見るとA・B点は移動しませんから、装置だけが移動する状態を観察します。当然のことながら、光路はLになります。
 地球で観察すると、固定エーテルの中を移動しているのですから、エーテルの移動に伴って、A・B点が平行移動しているのです。光は常にAB点を結んだ直線上からずれることはないので、光の航路は、AB点を結んだ直線になります。
 どちらの場合もa点を出た光は、戻るときは、a点を少しずれた位置に戻ります。光の速度が非常に速いのでこの移動距離はほとんどないに等しいですが、理論上はズレルのです。             
 固定エーテルや絶対静止系を考えた場合、三角形の斜辺になる光路など存在しないのです。
 マイケルソン・モーリーの実験は、地球上で静止した状態で観測を行っています。それなのになぜ、装置が移動した状態(絶対静止系から見た)を観測しなければならないのでしょうか?地上の観測者に対して、装置は移動していません。光だけが移動しているのです。
 絶対静止系から見た状態は、地上の観測者が、観測する光と装置の状態が違う状態を観測しているのです。
 地上の観測者は、装置が静止した状態で光がどのように動くかを観測するのです。

          

                 図-5


 地球の移動方向に垂直な光は固定エーテルの移動に伴い、垂直な光路が平行移動しているだけです。
 もしも、エーテルが地球とともに移動していれば、右の図のような状態を観測するのです。
 固定エーテルの場合、横方向の光路もLで、絶対静止系の光の速度はCですから、光の移動時間は、
 L/(C-V)+L/(C-V) =2CL/(C²-V²)
となります。
 垂直方向を往復する時間は、2L/Cです。時間差ΔTは
  ΔT=2CL/(C²-V²)-2L/C=2LV/C(C²-V²)


となり、収縮率 √{1-(V/C)²} では光路差が0とはならなくなり、エーテル風の影響を考えるとマイケルソン・モーリーの実験結果を説明できなくなります。 
 試しに、この場合の収縮率を計算してみましょう。 収縮率をXとおくと、
 2CLX/(C²-V²)-2L/C=0  2CLX/(C²-V²)=2L/C
 X=1-V²/C²
 この数値が意味のある数値かどうかは、私には、判断できませんが、次の現象も説明でき、理論的に妥当ならば、収縮という考え方も、あると思われます。
 その現象とは、マイケルソン・モーリーの実験装置は移動方向の光が往復するので、エーテル風の影響(C+V・C+V)が装置内で打ち消しあうような構造になっています。何かおかしい気がしますが、実験の装置を水平面に360度回転させ、16等分した位置(22.5度)で観測をしていることが非常に気になりました。(22.5度と67.5度の角度)
 角度が変わった時の光と装置の状態を図-7に示します。


        

                 図-6
 光路の距離は変わりませんが、両方向の光ともにエーテル風の影響を受けるので正確な時間は計算していませんが、ABを往復する時間もこれに垂直な光の往復時間も明らかに図-1に示した状態と(詳しくは検討していませんが。)時間差が違うことが予想できます。
 そして、この状態でも、干渉縞の移動がないことは、収縮理論では、説明のつかない現象が起きているのです。
 ということは、図-3のようにどの方向も同じ速度なのでしょうか?
 波動方程式から考えると、図-3の状態になるためには、別々の波動方程式が存在するように考えられます。 
 マイケルソン・モーリー著の「地球と光エーテルとの相対運動について」の中で、フレネルの随伴説やフィーゾーの実験に関する記述があります。
 フィーゾーの実験に関する説明文を見ると水流により、光速度がC+αVやC-αVになるから、干渉縞の移動があると考えられました。
 静止した水での光速度は、真空中の速度より遅いので、水に対応した、マックスウェルの波動方程式があるはずです。
 波動方程式がガリレイ変換で不変でないことを考えると、水が移動していても光速度は不変のはずですが、実際には光の速度は水流の影響を受けています。
 この状態を分かりやすく説明するために、図式化します。

        

                     図-7
 大きな水槽の中に、長さLの試験水槽を入れ、片方の水槽の水は、静止した状態にし、もう一方の水槽の水は速度Vで移動させ、この両方の水槽に光を照射します。
 水が速度Vで移動している部分は、大きな水槽から見ると運動系のガリレイ座標に相当します。
 波動方程式がガリレイ変換で不変との考え方からすると大きな水槽の波動方程式が全体に適用されるので、上の状態を観察するはずです。(光速度不変原理の考え方)しかし、実際のフィーゾーの実験結果は、下の状態になっています。
 水が移動している部分は、大きな水槽とは違う光の進み方をしていて、大きな水槽の波動方程式では説明ができない状態になっており、水が移動している部分では、別の波動方程式があるように考えられます。
 波動方程式がガリレイ変換で不変だから、他のガリレイ座標系に別の波動方程式がないという考え方は、この実験結果で否定されました。


 ここで、何度も前のブログに記載しましたが、マックスウェルの波動方程式について、みてみましょう。
 これに関しては、KENZOU氏が、次のブログで音波の波動方程式を求め、光の波動方程式と比較しています。 【 有機合成を専攻した私は、まだ勉強したことがない事柄なので、詳細は次のブログを参照してください。
「物理Tips ~波動方程式とガリレイ変換について~ KENZOU 2008年5月19日(http://hb3.seikyou.ne.jp/home/E-Yama/weqga.pdf)」 】


 そして、この音波の波動方程式もガリレイ変換で不変でないことを説明し、その解を求めています。
   ρ(x,t) = f(x´−(v−V)t´)+g(x´+(v +V)t´)  [式 18]
 この解は音波の伝搬速度が、正と負の方向で変化する。つまり、空気に対して速度Vで動いている観測者からは、音波はx軸の正の向きに速度v-Vで進み、逆の方向には速度v+Vで進むということを言っているにすぎないとしています。
 一方、光に関しては、マックスウェルの波動方程式もガリレイ変換で不変でないが、音波と同じ挙動を示すことを証明しています。
そして同じように解を求めています。
   φ(x´,t´) = f(x´−(c−V)t´)+g(x´+(c+V)t´)  [式 21]
 この解は、光の伝搬速度が、正と負の方向で変化する。つまり、真空に対して速度Vで動いている観測者からは、光はx軸の正の向きに速度c-Vで進み、逆の方向には速度
c+Vで進むということを言っているとしています。
(KENZOU氏は、マイケルソン,モーリーの実験結果は、『真空中での光の速さは観測者の運動状態が変わっても、光の進む方向によらず一定である。』として、この結論を棄却しています。)
 KENZOU氏の考え方の中には、マイケルソン・モーリーの実験を行った場所を考慮していないことが挙げられます。
 音に例えると、電車の中に静止して人と、電車の中や外を走っている人では、観測する場や状態での伝搬速度に違いがあるのです。電車の中や外を走っている観測者は、音の速度をv-Vやv+Vで観測しますが、電車の中に静止している観測者は、電車の進む方向に関係なく一定の速度vを観測します。
 マイケルソン・モーリーの実験は地球上に静止した状態の観測を行っています。
 電車の中はガリレイ座標系で地球もガリレイ座標系です。
 音の波動方程式は、ガリレイ変換で不変ではありません。しかし、音はそれぞれのガリレイ座標系内では、同じ法則に従います。
 静止した水と移動している水では、一つの波動方程式では、お互いの光の挙動を説明できず、別々の波動方程式があると考えられます。
 では、宇宙空間と地球を考えてみましょう。地球は、宇宙空間から見ると一つのガリレイ座標系と考えられます。音や、水のようにガリレイ変換で不変でなくとも、絶対真空系とは独立した地球の空気中の波動方程式が、存在していると考えてもおかしくありません。
 マイケルソン・モーリーの実験は地球(ガリレイ座標系)に静止して測定しているので、光の方向性は、観測できていません。
 マックスウェルの波動方程式がガリレイ変換で不変でなくても、ガリレイ座標間で法則は維持されると考えると、マイケルソン・モーリーの実験結果も納得できるものとなります。
 また、シリーズ1と2で指摘した事柄が起きているとの裏付けにもなります。
 マックスウェルの波動方程式がガリレイ変換で不変にこだわらずに、物事の現象を観察すれば、光速度不変原理で、すべての事柄を説明しようとした特殊相対性理論の矛盾もわかっていただけるものと考えています。
 シリーズ1・2も含めた結果をまとめます。
 ◦運動系の光の軌跡は、移動速度を合成した光の速度を使用する必要がある。
 ◦ガリレイ座標間の同時性は維持され、絶対同時性は存在する。
 ◦運動する物体の時間の遅れはない。
 ◦波動方程式が、ガリレイ変換で不変でなくても、音のように、座標間で法則が維持さ
  れる場合があり、水の光の挙動も一つの波動方程式では、表せない事及びマイケルソ
     ン・モーリーの実験結果等を考えると、宇宙空間と地球では、別の波動方程式がある
     と考えられる。
    ◦運動系の軌跡の速度をCで算出した他の事柄(ローレンツ因子・相対論的な速度合成則)
     は、光の軌跡と実際の光路を間違えて算出された虚構の理論である。
   アインシュタインの特殊相対性理論は、完全に崩壊したのです。


 参考例
 実際にどのような矛盾が、起きているかを判りやすく見てみたいと思います。
 絶対静止系の同時性を観測したらどうなるのかを考察して、確認してみましょう。
 絶対静止系のA点を原点とする座標軸XYZを決めます。A点を基点にして、長さLの棒をそれぞれの座標軸上に設置し、各棒の端に、時刻合わせをした時計を設置します。
 静止系に静止している観測者Oは、アインシュタインの手法で、AB・AC・ADの時計の同期をA点から同時に光を照射して行いました。この時、A点に光が戻った時に、A点に設置したフラッシュが点灯するようにします。
 絶対静止系の観測者Oが、時刻A₀に各棒の端に光を照射し、時刻B₁・C₁・D₁で光がB・C・Dに到達し、鏡で反射され、時刻A₂でA点に戻ったとします。
 観測者Oは、光が各棒の端に L/C 時間後に到達し、鏡で反射され、さらに、L/C時間後に、A点に戻るのを確認し、各時計の同期を確認し、フラッシュが一度光るのを確認します。
  A ⇔ B  B₁-A₀=A₂-B₁=L/C
  A ⇔ C  C₁-A₀=A₂-C₁=L/C
  A ⇔ D  D₁-A₀=A₂-D₁=L/C
 この時、地球にいる観測者Lは、X軸に平行に速度Vで移動しているとし、惑星Mにいる観測者Mは、Z軸に平行に移動しているとし、惑星Nにいる観測者Nは、XY平面上をX・Y軸に平行にならないように移動しているとします。

        

                       図-8
 アインシュタインの手法に準じて、光速度不変原理を適用すると
 観測者Lは、
  A ⇔ B  B₁-A₀=L/(C-V)
         A₂-B₁=L/(C+V)
  A ⇔ C    C₁-A₀=A₂-C₁=L/√(C²-V²)
  A ⇔ D    D₁-A₀=A₂-D₁=L/√(C²-V²)
を観測し、ABの時計が同期していないのを観測し、AC・ADの時計は同期しているのを観測し、フラシュが二度光るのを観測します。
  観測者Mは、   
  A ⇔ B   B₁-A₀=A₂-B₁=L/√(C²-V²)
  A ⇔ C   C₁-A₀=A₂-C₁=L/√(C²-V²)
  A ⇔ D   D₁-A₀=L/(C-V) 
          A₂-D₁=L/(C+V)
を観測し、AB・ACの時計は同期しているのを観測し、ADの時計が同期していないのを観測し、フラシュが二度光るのを観測します。
  観測者Nは、
   A ⇔ B  B₁-A₀=L/(C+αV)
          A₂-B₁=L/(C-αV)
   A ⇔ C  C₁-A₀=L/(C-βV)
          A₂-C₁=L/(C+βV)
   A ⇔ D  D₁-A₀=A₂-D₁=L/√(C²-V²)
を観測し、AB・ACの時計が同期していないのを観測し、ADの時計は同期しているのを観測し、フラシュが三度光るのを観測します。


絶対静止系で観測される時間L/Cが、このように進む方向により、ばらばらで観測され、
 一度しか光らないフラッシュが、二度や三度も光ることになるのです。
 光の軌跡に光速度不変原理を適用し、光速度Cを当てはめたために起こった現象です。
移動速度を合成した光の軌跡の速度を使用すれば、観測されるすべての時間がL/Cとなり、同時性が維持され、時間の遅れもないことがわかります。


 参考までに、光路と軌跡の違いが分かるように、視覚化して説明しようとしたものがありますので、それを紹介します。
 電車の進行方向の光について、観測される光路の移動距離等を考察して、電車の中と電車の外では光の状態が違うことを説明するとともに、アインシュタインの考察の矛盾を指摘します。
 図-9で示した電車の外と中に設置した長さLの棒に光を照射したときの光の光路の長さ等をそれぞれの視点で考察した結果を図-10に示します。

         

             図-9(電車と観測者)
 このときの前提条件として、電車内の観測者は、電車の中の光の速度をCとして観測することです。(マイケルソン・モーリーの実験結果に従って、方向性がないと考えます。縦横同じ光速度Cを観測する。)

      

               図-10(A⇒Bの光)


 電車の中の観測者Oは、電車内の光の光路の長さがLで、自身の移動距離がVΔT₁であることを観測します。
 電車の壁に張り付いた観測者Lも、電車内の光の光路の長さがLで、自身の移動距離が
VΔT₁であることを観測します。
 観測者Lは、外の光の光路の長さがL+VΔT₂で、自身の移動距離がVΔTであることを観測します。
 観測者Oは、車内の光の速度Cを観測します。
 観測者Lは、車内の光の速度Cを観測します。
 観測者Lは、車外の光の速度C-Vを観測します。(相対速度 W=C-V)
 軌道堤の観測者は、電車の内の光の軌跡の長さがL+VΔT₁であることを観測します。
 軌道堤の観測者は、電車の外の光の光路の長さがL+VΔT₂で、速度がCであることを観測します。
 L視点で考えると、中の光と外の光は完全に別の状態の光なのです。
 図式化するとこの状態がよくわかると思います。

        

         図-11(軌道堤の観測者と電車の光)


 電車の中の光は軌道堤で観測すると図-11のように、観測者に垂直な光を観測し、観測者は目視で、光の軌道を頭の中でイメージ化している産物なのです。
 アインシュタインは、この電車の中(運動系)の光の軌跡に光速度不変原理を適用し、Cとしています。
 L視点の観測では、とても同じ状態とは思えない軌道堤に沿って移動する光と、電車の中の光の軌跡を同じ光速度Cにしているのです。
 私が、シリーズ1・2で、光路と軌跡の説明をしましたが、図式化すると実際の光と他の系の光(軌跡)では状態が違うので、違う速度を持つことがよく判っていただけたと考えています。
 シリーズ1・2で光の軌跡には、移動速度を合成しなければならないことを考察しましたが、軌道堤で観測される電車の中の光(運動系)の軌跡の速度にも移動速度を合成しなければならないのです。
 移動速度を合成すると進行方向の光の速度は、C+Vになるのです。(逆方向の光は、 C-V)
 逆方向の光は電車の中を移動する光の距離よりも、軌道堤で観測する光の軌跡の距離のほうが短くなります。よく考えたら、おかしいと感じるはずです。図-12に参考までに、載せておきます。

     

            図-12(B⇒Aの光)


 なお、ご意見・反論をお待ちしています。簡単なコメント「間違っている等」で結構ですので、よろしくお願いします。

特殊相対性理論の崩壊(2) 絶対同時性はあった


     横方向の光の光路と軌跡について
  絶対同時性があり、ローレンツ因子は虚構の数値


 シリーズ1で絶対静止系を移動する観測者に対して垂直方向の光の考察をしました。
 今回は、観測者の移動方向の光の光路と軌跡について考察します。


 絶対静止系に、長さLの電車が停止しているとします。


         

                図-1
 A点から照射した光が、T₁時間後にB点に到達し、さらにT₁時間後に、A点に戻ったとします。
 この時の光の光路の長さは、両方向ともに、Lです。
 そして、移動時間T₁は
  T₁=L/C   です。
 この図-1の電車と光の状態を紙面に対して、左方向に速度Vで移動する地球の観測者が、観測する電車と光の状態を図-2に示します。

       

 この図は、観測者を静止系にし、絶対静止系の電車が移動すると考えても同じ図になります。 A点より光を照射し、T₁時間後にB点に光が到達したとき、電車はVT₁移動しています。
 2T₁時間後に、光がA点に戻った時、さらに、電車はVT₁移動しています。
 電車の中の光の片道の移動距離は、Lです。
 しかし、観測される光の軌跡の移動距離は、Lにはならず、観測者の移動速度により変化します。軌跡の長さは、観測者の移動速度に依存しているのです。
 アインシュタインは、この軌跡の速度を光速度不変原理の下に、速度をCとしています。
 では、この状態の光の軌跡の速度を算出してみましょう。
 A ⇒ Bの軌跡の移動速度をXと置き、B ⇒ Aの軌跡の移動速度をYと置き、この時の軌跡の速度を算出します。
 A ⇒ Bの軌跡の速度は、
 (L+VT₁)/X=T₁  X=(L+VT₁)/T₁  
  X=L/T₁+V 
 B ⇒ Aの軌跡の速度は、
 (L-VT₁)/Y=T₁  Y=(L-VT₁)/T₁  
  X=L/T₁-V
となります。
  以上の事から、光の軌跡の速度は、観測者の移動速度や、運動する物体の移動速度と合成しなければならないことが分かります。
 (ここで、L/T₁=Cとすると)
 この値をそれぞれの時間の式に代入すると、両方の式とも
 T₁=L/C
となります。


 また、同時性は、他の系でも同時で、絶対同時性は維持されることが分かります。
 アインシュタインは、光の軌跡を光速度不変原理の下にCとしていますが、実際の光と軌跡では、違う挙動をするのです。光の軌跡の速度をCとした事が間違っていたのです。 
 アインシュタインは、この運動系の光の軌跡をCとして同時性の否定やローレンツ因子の算出を行っています。
 絶対静止系で同時の現象は、運動系で観測しても同時なのです。


 ここで、絶対静止系の電車を速度Vで移動し、静止系に静止している観測者が観測する電車と光の軌跡の状態を見てみましょう。この時、絶対静止系の光速度は一つで、電車の中もこの光速度を使用します。図-3に示します。
       

        


                    図-3
 この状態図は、アインシュタインが同時性の否定やローレンツ因子を求めた時の状態図と同じです。 この光の速度はCです。
 電車を棒や座標軸に置き換えて作成した状態と同じなのです。
 静止系を移動する棒に対する光の状態で、同時性の否定やローレンツ因子の算出を行っているのです。
 以上の事柄をまとめると、
 ◦ 静止系の光を運動系の観測者が、観測してできる光の軌跡の速度には、観測者の移動
  速度を合成する必要があるのです。また、運動系の光を静止系にいる観測者が観測し
 てできる光の軌跡の速度にも、運動系の移動速度を合成する必要があります。
 ◦ ガリレイ座標間で同時性は、維持されます。
 ◦ アインシュタインは、運動系の光の軌跡に、光速度不変原理を使用し、同時性の否定
 やローレンツ因子の算出を行っている。この時の光と棒(座標系)の状態図は、静止系
 を移動する棒に対する光の状態図と同じである。
 ◦ ローレンツ因子は、静止系を移動する棒に対する光の状態から導き出されたものであ
 り、運動系の光の状態を表すものではない。
となります。
 こんなにも簡単に、アインシュタインの思考実験を論破できるとは、考えてもいませ
んでした。(概念で違うことはわかっていても、ほかの人を納得させる説明ができなか
ったのですが、ようやく、納得させられる思考実験が見つかりました。)
 静止系や運動系で実際に起こる事象を考えて、適切な観測を行えば、アインシュタ
インも軌跡の速度に光速度不変原理を適用することなどなかったのです。
 アインシュタインの思考実験のやり方が間違っていたのです。
 次のシリーズでは、移動する物体の収縮など起こらないこと、マイケルソン・モーリ
ーの実験結果及びマックスウェルの波動方程式について考察したいと考えています。
 よろしかったら、次のシリーズもぜひご覧ください。


 なお、ご意見・反論をお待ちしています。簡単なコメント「間違っている等」で結構ですので、よろしくお願いします。

特殊相対性理論の崩壊(シリーズ1)時間の遅はなかった

       光路と軌跡について
(マイケルソン・モーリーの実験と運動する物体の時間の遅れ)



1.光の光路と軌跡
 マイケルソン・モーリーの実験の考察で、進行方向に垂直に置かれた装置の光路を三角形の斜辺にして、光路を進む光の時間を計測していました。
実際の光路が三角形の斜辺になるかを次のような思考実験で確認しました。


           

                図ー1
 絶対静止系(真空系・固定されたエーテル中)でA点とB点を決め、A点よりB点に光を照射し、鏡で反射され、A点に戻ったとします。この光は、理論上(アインシュタインの考え方と思いますが。一つのマックスウェルの波動方程式が絶対静止系に適用されると考える。)A点・B点上にある直線(黒い線)上からずれません。
 ここに、マイケルソン・モーリーの実験装置を置き、A点よりB点に光を照射すると同時に、装置を速度Vで移動させます。
 光を観測すると、軌跡は点線の赤い線のように見えます。しかし、A点とB点は移動しないので実際の光はA点とB点を移動しているだけなのです。


 マイケルソン・モーリーの実験の考察で、この光のA⇒B⇒Aの光路を三角形の斜辺として、光の光路の長さにしていました。
 しかし、ABの光は理論上ABのラインから移動しませんから、光路の長さは距離ABで、実際とは違う考察をしていたのです。
 光の軌跡は光路と違う場合があるのです。(観測する系が違うと軌跡は光路と違う。観測する系が同じならば軌跡と光路は同じ等)


 この光の軌跡は、視覚的な残像として認識される虚像(錯覚)なのです。(実際は頭の中で考えているだけですが。)実際の光路より長いので、観測される速度はCより大きくになります。
 移動速度を加味して合成した速度で軌跡の長さを割れば、同じ時間が観測されますが、Cで割っても本来の時間は算出できないのです。
 私は、物理学者ではないので、行いませんが、実験の考察結果も当然のことながら違ってきます。(航路の時間差が大きくなるので観測結果に大きな影響はないと思われますが。)
 光の軌跡は実際の光路と違う場合があるのです。(系が違うと軌跡は光路と違う。系が同じならば軌跡と光路は同じ。)
 実際のこの三角形の形は、光速度が非常に速いのでほぼ直線的に見えます。また、実際の装置の移動距離(縦方向の装置のエーテルに対する)は観測できないほど僅かですので、光を出した位置と戻った位置が観測できない程度のずれが生じているだけと考えられ、おそらく、実験の結果には影響がないのではないかと考えています。


 この考え方をすると、速度Vで移動する電車に設置した光時計の時間の遅れも、光の移動する絶対静止系での位置を決め、実際の光路を考えると時間の遅れなどないことが予想されます。
 時間の遅れについてみてみましょう。

              

                  図-2
 絶対静止系の点Aと点B点を移動する光は黒線で示したライン上しか移動しません。
 そこを光時計が移動します。見える軌跡は、斜線のようになります。実際には、ほとんど直線なのですが、分かりやすいように誇張して書いてあります。
 絶対静止系(真空系?)には、一つの波動方程式しかないので、ABを移動する光は、光時計が移動しても同じ線上を移動します。
 移動する光時計の観測される時間はABの距離をLとすると L/Cとなります。
 この三角形の斜辺は光の軌跡で、虚像なのです。
 この状態の考察から、運動する物体の時間の遅れなど観測されないのです。


 上述の考察は、絶対静止系(真空中)に適用されるマックスウェルの波動方程式は、一つという観点から出してありますが、電車の密閉された空間がガリレイ座標系でエーテルが移動したと仮定して考察してみましょう。

         

               図-3
 電車が静止している場合、光は当然のことながらAB間を移動します。ABを結ぶ線上にこの光を通すエーテルのラインがあると考えると、電車が移動してもそのエーテルが、電車とともに平行移動するので、光はこのライン上しか移動しないのです。電車が移動しているので、電車の外から見ると、斜辺のような光の軌跡が見えますが、実際の光はABを移動しているだけなのです。
 斜辺の光の軌跡は、電車が移動したから、視覚的な残像として認識されるだけなのです。光はABしか移動していないので、観測される時間はL/Cで時間の遅れはありません。
 ガリレイ座標系として考えても同じです。実際の光の光路は、系内の観測者が観察した状態で、ABを光が移動しているだけです。系が平行移動しているから、斜辺のような光の軌跡が観測されているだけです。
 これで私が感じていたもう一つの疑問も解決しました。
 それは、以前のブログでも紹介した図-4の事柄です。
 他の物理現象では、図のような軌跡を描く物体の動きがLに到達する時間はL/CでVの速度に依存しないはずなのに、光の場合だけ、軌跡の長さをCで割っている。光だけは特殊な扱いになっていました。

            

                図-4
 今回の考察で、光も他の物理現象と同じで、Lに到達する時間は、L/Cであることが確認できました。
 光の軌跡は、実際の光の光路を反映していない場合があり、その都度、慎重に考察をしなければなりません。
 以上の考察より、
 ◦ 光の光路と軌跡は一致しない場合がある。
 ◦ 光を伝搬する装置の移動速度によりできる光の軌跡の速度が必ずしも、Cにはならな
  いことを考慮する必要がある。(移動速度との合成速度になる)
 ◦ 運動する物体の時間の遅れがない.
という結論が得られました。


 これらの事柄を頭に入れて、このシリーズを読んでいただければ、私が考えていることを理解いただけるものと考えています。
 特殊相対性理論の一角が、崩れ去りました。この後のシリーズを通して、アインシュタインの矛盾を指摘していきます。次のシリーズもぜひご覧ください。
 なお、ご意見・反論をお待ちしています。簡単なコメント「間違っている等」で結構ですので、よろしくお願いします。


 軌跡と光路の違いが明確になるように、追加説明をします。
 絶対静止系の原点に、長さLの棒3本(青色の線)を置き、原点及び各棒の端に同期し、時刻合わせをした時計を配置します。

       

 原点より各棒の端に向けて光を同時に照射し、各棒の端に光が届いた時の時間を絶対静止系に静止している観測者が観測すると、各棒にはL/C時間後に光が到達しているのを確認します。
 この時、静止系を速度Vで、紙面の左方向に移動する観測者がこの状態を確認します。
 この時、移動する観測者が観測する光の光路は、特殊相対性理論で行っている光の観測からすると、点線に示す光路になります。
 そして、この光路の光速度は、光速度不変原理を適用し、Cとすると各光が棒の先端に到達する時間は、バラバラになります。
 絶対静止系の時間で、L/Cの時間がこの場合、3つ観測されるのです。
 この矛盾は、光の軌跡に光速度不変原理を当てはめたから起こった現象です。
 実際の光路は、実線に示した線で、これをCで割れば同じ時間が観測されます。
 光の軌跡と光路は違う場合があること及び、軌跡の速度は移動速度を合成しなければならないことがお判りいただけたと思います。